セカンドステージ・デザイン | Diary

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The way I am…

以前勤めていた会社の友人が定年退職して、大学院に入学したお祝い女子会があるとのことで参加させてもらいました。
(以下の内容はご本人の承認をいただいて載せています)。


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彼女が大学院で研究する科目は「21世紀社会デザイン」
21世紀の社会が直面している環境、地域紛争、貧困などの諸問題に対して、政府、企業、NGO/NPO等の組織がどのように協議して解決に当たれるのか、また異なる価値観を持つ人々が共生していくための社会はどうあるべきか。21世紀の社会デザインについて研究する学問だそうです。学生には20代のほかに50代以上のシニアを含む社会人経験者も多いそうです。

進学の動機は、最初はこれまでの諸々のことへの私憤があったそうです。が、受験のための研究計画を準備する過程で、現在の社会が抱える文化や構造に根ざした問題について調べるうちに、社会はどうあるべきか研究することで自分の問題(私憤)だったものが公憤へと昇華できると再認識し、最終的にはそれが進学の動機となったそうです。

これまでの仕事と家庭、子育てを両立しながらの彼女のキャリア人生の話を聴いて、両立には計り知れない苦労があったのだろうなと想像しました。

男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年でしたが、30年前には「女は家庭で子育てするのが役割」というのが男性に限らず、かなり多くの人の意識だったように思います。彼女も女性に対する差別的な発言を経験したことがあったそうです。

男性と同じ仕事での評価、単身での海外勤務、管理職、時代の変化と共に、女子社員のフロントに立って働いてきた彼女だからこそ、時代の最初の波も被って来たのかも知れません。

また会社員時代には、成果主義の評価制度の下、納期と出したい結果との間の葛藤の中で、未消化な部分が彼女の中に残り、溜まっていったようです。

他のメンバーのキャリアにも、同じ時代に個人個人の環境を主体的に切り開いてきたパイオニアとしての歴史があり、それぞれの話に重みとリスペクトを感じながら聞き入りました。

それでも「最近は女性を差別したり、低く評価するような言動をする男性はほとんどいなくなったよね。セクハラになるから言えないし」という現役女子の話を聞いて安心しました。

最近は、先日の保育園待機児童の問題や、子育てと女性の働き方の課題には男性の働き方も考える必要があるという意見をメディアで見聞きするようになりました。女性の問題が働くことを前提にした問題に質が変わってきているように感じます。女性が働く上での障害があるというのは変わっていないのですが….

また、最近はシニアの生き方、そしてそれの社会の受け止め方も変わってきています。生涯学習という言葉が言われて久しくなりましたが、以前は自分の学びたい欲求を満たすための自己実現と思われていた時代もあったと思います。私も昔、ある大学院の面接試験で「その歳で学び直してどうするのか」と言われたことがありました。

しかし男女を問わず、社会人経験者で大学院で学ぶ人たちは増えているし、大学院側も50代以上を対象としたコースを設けるなど(彼女のとは違うコース)、積極的にシニアを受け入れるように変わってきています。

日本は今超高齢社会です。少子化と同時に、総人口に65歳以上が占める割合は25%、4人に一人が高齢者という社会です。学校側の変化は若い学生の数が減ることへの対策ともとれますが、この事実は時代の変化だと思います。

女性が働くことへの意識が変わってきたように、超高齢社会では、シニアが第2のステージで再び学び直すことが常識外れではなくなり、そうした人たちが学んだことを社会に還元して、社会そして人々の意識を変える時代が来るかも?しれません。

その結果は先を歩んでいる"団塊の世代"といわれる人たちがこれから証明してくれるのかもしれません。未だ誰にもわかりません。

自分の意志で何かを選択し、自分の規準で行動する。目標を持って主体的に生きることほど人を輝かせるものはないと思います。これから「21世紀社会デザイン」のテーマ研究に思い切りエネルギーを注ぐ彼女の姿が思い浮かびます。心から彼女を応援したいと思いました。

研究と並行して、彼女自身のセカンドステージのデザインも構築されていくのかもしれません。究極「自分は何者で、どう生きるのか」というのが、誰しもが持つ本質的、普遍的な人間のテーマとも言えるのかもしれないとも思いました。


今回の女子会メニューは久々のフレンチでした!
デザートだけ食べ放題ということで、全員2皿いきました (⌒-⌒; ) びっくり




たくさん喋って、食べて、笑って、刺激を受けて、私も遅れないように今の自分に迷いなく進もうと思い直せた女子会でした。