内容紹介(「BOOK」データベースより)

項梁の反秦連合に参戦した劉邦は若き項羽と共に秦と戦い、彼の勇猛さと複雑な人間性を知る。やがて楚王より関中平定という無謀な命を受けた劉邦は、張良の献策を生かし、秦の街を次々に攻略。ついに秦は降伏する。そして劉邦は鴻門の地で再び項羽と相見えるのだった。漢王朝を作った劉邦を描く大河小説、疾風怒涛の第三巻!

 

 

秦の首都、咸陽に向けて別々のルートを進む項羽と劉邦さんですが

項羽の軍が通り過ぎた後には人が残らず

劉邦さんは徳を前面に出し自発的な投降を促しつつ進んでいます。

 

結局は劉邦さんが関中に一番乗りでした。

 

楚王の約により劉邦さんが関中王になるはずでしたが

一歩遅れた項羽が猛然と突き進んできます。

魔が差した劉邦さんは函谷関を閉じますがあっさりと項羽に抜かれて

存亡の危機に。

 

ここで有名な「鴻門の会」が登場します

 

 

樊 噲や張良さんの機転で虎口を逃れることが出来ましたが

ここで「じゃんけんゲーム」に負けていてもおかしくはなかったですね。

 

項羽さんもあえてその後を追わずの直情的な性格の方だったおかげもあります。

もともと劉邦さんのことは嫌いではなかったと思います。

 

しかしながら

項羽に天下を取らせようとしていた軍師・参謀である范 増さんからしてみれば

「豎子、ともに謀るに足らず!」(小僧とは一緒に謀を行うことができない!)

と、たいそう御立腹。

 

もっとも范増さんも項羽の人柄に惚れて「この人を天下の主に」と思っていたのではなく

自分の策謀、才覚により自分が選んだ人に天下を取らせたいと思っているような方だと思います。

 

何とか虎口を逃れた劉邦さんですが論功行賞で

関中ではなく漢中へ

これもまた張良さんのおかげで蜀のみを指定されたところ交渉の末、漢中をも勝ち取ったことがその後を左右します。

 

現在の「漢帝国」、「漢人」もこれが起こりなのだと思います。

 

話は少しずれますが現在の共産朝皇帝がしきりに口にする、あるいは共産朝下の人々が口にする「漢人」(純粋な漢人)はほぼ存在していません。(私見)

 

中国の歴史を見れば自ずとご理解いただけると思います。