西尾×浅井 造形怪物怪獣対談-1
2011年、4月23日、「造形怪物怪獣大全集」著者である西尾氏が浅井造型を訪問されました。
その時の記録です。
以下、
西尾氏→西
浅井氏→浅
猫族→猫
と表記します。
浅「今日は、久しぶりにお会いできてうれしいですわ。」
西「メールはしてますが、直接にお会いするのは、10年ぶりですよね。本当に、お久しぶりです。」
猫「はじめまして。お会いできて、光栄です。」
猫「ガレージの総括みたいなのは、ビリケン篇に書かれたんでしょうか。」
西「ええ」
浅「本になってるの、あるんですね。俺のやつと全然ちゃうわ。中身も全然違うやん」
西「井上さんのは全然違います。別物ですよね。今思えば、フロッピーか何かでの、配布にしておけばよかったですよ。」
猫「パラダイスの40cmモスゴジの写真、パオパオさんとこの3枚だけだと思っていました。こんなにあるんですね。僕は、モスゴジの立体物ではこれが一番好きです。」
西「いいですよねぇ、これ。今回の浅井さんのモスゴジ、イメージ的にはこれに近くて、凄くいいんですよ。浅井さんこれはご存知でしたか。」
浅「いや、知らなかったです。井上さん、40cmでも造ってはったんですね。」
猫「変なこと言うようですけど、このモスゴジはこの状態でいいと思うんです。ラフのこの状態で、もう完璧ですよ。この状態でレジンで欲しいです。」
西「もうジオラマも作って、そこに置いてるし。だから一度ほとんどできてたんだと思うんですけど、色塗った上から、また盛ったり削ったりしてますよね。」
浅「(ビリケンの号を見ながら)これで2、3000円でしょう。やっぱり、すごいですよ。バルタンなんか完璧ですよ。」
西「この出来が2500円で買えるんですからね。本当に凄いとしか。人物造型も完璧で。最近は、海外製の完成品の映画俳優の玩具がありますけど、あれも凄いですけど、立体物としてはちょっと面白くないんです。そのへん、ハマさんは完璧ですよね。」
猫「まぁ、完成品のは、アクションフィギュアですから。方向性が違いますよね。」
西「ええ。彫刻じゃないですからね。」
西「これ出したあと、更に資料が送られてきて、各号、3版っていう構想もあったんですけどね。(井上さんが)キンゴジ熱海城を造ってる際のスナップとかもいただいて。コングを粘土で捏ねてるところとか、城を紙で作っているところとか。」
猫「これ、井上さんは知ってはるんですか?」
西「持って行って、見てもらったんですけど、自分の過去なんて興味無いみたいですね(笑)」
猫「もう、これだけしか実物がないんですか。」
西「ええ…カラーコピーは色褪せるから、デジタルでスキャンした方がいいよと言われたんですけどねぇ。製本しちゃったから(スキャン)出来ないんですよ。」
浅「マスター原稿はないんですか」
西「マスターは借りた写真を張り付けたやつでして、その写真を返却してるので、もうないんです。」
浅「ああ、そういうことか。」
猫「印刷にしたら、一冊作るのにいくらかかるんでしょう?コンビニのカラーコピーだと原価だけで1万越えますよね、これ。」
浅「全然わからんなぁ」
猫「もったいないから、今、全部目を通させてください。」
西「それはお貸ししますよ。」
猫「指紋とかつけるのが怖いですねぇ」
浅「いや、指紋くらいはつくやろ(笑)」
つづく