QBとしての経験を重ね筋力も技術も上がってくると50ヤードくらいは投げれるようになりますよね。
それくらいの遠投力があれば20ヤードくらいならばディフェンスの一瞬の隙間をつくようなライナーが投げ込めるようになると思います。
プレスナップ・ポストスナップでディフェンスのリードもできるようになってきて、
「ボールを投げるのが面白くてたまらない時期」
というのはどのQBにもありますね!
面白くなってきてロングパスがどんどん決まり、20ヤードのライナーがズバズバ決まるようになりながら、
どういうわけか、
「5ヤードのスクリーンパスが届かない😲」
という面白くない経験をしたことないですか?
僕はあります😁
50ヤード投げれるのになぜ5ヤードが届かないのでしょうか???
今回はこの辺について考えてみたいと思います。
上で書いた通り、
ある程度経験を積むとロングパスが決まり始めますね。
自分の遠投力と飛球時間がわかってきて、
ドロップバックからヒッチして投げるまでのタイミングもわかってくると割と
「勝手に体が動く」
というか、それほど難しく考えなくても決められるようになったりもします。
レシーバーが伸ばした手に吸い込まれるようにボールが飛んでいくこともありますね。
QBとしては狙って投げてますから、
奇跡のようで奇跡でないロングパスが決まります😁
上で書いた50ヤードはちょっと大げさかもしれませんが、30ヤードくらいであればある程度ディフェンスを見てタイミングを図りながら決めることもできるのではないでしょうか?
30ヤードと言えば、ディープゾーンに下がったセイフティの頭を超えたもうちょっと奥、くらいですかね。
ロングパスでないにしても、
ガンからドロップバック3歩+ヒッチアップ1歩でミドルレンジにズバッとライナーで投げることもできると思います。
もちろん、ガンからドロップバック1歩で決める短めのタイミングパスにもだんだん慣れてきているはずです。
とにかく
「パスが面白くてたまらない」
と感じる時期は必ずあります!!!
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ショートもミドルもロングも投げるようになればディフェンスを翻弄できるようになります。
短いタイミングパスを決めてLBやCBの出足が前に出るように仕込んでおいて、
短いタイミングパスをフェイクにして奥にドッカーンと投げるなど、
戦略的な攻め方が出来るようになります。
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パスが決まりだすと、ディフェンスはそれをなんとか阻止しようと必死になってラッシュしてきます。
そうなったらやりたくなるのが
「スクリーン」
ですよね!
必死になってQBに突進してくるDLの頭越しに
「フワッと山なりに」
ラッシュを嘲笑うかのように決めるパスです!!!
が、そのパスが届かない......................😲
また、
なかなかレシーバーが見つからず焦ってきたところでパスプロが大きく割れてその花道の5ヤード先にチェックダウンのRBが現れ、
「近い距離だし確実に取ってほしい」
と手渡しするようにフワッと優しい球を軽く投げたらそのパスが届かない...........😲
こういった経験はあるのではないかと思います。
僕はありますよ😁
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【なんで届かない???】
なんで届かないか?.....................🤔
理由は簡単です。優しい球を投げようと力を抜きすぎてしまうからです。
力を抜いて投げる時多くのQBは
「腕を優しく、ゆっくり振って投げる」
のではないかと思います。
ふわっとした球を投げるために、
投げるというよりは押し出すといった感じになることもあると思います。
「優しく振る、ゆっくり振る」
至近距離を投げる時、たしかに力を入れる必要はありませんよねぇ。
でもこれが問題になります。
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初心者QBだった頃のことを思い出していただくとわかりやすいと思いますが、
ボールを投げる時ある程度勢いをつけたほうがスパイラルもよくかかるしボールを安定させやすかった、という経験のある人が多いと思います。
逆に、
ゆるい球を投げようとして腕をゆっくり振って投げているときはなかなかスパイラルが決まらずヘロヘロ球で距離も不安定であまりいい球がいかない、という経験はあると思います。
腕をゆっくり振ることの何が問題なんでしょうか?ちょっと考えてみてください。
腕をやさしくゆっくり振って投げるとき、
何が起こるんでしょう..............🤔
