伍芳(ウー・ファン)さんコンサート ~ルミナリエに祈る~ | p,s, なみきです

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先日、神戸ルミナリエ開催の初日、会社の同僚と二人で古筝(こそう・中国楽器)
のコンサートへ行ってきました。



このコンサートは、友人の会社が特別協賛をしていて、チケットは彼女に譲って
もらいました。前から4列目、どまんなかのとってもいいお席でした。


会場は、うちの会社の神戸営業所が入っている、神戸では歴史があって有名な
神戸朝日ビルの中の神戸朝日ホール。開演の挨拶にこられた朝日ホールの
館長さんのお話によると、ここ数年、休館している時期もあったそうですが、
その日は、ホールのプレオープンにあたり、これから神戸の文化の発展に寄与
していきたいとのことでした。客席が横長に広がり、舞台と近く感じる良いホール

だと思います。

そうそう。神戸市長も舞台には来ていて、コンサートの売り上げ金から神戸市
への寄付金を贈呈されていました。


奏者は、中国古筝の奏者、伍芳(ウー・ファン)さん。
そして、ピアニストの中村幸代さん、フルート奏者の南部やすかさんの3人です。

障害を持つ方々だけを招待したルミナリエのプレオープンの日にも、伍芳さんは
公開演奏をされたそうで、その映像が神戸ルミナリエ関連のニュース映像にも流
れていたので、ご覧になった方もおられるのでは。


第一部が、それぞれのコンサート。
第二部は、3人の奏者と4人の演じ手による音楽劇。
上海万博の日本館で行った公演を、神戸へ持ってきた凱旋公演だそうです。


第一部 コンサートは、中村幸代さんの軽快で爽やかなピアノから始まり、
南部やすかさんの伸びやかなフルート、そして伍芳(ウー・ファン)さんの
迫力のある中国古筝と続きました。


古筝を見るのは初めてでしたが、音色はよく耳にしていました。大きなお琴に
アンプがついていて、音の広がりと間のバランスがスゴイです。


伍芳さんは、上海生まれ。お姉さんが京都大学にへ留学したのを機に日本へ
ご自身も留学し、音楽活動を始めようとした矢先、神戸で阪神大震災に遭われ、
大切なお姉さんを失ってしまったそうです。


そのご自身のストーリーを、幼少の頃からのお姉さんとの思い出の写真などを
演出に使いつつ、そのまま音楽劇にされていました。


…最後、舞台挨拶のときには、観客も演じ手も、そして奏者である伍芳さんも
みんな泣いていました。


あれから15年経っても、神戸の人々の心の中に深い悲しみが残っているんだと、
ワタシも涙がぽろぽろと止まりませんでした。そうですよね。忘れられるわけは

ないし、悲しみが和らぐこともないんですよね。ルミナリエの輝きがとても悲しく、

あの灯りのひとつひとつに残った人々の祈りが込められているんだと理解しました。



音楽劇中でお姉さん役の「地震のときに生かされたアナタは、自分が、何が
できるかを考えなさい」と言った台詞が耳に残りました。



(なみき)