20年目の邂逅 その4
クリスマスの夜、無事にデスザウラーは我が家にやってきた。
当然、喜び勇んで組み上げた。
しかし、組み上げたときの感想は
「意外とアッサリしている」
というものであった。勿論造型的には最高峰にカッコいいものであり、十二分に満足できる出来栄えであったことは追記しておく。
この印象の違いについて、当初は「写真の撮り方かな…」と考えていた。
しかし、ファーストインパクトで受けた「ゴチャゴチャ感」がまったくなくなっていることが原因だと気付いた日から、ゾイドバトルストーリー2巻の検証がはじまった。
その後小学生なりに出した結論としては、つまるところ
「背部のマニューバスラスターユニットが無い。」
「コード類が無い」
という点であった。本当は雑誌作例はもっと全面的に改造されているのだが、小学生の僕にはその程度の違いしか発見することが出来なかった。
ところで、何故に小学生時分の僕は、このような、「写真の撮り方かな…」という勘違いをしたのであろうか。今回、このレビューを書く際に面白い事に気付いた。
新製品の「ファーストカット」がここまで大幅に改造されていたゾイドは後にも先にもこの「デスザウラー」のみなのである。色の塗りたし位はあった(バトスト1巻の表紙のウルトラザウルス等)。
しかし、このデスザウラーに至っては、マニューバスラスターユニットの装着、過剰なまでの頭部周辺のデコレートで、流線的ともいえる製品版の印象を大きく変えるほどの改造を施しているのである。
これは当時のクリスマス商戦へのトミーのキラータイトル的商品であったが為の意気込みなのか、ジオラマチームの暴走なのか、購買層が年長者が多かったために、改造例としていきなり提示してしまったのか、今となっては解らない。
言うまでもないが、左が製品版である。随分と印象が違うことに気づいていただけるだろう。