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「なにが問題なんでしょう?」
と言っておきながら恐縮ですが、
実は腕をやさしくゆっくり振ること自体には問題はない、です................😲
やさしく投げようと思ったら腕の振りは遅くしなければなりませんよね。
問題は、
「腕をゆっくり振るときに起こること」
です...............🤔🤔🤔
僕が思い当たる大きな理由はふたつです。
1.ボールの軌道が下を向く
2.リリースで腕の振りが減速する
一つずつ考えてみたいと思います。
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【1.ボールの軌道が下を向く】
至近距離ではとにかく優しく投げようとしますよね。どうかすると腕を伸ばして手渡しするくらいの気持ちで投げます。
この時ボールの軌道は下向きになりがちです。
その理由はよく言われる
「腕投げ」
です。
やさしく投げようとして体軸回転を使わず
「腕だけ振って投げる」
のですが、
このときボールの軌道が下向きになりがちです。
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「腕投げ」
と言って思いつくのは、
ひとつめは
「腕を伸ばしたまま投げる方法」
です。
肩の上にボールを持ち上げるようにしてそこから手首だけ使ってふわっとしたボールを投げようとしますがどういうわけか、ショートします。
腕を伸ばして高い位置からボールを押し出すように投げるのですがこのとき腕を体の前で振るのでリリースのときボールが思ったより下を向くことが多いです。
下向きに発射されたボールは当然ショートしますよね...........😣
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もうひとつは
「肘から先で投げる方法」
です。
リリース直前で前に出した肘の位置を固定して肘を伸ばしながらフワッとボールを投げます。
固定した位置で肘を伸ばすと指先が弧を描くように動きますのでこのときもボールが下を向いた状態でリリースされることが多くなります。
リリースされた瞬間からボールは下を向いていますのでこれでもやはりショートします。
軽く投げようとしすぎて5ヤードに届かないことになります。
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【どうすればボールの軌道を改善できるのか?】
「リリースのとき最高位」
になるようにして投げてあげるといいと思います。
最高位と言っても
「大上段からの投げ下ろし」
ではないです😁
腕の振り始めよりも高い位置であればいいです。
ゆっくり投げる球は山なりの軌道ですので
「山なりの軌道を描く投げ出し方」
が必要になります。
手に持ったボールが下から上に上がっていくようにしてその過程で投げ出してあげたらいいですね。
低い位置からスタートしてリリースに向かって上に上げていけばいいです。
腕を伸ばして投げたい場合は腕を少し頭の後ろまで引いてから腕を振り、手が一番高いところに来たらリリースすればいいです.......が、
多分コントロールよく投げるのは難しいと思いますので腕は曲げて投げ始めたほうがいいと思います。
バスケのフリースローのように腕を曲げた状態からスタートしリリースに向かって腕全体を伸ばしながらボールを持ち上げるようにするとリリースするときの軌道が上向きになりますのでショートするリスクは大幅に減ります。
スパイラルなど気にせずフリースローのようにポーンと投げ出してもいいかもしれませんね。
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実は僕は以前から、
子供にフットボール投げを教えるときは玉入れだったり、バスケのフリースローのようなゲームを練習に取り入れたらいいのではないかと思っています。
「ボールを上向きに投げること」
を体で覚えておくといい球が投げやすくなると思います。
実はビシュっと投げるライナーも重力や空気抵抗の影響を受けるので
「微妙に山なり」
で投げ出さないとレシーバーに届きません。
ライナー投げても微妙にお辞儀しますよね😁
どんな状況でも
「ボールを上向きに投げだすクセ」
はつけておいていいと思います。
日本ではフットボールは多くの人が大学生になってから始めます。ある程度体ができあがってから始めるのでボールを投げるにも
「筋力任せでライナーを投げることが基本」
になりがちなところがありますが、
子供の頃から遊びを通じてボールを投げる動作を覚えておくといいと思います。
もちろん、これ、大学生になってからやってもいいですよね!!!
