ドロップバックで3歩なり、5歩なり、7歩なり下がり、

 

「ポケット」

の位置までたどり着いたQBがいよいよパスを投げるのですが、

 

ここからの

「ステップの仕方」

が大きく二つあります。

 



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ひとつめは、

「最終ステップと同時に投げる方向に向きを変え、

前足を踏み出すステップ」

です。

 

あらかじめ、

「投げるレシーバー・投げるタイミングを決めているパス」

を投げる場合、QBはドロップバックの最終ステップと同時に、

レシーバーの方向に前足を踏み出します。

 

「QBのお仕事 ドロップバック」

で書きましたが、

 

このステップで重要になるのは

「最終ステップの一歩前の体勢の整え方」

です。

 

短いドロップバックでも、QBは

「急いで下がる」

ので勢いがついています。

 

その勢いのまま

「最終ステップからすぐスローイング」

はなかなか難しいので、

 

最終ステップ一歩手前でちょっと減速し

 

「方向転換の準備」

をします。

減速すると同時に、

 

「レシーバーの方向に踏みこみやすいように」

クロスステップする前足のつま先を投げる方向に

ちょっと向けておいたり、

 

つま先の置き方を変えたりします。

右に投げたければ前足の親指側に、

左側に投げたければ前足の小指側に、

と言った感じです。

 

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ふたつめは、

「最終ステップで一度立ち止まり、フィールドの様子を見ながら

向きを変え、投げる方向に前足を踏み出すステップ」

です。

 

「ディフェンスの様子を見ながら、どのレシーバーに

投げるかを決めるパス」

があるのですが、

 

この際、QBはポケットまでドロップバックして一度立ち止まり、

「ポケットの中からレシーバーとディフェンスの様子を見て」

フリーになったレシーバーを探して投げます。

 

最終ステップの一歩前で減速し

体勢を整えるのはひとつめのステップと一緒ですが、このあと、

 

「方向転換のためのステップ」と

「投げるためのステップ」

の二段階ステップを踏むことになります。

 

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ドロップバックを終わらせたQBは、眼から

「より正確な情報」

を得るために一度立ち止まります。

実は、ドロップバックの最中も見ています!

 

そこからフィールド上を見て、ディフェンスやレシーバーの様子を見て、

「誰に投げるか」

を探すとき、バスケットボールの

「ピボットターン」

のように、ステップを踏みます。

 

以前のブログでJoe Montanaのスローイング解説を紹介しましたが、

その中でMontanaが

「立っているときの体重配分は前3後7」

と言っていましたが、前足の体重が軽い分、

後足を軸にしてピボットターンしやすいと思います。

もう一度、Montanaの動画、紹介しておきますね。

 

Joe Montana How to Throw a football

 

僕の大好きなDrew Breesはちょっと違うステップを踏みますね。

彼は比較的広いスタンスから両足のステップで方向を変えます。

Drew Breesの動画も紹介しておきますね。

 

下の動画の2分25秒くらいのところからのステップ、

「両足がつま先立ちで方向転換」

の感じがよくわかりますね。

 

Drew Brees Throwing break down

 

例えば、正面を12時の方向として、

左足が12時、右足が6時にあるセットアップの状態から、

右に30度向きを変えたいときは、

 

「左足を1時に、右足を7時に」

動かすことで向きを変えていますね。

 

Montanaの

「扇型ステップ」

に対して、

 

Drew Breesは

「円型ステップ」

と言った感じでしょうか。

 

ちなみに、英語で「忙しくててんてこ舞い」

のことを

「I am on my toes!!(ずっとつま先立ちの状態だよ!)」

と言いますが、Drew Breesのステップはそんな感じですね!!

 

 

比較的スタンス(足幅)の狭いMontanaは

セットアップのとき割と高く構えるのでピボットターン

がやりやすいのだと思います。

Tom Bradyも似たような感じだと思います。

 

Montana流がいいか、Drew Brees流がいいか、

個人の好みでいいと思います。

 

僕はDrew Brees好きですが、スタンスは狭いほうなので

僕の方向転換ステップは

「Montana流」

かなと思います。

 

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「方向を変えるステップ」

を終え、

 

「投げるためにステップを踏む」

のですが、このステップを

 

「Hitch step(ヒッチステップ)」

たんに「Hitch(ヒッチ)」

と呼びます。

 

「一旦とまった状態にあるQB」

が、

「後ろ足を一歩前に踏み出す」

ことでまず投げるための勢いを得ます。

 

その勢いに乗って

「投げる方向に前足を踏み出す」

ことで投げるためのステップ終了です。

難しく書いてますが、けっこう自然にやってる動きですね!

 

あとは投げたボールが

「レシーバーの手に収まる」

のを祈るように見つめます(笑)

 

またまた、長くなりましたが、今回はこの辺で。

 

ありがとうございました。

 

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次回は、

 

「QBのお仕事  決めうちパスとコンビネーションパス」

について書いてみたいと思います。

 

実は今回のブログで書いてしまおうかと思ったのですが、

もうすでに長い文章になったので次回にしました(笑)

 

今回の「ステップワーク」とあわせて考えていただけると

わかりやすくなると思います。