初ゴジという服 の巻(改定) | クラバート・ガレージ

初ゴジという服 の巻(改定)

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初ゴジは本当に独特なゴジラだ。


というより、初ゴジの前にゴジラはなかったのだから当然か。








手、足、体型、そのすべてがゴジラらしいゴジラじゃない気がする。


先ず、恐竜体型ありきで、それに合わせてアクターを入れているからだろう。




故に、初ゴジに最もコンセプトの近いゴジラは、84ということになると思う(造っていて、驚くほどに共通性を見いだせた)。


初ゴジも84もアクターは地獄だったろう。






先日、元モデルの方と話していたのだがオシャレな人は、自分のキャラクターに合った服を身につける(この場合のキャラクターというのは体型、顔立ち、似合う色という意味で)。


これが、いわゆる“着こなす”ということみたいです。




しかし優秀なモデルというのは、服に自分のキャラクターを“合わす”らしい。






初ゴジに入るという行為は、まさに後者ということになる。




初ゴジを造っていて思い出したのが、10年ほど前に流行したB-BOY系統のファッション。




これもひとくくりにできず、後年どんどん細身になっていったのだが、一時期のは極度にオーバーサイズを着るのが流行った(ちょうど『8mile』って映画が公開された2002、3年頃がピークだった記憶がある。少なくとも僕の周囲は。)




僕は標準体型の人間で、普段パンツを購入する場合、デニムだとW28、サイズはS辺りなのだが、当時はXLなんかを履いていた。こうやって書いていても、気恥ずかしく懐かしい思い出だ。




標準体型の人間が、そんなオーバーサイズのパンツを履くということは、ほぼ土管に足を入れているようなものであり、多少の足の動きは、完全に見えなくなる。


土管ラインでなおかつ足が曲がっていると認識出来る状態というのは、ほぼ中腰くらいになっている。




カーゴパンツなんかだと、カーゴというようなディティールが付いているわけで、それは細身のパンツの場合、全身のラインに大きく作用するわけなのだが、オーバーサイズだとほぼ、意味を為さない。ディティールがラインに埋もれるのだ。






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2号初ゴジの芯には筋肉のライン、生物的な間接の位置が施されているが、スーツになった際にはほぼ意味を為さなくなっている。


しかし、それと引き換えにあのオバケじみた雰囲気が出ていると言える。



その点、84ゴジのスーツは人間が入りながらも生物としてのディティールとしての筋肉のラインはかなり残っているわけで(上腕あたりが特に顕著に)、そのあたりが造型方法、あるいは造型理念の違いなのかもしれない。





こんなことを考えながら造るほどに難かしく、楽しいです。初ゴジって。