ちなみに、
「スパイラルなど気にせずに..........」
と書きましたが、そんなQBはいません😁
バスケのフリースローのような腕の使い方でスパイラルをかける練習をしてみたらいいと思います👍
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【2.リリースで腕の振りが減速する】
ボールの軌道が下向きになる以外に
腕をゆっくり振ることで多くのQBに起こる問題は
「リリースで腕の振りが減速する」
ということです。
フワッと、やさしく投げようとして、
「リリースをやさしく」
します。
テイクバックからの腕の振り始めもやさしくゆっくりなのでリリースもやさしくてもいいのですが、
ゆっくり振り始めた腕をリリースでさらにゆっくりにしてフワッとやさしいボールを投げようとするから
「5ヤードが届かない」
ということになります。
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テイクバックからのスローイング動作では、
手で握っているボールが前に進んでいきます。
リリースに向かって腕・手先の加速度が上がりボールにはさらに大きな前向きの圧がかかります。
「指とボールの密着度が上がる」
と言ってもいいですね。
このままのスローイング動作で
「リリースの時点で腕の振りが最速」
になっていれば指とボールの密着度が一番高まった状態になり、力が一番効率よくボールに伝わります。
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ゆっくり優しく投げようとすると、
スローイング動作の動き始めで腕の振りが最速になりがちでその後リリースに向かって減速する、という現象が起こります。
テイクバックからの動き始めである程度ボールに勢いを乗せておいて、リリース手前で
減速するとボールにかかる指からの前向きの圧が弱まることになります。
指とボールの密着度が落ちることになります。
ある意味、握っているボールが
「スッポ抜け状態」
になってしまいますので勢いを加えることができなくなります。
リリースでスピードが落ちてしまうと軸もぶれますし圧もうまく伝わりませんので当然前にはうまく飛んでいきませんよね。
やはりこれでもボールはショートします。
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【どうすれば改善できるのか?】
腕の振りが速くてもゆっくりでも、
テイクバックからのスローイング動作が加速度を増して、
「リリースで最速」
になっていればボールには問題なく勢いがつく、ということです。
腕の振りがリリースで減速しないようにするためにはどうしたらいいでしょう?
やり方はいろいろあると思いますが、
いくつか思い当たる投げ方を考えると、
ゆっくりながらもリリースで腕の振りを最速にするためには腕投げをやめて、
「身体投げ(?)=体軸回転投げ」
にしてあげることです。
手先は器用ですので微妙なコントロールに長けていて、肘の伸ばし方を変えたり手首・指先のスナップを変えたりしてスピードをコントロールできます。
が、ゆっくり投げるときはそれが仇になることが多いので、
ゆっくり投げるときこそ
「体軸回転を利用して投げてあげる※」
という手があります。
※普段から体軸回転を利用することは大切なので、普段の投げ方をゆっくり投げにアジャストすればいい話ですね😁
体軸回転は一旦始まると途中で減速させるのはなかなか難しいです。
「リリースに向かって手先が最速」
になるように回転していきます。
腕を90−90ポジションかリリーススタートポイントに固定しておいて身体を回し、
腕を伸ばしながらリリースで軽く手首のスナップを効かせるようにしてボールに勢いを乗せます。
体軸回転だけでなく手首のスナップも効かせますので
「リリースで最速」
にすることは難しくないです。
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別の方法として、
ボールの軌道を上げるところでも紹介しましたがバスケットボールのフリースローのような感じでボールを投げるやり方もいいと思います。
ボールを下から支えて腕を伸ばし最高位まで持っていきますので指にかかる圧がリリースの瞬間に最大になります。
ボールをちょっと山なりに押し出すような感じになります。
繰り返しになりますが僕個人的には、
「山なりにボールを押し出す腕の動き」
がスローイングには非常に大切だと思っています。
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【サイドスクリーンでショートするのはなぜ?】
右利きのQBが右にサイドスクリーンを投げてショートしてしまうシーンもたまに見ますね。
これは
「体軸回転と腕の動きがバラバラになるから」
です。
ショッガンからスナップを受けて右にボールを投げる時、
右肩を一度大きく左に引いて体を回し、
瞬時に右に回し直してボールを投げなければなりません。
このとき右腕は
「でんでん太鼓の紐」
のように振り回されて体軸回転からかなり遅れて前に出てきます。
体軸回転の力がうまく腕に伝わりませんので勢いも乗りませんしコントロールも悪いです。
バブルスクリーンなどではレシーバーまでちょっと距離がありますので
「スローイング動作をあわてる感じ」
もあり、なおさら体と腕がバラバラになりがちです。
右肩の引き方を少し小さくして体軸回転を少しコンパクトにして、同時にここでも
「リリースで最速」
「リリースで最高位」
を意識して投げるといいと思います。
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人間の体はけっこう思ったように動いてないことがあります。
肝心なところで肝心なことが出来ていないこともよくあります。
スローイングで肝心なところと言えばリリースですよね。
ボールをゆっくり投げても速く投げても
「リリースで最速」
「リリースで最高位」
を達成できれば球威・コントロールともに納得いく球が投げられると思いますよ!
もちろんボールの軸を意識して、
いいスパイラルで!
最速で最高位を意識しながら、
スクリーンパス・チェックダウンへのパスを強い味方にしてくださいね!
実戦で強い武器になりますよ!!!
今回はこの辺で。
ありがとうございました。
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次回は
QBのスローイング「ショートフック」
について書いてみたいと思います。
ショートフック???
基本のルートで
「一番簡単」
と思われていますが、
僕の中ではけっこう難しいルートです。
これについて書いてみたいと思います。