ダイモス中井三郎氏インタビュー まとめ
このインタビューは8月に京都のPAO本社で聞き手も話し手もベロベロに酔っ払いながら行ったものでして、今回文字おこしが大変でした。
怪獣のラテックス製可動モデルは、それこそリアルホビーの昔から憧れの怪獣モデルの一つでありました。
多分にヤマダマサミ氏の可動モデルを使った小学館の図鑑等で刷り込みがなされていたからかもしれませんが、「家庭用サイズで」「実物同様の皮を被った」「可動モデル」という存在にはトキメクものがあるのです。
中井氏の作品群の特徴に、その巨大感というものが挙げられます。80、90年代に製作されたものはいずれもみなそのサイズが50cmクラスの巨大なものでした。
サイクロプス、84ゴジラ等、肉感を感じさせるキャラクターにとって、この巨大感と、ラテックスをまとった張りつめたプロポーションは非常に有効に作用していると言えます。
今回、HJ誌に載ったイーマ竜は、村上氏が製作されたラテックス習作であったことを本人からお伺いしました。「ダイモスやる以上、お前もラテやっとけ」との中井氏の言葉で製作したそうです。
その村上氏がPAO時代に発表したミレゴジ。全体のバランス、その巨大感は実物スーツ以上にゴジラらしい造型で、15年前に中井氏が造られた作品群とトータルの雰囲気が非常に似通ったもののように感じられました。
2000年当時、HJEXの写真を見て、あぁダイモス健在だなぁ…と感じた記憶があります。
そんなわけで、80年代に少年時代を過ごした僕には、今回の質問は大変楽しいものでした。
確かにレジンキットが主流であるガレージの世界では異端かもしれませんが、その精神性、製作過程は紛れもなくガレージのそれと同様であると考えます。
現在、ダイモスは村上氏が主宰するガレージメーカーとして精力的に活動しているのは皆様ご存じのとおりです。中井氏も、大戸島サミットで久々の新作を披露されました。80年代に誕生したユニットが、2011年の現在もこのように存続しているのは、なんとも嬉しい事実です。
最後になりましたが、長時間に及ぶ聞き取りに付き合ってくださった中井さん、全面協力してくださった村上さん、ありがとうございました。