造形怪物怪獣大全集
ネットも復旧しましたし。
そろそろ宿題も片付けていきます。
モスゴジを作っている間、家から出ていないわけではなく、いろいろ動いてはいました。
過去に拙ブログでは、単語としては取り上げていました「造形怪物怪獣大全集」。
先日、著者の西尾様と遂に対面できました。
西尾様は浅井造型とも結構繋がりが深く(初期のラインナップの選定に関わっておられます)、浅井さんを通じて連絡をとっておりました。
で、是非会いましょうということになったのですが、なかなかスケジュールの御都合がつかず、先延ばしに。
しかし、先月急きょ連絡を頂き、浅井造型旧本社にてそれが叶いました。
僕が「造形怪物怪獣大全集」から受けた影響は多々ありまして、去年の80年代ガレージ、バンダイトイの考察や、ダイモス中井親分のインタビュー等、きっとこの本を読んでいなかったらおこなっていなかったと思います。
ガレージの歴史の考察をやりたいとか以前書いていたのですが、西尾様も拙ブログを読んでくださっていたみたいで、冷や汗ものでした。
造型怪物怪獣大全集は、90年代末期に西尾様が怪獣ガレージの各作家ごとの考察、検証を行ったものです。
Vol.1が井上雅夫氏、以後、大石透(マーメイド)氏、高垣利信氏、トリアーデ(ウエノヌメロ氏)、ハマハヤオ氏と続きます。
原詠人氏は当時構想のみ、浅井氏のも構想はあったようです(後述)。
基本的にコピー配本という形式に加え、口コミでの配布だった為に、そんなに出回っていません。
で、ハマ氏を除く各号は、第2版まであります。
そしてハマ氏の初版の際に、御自身用にそれまでの各号2版+ハマ初版で製本化されています。
僕が所持(というより浅井さんから借りてた)していたのは、ハマハヤオを除く各号の初版でして、今回各号第2版+ハマ初版の製本されたバージョンを西尾様御本人からお借りし、改めてその内容の違いに驚きました。第2版は大幅に内容が増補されており、特に井上さんのVol.1は第2版では2倍近くのボリュームになっています。
で、初見となるビリケンハマハヤオ氏の号には、西尾様の観点からの「ガレージの歴史の総括」に近い文章があります。
これには驚きましたし、嬉しかったです。
で、僕自身バイブルのような本ですし、出来る事なら構想のあった二人(原、浅井)の補完、並びにゼロ年代のガレージの総括も含めた文章を入れ、「完全版」として纏め上げたものを復刊していただきたいとお願いしていたのですが。…結果としてそれは難しいかもしれません。
今回お会いし、その辺りをすっきりさせたかったのですが、皆でお酒飲んで盛り上がっちゃって(汗)
浅井編が「近すぎて書けない」という点に加え、現在西尾様の本職が多忙を極めている点も大きいです。
過去に出た分だけをスキャニング、という案もありましたが、製本されている2版+ハマ初版はバラせないのでスキャンは無理です。
浅井編を僕が担当(僕なら遠慮なしに書きます・笑)する案も出ました。
が、正直、造形怪物怪獣大全集の執筆に加わるのは恐れ多すぎますし、第一西尾様の文体を書物の中で一貫すべきだとも思います。
西尾様御自身は、作家ごとの写真集的なニュアンスも多分に含みつつ編集、執筆されたのだと思います。
しかし、この作品集の本来の価値は 西尾様の手による批評 という点にこそあります。
鋭い切り口で造型物を纏め上げた“書籍版ガレージキット”とでもいうべき逸品です。
あるいは、その点のみを尊重し、書籍化された2版+ハマ初版を、僕が全部入力し直す、というやり方も“あり”なのかもしれません。気が遠くなりそうですが(笑)
長々と書きましたが、結局のところ方向性がまとまっておらず、申し訳ございません。
しかし憧れの著者にお会いできた、という点は凄くうれしかったです。ミーハーな纏めでスミマセン。