従来の特急電車がすべてボンネットスタイルの中、昭和42年クハネ581は初めて貫通式で、
後の国鉄特急電車の標準スタイルとなる電気釜として登場しました。
床下にスペースがありましたが、従来の特急電車は客室の騒音・振動を避けるために、
ボンネットの中に電動発電機・空気圧縮機を設置していました。
クハネ581は、ボンネットがないために、運転室後部にわざわざ機器室を設けて、
そこに電動発電機・空気圧縮機を設置しました。
今の鉄道車両は、床下に目一杯機器を配置して、できるだけ客室を多くとる
というコンセプトになっていますが、クハネ581は、サービス向上のために、
上記の通り贅沢な配置となっており、優雅な設計思想を感じ取ることが出来ます。
国鉄の古き良き時代の象徴のような車両でした。