第56回スーパーボウルのハーフタイムショーのティーザーが公開されましたね!!


とにかく格好いい映像です!

これがそうです!


「Superbowl 56 Half Time Show Trailer」 


オープニングのチェスのシーンがロサンゼルスの街並みに変わっているところ、惹き込まれますね!

アメリカのこういった動画のセンスの良さにはいつも舌を巻かれます!!


チェスを用いたところはフットボールを知っている人であれば

「あぁ、フットボールの頭脳の戦いを連想させていいな!」

とすぐに分かると思いますが...............


世間一般の人で

『アメリカンフットボールは頭脳のスポーツ』ということを理解してくれている人がどれだけいるのだろう?


と疑問に思うきっかけになることが最近ありました。



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先日あった友人が僕に訊いてきた質問がこうでした。


「夜テレビを見ていたらコマーシャルでアメフトが出てきたけど、なんであのIT企業のCMがアメフトなの?」

と。

僕がフットボール好きなのを知っていての質問だと思うのです。


間髪入れずに僕は

「だってアメフトが情報分析や戦略が大切な頭脳のスポーツだというところとそのIT企業のビジネスの理念が繋がっているからだよ。」

と即答しました。


僕もそのCMは見たことがありましたし、

フットボール経験者として見て

「よく出来たCMだなぁ」

と思っていました。


が、その友達はなんともよく理解できていないようでした。


「なんでこんな単純なことがわかんないの?」

と思いましたが、同時に僕の中にひとつの疑問が浮かびました。


「もしかしたら、アメリカンフットボールが頭脳のスポーツだということが伝わってないんじゃないかな?」

と。


彼だけではなく世間一般の多くの人に、です。


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多くの社会人チームや学校のチームが

「チーム紹介動画」

を作っていますよね。


僕も気になるチームがあると見るのですが、

チーム紹介動画を見るとその内容は


ハドルを組んで叫び声を上げる集団

オフェンシブラインの激しいブロック

QBのロングパス

レシーバーのダイビングキャッチ

ランニングバックが密集を駆け抜ける

ディフェンシブラインのラッシュ・サック

ラインバッカーのブリッツ・タックル

ディフェンシブバックのインターセプト

キッカーのフィールドゴール

キックリターンタッチダウン

サイドラインでヘッドセットをして難しい顔をしたコーチ(!)


などが上手く編集されています。


フットボールを知らない人がこの動画を見ると

「アメリカンフットボールは激しいスポーツ」

「アメリカンフットボールは迫力のスポーツ」

「アメリカンフットボールは難しいスポーツ」

という印象が強く伝わると思います。


動画の中にはアメリカンフットボールの戦略性を伝える、戦略の面白さを伝えるようなシーンも少なからずあると思いますがその部分に目が行く人はごくごくわずかで、大半の人は動画で一番インパクトが強い

「迫力・激しさ」

の部分に目を引かれるのではないでしょうか。


作る側としても、

「あの試合のあのシーンを使おう!」

とか

「ちょっとかっこいいシーン撮ろうよ!」

と、

「見た目の派手さ・インパクト」

で動画の編集をするのが普通かなと思います。

経験上、僕もそうでした。


で、こんな感じの動画を見てアメリカンフットボールに興味を持った人が質問してきたら返す答えは

「フットボールの魅力は戦略だよ!」

ですよね............


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「短い動画で戦略性の高さを伝えるのは無理だよ」

との声が聞こえてきそうです。


そのとおりです。


戦略性を匂わせる動画編集は出来ますが、

戦略性の楽しみを伝えるには短時間の動画では無理があります。


戦略は理解するのに時間がかかります。

理解するのに時間がかかるものを楽しむレベルまで引き上げるには更に時間が必要です。


戦略の楽しさを数分の動画で伝えることはほんとに難しいです。


試しにチェスの動画を検索してみましたが、

戦略性の面白さを短時間で伝えるような紹介動画は探し出せませんでした。


戦略性を紹介する動画はどれも

「ルールを説明する動画」

に近いものでどれも2,3分で終わるような動画はありませんでした。


「短時間で戦略の面白さを伝えることは出来ない」


それがわかっているから僕を含めたアメリカンフットボール関係者は

「プレーの迫力・激しさ」

などインパクトの強い映像を取り上げた動画を作るのではないでしょうか?


もしくはアメリカンフットボール好きな人は

「戦略が楽しい!」

と言っていながら、

実は潜在的・本能的には単純な


「プレーの迫力」

を見てほしいのでは?


という気もします。




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「伝わっていない」

ということは、

「伝えていない」

ということです。


「受け手の問題」

ではありません。発信側の問題です。


「わからないの、この面白さが?」

ではなく、わからせていないということを分かる必要があります。


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短時間の動画でアメリカンフットボールの戦略性の面白さを伝えるのはかなり難しいです。


動画のあり方を変えることが出来ないのであれば、

「説明の仕方」

を変えればいいです。


伝えたいのが戦略の面白さだとしてもいきなりそこを前面に押し出すのではなく、

例えば、

「あのランプレー、すごい迫力だったよね!

実はあのプレーにはこういう意図(戦略)があったから凄いプレーになったんだよ!」

という感じで二段階で説明して、

「最終的に楽しいのは戦略!」

に導いてあげるようにしてみたらいいのではないかと思います。


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一つのシーズンの終わりは次のシーズンの始まりです。


すでに来季の部員勧誘に向けて動き出しているチームも多く、

「新人勧誘動画作成」

に取り掛かっているチームもあるかなと思います。


本当に伝えたいものが

「戦略の面白さなのかどうか」

から見直してもいいかもしれません。


伝えたいのが

「フットボールの迫力」

なのであれば素直に

「迫力が楽しい!」

を伝えていいと思います。


このブログが、アメリカンフットボールの魅力を伝える上での

「ちょっと別の視点からのアプローチ」

を考えるきっかけになれば嬉しいです。


今回はこのへんで。

ありがとうございました。


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とある有名スポーツサイトから相互リンクのご相談を受けました!

非常に光栄です。近々リンクを貼らせていただきます。