契約期間を定め、契約社員やパート・アルバイトを採用・更新している企業は多数あります。特に採用する際は、企業・労働者双方のリスクを軽減する形で期間を定めることが、より多いと思います。「ちょっとウチにはあわないな」という理由で採用早々の契約期間の途中に、解雇を検討する企業もありますが、解雇は可能なのでしょうか?

労働基準法20条では、事業所に対し、解雇について30日以上前に予告、又は30日分以上の解雇予告手当支払を義務づけています。契約社員や、パート・アルバイトも解雇のルールは正社員と同じです。採用日から14日間を経過した場合は、試用期間中であっても解雇予告または解雇予告手当が必要となります。

しかし、労働契約法第17条には、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者 解雇 することができない」としています。

「やむを得ない事由」があると認められる場合とは、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である」と認められる場合よりも狭いと解されるもので、通常の解雇 事由よりもさらに重いものとされており、期間満了まで雇用を継続することが不当ないし不公平と認められるほど特別重大な事由である場合を言います。つまり有期雇用 者の中途解約は、正社員 解雇 する場合よりもより難しいということです。

「やむを得ない事由」とは、労働者のケガ・病気、家族の看病などによる就労不能、業務上横領などの悪質な非違行為、天災事変などを言い、やむを得ない事由がないのに労働者 が一方的に期間途中で退職した場合、会社に具体的な損害が発生していれば損害賠償 を請求できる可能性があります。

同様に、労働者も契約期間中は簡単に退職が出来ないと解釈も出来るでしょう。もちろん、双方の合意があれば問題ありません。

契約社員やパート・アルバイトと有期雇用契約を結ぶ際は、契約期間を事前に十分検討してから募集、採用をするようにし、退職する際の条項も設け、今後のトラブル回避を心掛けてはいかがでしょうか。


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