NSAによる盗聴のターゲットになったとみられるのは、
ジャック・シラク元大統領(在任期間:1995~2007年)や
ニコラ・サルコジ元大統領(在任期間:2007~2012年)、
そしてフランソワ・オランド現大統領といった
歴代大統領3名の他、
複数の閣僚や駐米フランス大使など広範囲にわたります。
ウィキリークスの公開した機密文章によれば、
大統領直通の電話番号や
政府職員の携帯電話番号などが盗聴されていた模様で、
大統領の秘密会議の内容まで
漏れていたことが明らかになっています。
機密文書の中で明かされた盗聴内容の中には、
サルコジ元大統領がアメリカ抜きで
イスラエルとパレスチナの和平交渉を
再開しようとしていたことや、
2012年の欧州債務危機 でギリシャが
ユーロを離脱してしまうのではと
オランド大統領が気にかけていたことも記されています。
一連の報道を受け、
フランスのオランド大統領は国防会議を開くことを明かし……
さらにはアメリカのオバマ大統領と直接電話協議。
この電話協議の中でオバマ大統領は
「フランスにスパイ行為は一切行わない」
と約束しています。
President Obama tells Hollande US no longer spying on France - BBC News
New WikiLeaks Documents Reveal NSA Spied
On Top French Companies | TechCrunch
http://techcrunch.com/2015/06/29/new-wikileaks-documents-reveal-nsa-spied-on-top-french-companies/
新たに公開された機密文章によると、
NSAはフランスのフランソワ・バロワン 氏や
ピエール・モスコビッシ氏などを
2004年から2012年までの期間盗聴していたようで、
これらの政治家からフランスの経済界に
大きな影響力を持つ
大企業に関する情報を収集していた模様。
そして、NSAはそれらの大企業が輸出する
工業製品の品目を調査していたようです。
また、NSAによるスパイ行為はそれだけに収まらず、
フランスの経済界で結ばれる
2億ドル(約240億円)以上の法人契約については
片っ端からスパイ行為を働いていたようで、
スパイ行為はフランスの通信から始まり
ガス・石油・原子力発電や
再利用可能エネルギー関連事業、
さらにはヘルスケアテクノロジーに至るまで
さまざまな分野に及んでいたことが
明らかになっています。
さらに問題なのが、
NSAがスパイ行為で得た情報を
アメリカのその他政府機関や、
エネルギー長官や商務長官、連邦準備制度、
財務長官などと共有していたという事実。
加えて、
機密文章はNSAが
フランスをスパイして得た情報を、
友好国であるイギリス・カナダ・
ニュージーランド・オーストラリアと共有していた
可能性も示唆しています。
フランスのITセキュリティ機関である「Anssi」は、
NSAによるスパイ行為のターゲットとなったと見られる
企業の数は100を超えており、
ユーロネクスト・パリに上場されている
時価総額上位40銘柄も含まれる、とコメント。
なお、NSAが現在もフランス企業をターゲットに
スパイ行為を継続しているかどうかについては
不明なままです。