第11話:イケブクロ2~カブキチョウ捕囚所:3/5 | 魔人の記

魔人の記

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★3/5話 再会と過ち★

>マントラ軍本営・地下牢へ。

カハク「あ」

コダマ「あー」

>フィフス・バベルたちがやってくると、勇が帽子をかぶりなおしながらこちらに気付いた。

勇「……よぉ、光介、久しぶりだな……」

光介「ああ」

勇「オマエの噂は聞いてたよ。……この牢屋でな」

カハク「わざわざ地下牢に入れられたみたいだから心配してたけど…ケガとか全然してないわね」

光介「マントラ軍としては、マガツヒが取れれば充分なんだよ。だから、傷つける必要はなかったんだろうね」

カハク「でも、元気そうってことはマガツヒも抜き取られてないみたいね。よかった」

勇「オマエもニヒロ襲撃に参加してたんだろ?」

光介「いや、襲撃っていうか…俺たちが行った時にはもう終わってたけど」

勇「……オマエも知ってたのか? 先生が、ニヒロの巫女だって……俺、伝えようとしたんだけどな」

コダマ「伝える直前に、トールにやられちゃったんだよねー。あんなハンマーで殴られて、よく元気になれたよね?」

ウィルオウィスプ「キット コイツ イシアタマ」

光介「勇が石頭…そういう発想はなかったなあ」

勇「……どっちにしろ、その様子じゃ連れて帰れてはいないみたいだな……」

カハク「連れ戻そうとしたけど、オセに追い出されちゃったのよね」

ウィルオウィスプ「アイツ ユズレナイコト マモッタ。 テキナガラ アッパレ」

勇「オマエでもダメか……その悪魔の力に、結構期待してたんだけどな……」

光介「…」

勇「マントラは崩壊して、これからはニヒロが力を伸ばして行く一方……先生はどこに居るかも分からないまま……」

カハク「あたしたちも、もうニヒロには入れないしね…」

勇「こんな世界でウロウロと……何やってるんだろうな、俺たち……」

>勇はやれやれと帽子に手をやり、うつむき加減になる。

光介「そうだな、ウロウロさせられてるな…」

>勇は顔を上げる。

勇「……こうなったら、アイツに賭けてみるしかねぇかな」

ウィルオウィスプ「アイツ?」

勇「噂で聞いたんだ。すげえマネカタがいるんだよ」

カハク「すげえマネカタ、っていうと…ゴズテンノウの前にいたマネカタを思い出すわね」

コダマ「でも、つぶされちゃったよー。きっとあのマネカタとは違うんだね」

勇「そいつは、先のことがなんでも分かるヤツで……マントラ軍の崩壊も予言してたらしい」

光介「…」

勇「そいつに聞けば……先生のコトとか、これからのコトとかつかめるかも……」

光介「そうかもしれないな」

勇「マントラはそいつを捕まえて、捕囚所にブチ込んだって話が最後だから…今もそこにいるんだと思う」

コダマ「ほしゅーじょ、ってなにー?」

光介「この地下牢みたいに、捕まえたマネカタとかを押し込んでおく場所だよ」

勇「俺、そいつを探しにカブキチョウへ行くよ」

光介「捕囚所はカブキチョウにあるんだ」

コダマ「なるほどねー」

勇「どこに居たって危険には違いないんだ……俺は可能性のあるほうへ行くぜ」

ウィルオウィスプ「プラス シコウ ダナ」

勇「じゃあな」

>勇は去っていった……

光介「さあ、俺たちも勇の後を追おう」

カハク「そうね、でも…」

光介「ん?」

カハク「マネカタって、すごいのになるとここから普通は見えないものとか、予知能力とか身につけちゃったりするのね」

光介「うん。それは俺たちにはない能力だよね」

カハク「マネカタたちのイメージがちょっと変わるわ…今までは、のほほんとしてて力が弱い連中だとしか思ってなかったもん」

光介「でも、大部分のマネカタにはそんな力はないんだ。言ってみれば、ここにいるカハクやコダマ、ウィルオウィスプが種族の中で最強なのと一緒なんだよ」

カハク「…ああ、なるほど…確かに、あたしと同じ姿をしたカハクはいっぱいいるけど…」

コダマ「しんくうはーとか使えるコダマなんて、普通はいないもんねー」

光介「そういうこと。んじゃ、大門から外に出よう…しばらく進むと魔人が出てくるから、気を引き締めといてくれな」

カハク「わかったわ!」

コダマ「ボクもりょーかーい♪」

ウィルオウィスプ「ウォレモ リョーカイダゾ」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」

>フィフス・バベルたちはマントラ軍本営・大門を抜け、イケブクロの東側へ出た。

>すぐに高速道路の料金所が見えてくる。

コダマ「あー、ここから高速乗るんだねー」

光介「ああ。この先しばらく歩いていくと、カブキチョウ捕囚所に着ける。でもその前に…」

ウィルオウィスプ「マジン ダナ」

光介「うん。この辺りだと思うんだけど…?」

>とてつもなく恐ろしい悪魔の気配がする…

光介「来たか!」

>ここに、とどまりますか?

光介「もちろんだ! 3体目の魔人との戦い…逃げるわけにはいかない!」

>本当にとどまりますか?

光介「留まって戦い、何としても勝つ! そこそこ俺たちもレベルが高いから、苦戦とまではいかないだろうけど…」

カハク「わかってるわ。油断するなっていうんでしょ?」

光介「ああ」

カハク「魔人相手となれば、あたしたちだってマジになるわよ。前の魔人は大したことなかったけどね」

コダマ「すぐ終わっちゃったもんねー」

光介「だからって次の魔人も大したことないとは限らないぞ。よろしく頼…」

>フィフス・バベルたちはいつの間にか結界の中にいる。

光介「!」

>そして遥か彼方から、何かの音が聞こえてきた。

ウィルオウィスプ「ナンノ オトダ?」

>それは、鋼鉄の咆哮。

光介「来るぞ!」

>魔人・ヘルズエンジェルのバイクが、うなりを上げながらこちらに向かってくる!

ヘルズエンジェル「…感じる、感じるぜ。俺が求める力を……メノラーを持つヤツが近くにいる!」

>バイクの両輪には炎の輪。
それは荒々しく、砂塵を巻き上げる。

ヘルズエンジェル「…オマエか!? オマエが持ってるんだなっ!」

>戦闘への高揚感を表すかのように、バイクはさらにうなる!

ヘルズエンジェル「メノラーをよこしな! そうすりゃ連れてってやるぜ…スピードの向こう側へ!!」

>ヘルズエンジェルは一直線にフィフス・バベル目掛け、ウィリーをしながら襲い掛かってきた!

>魔人・ヘルズエンジェルと戦闘開始!

コダマ「まさか、バイクに乗ってるなんてねー」

カハク「ハイテンションなヤツね…でも、確かに前のヤツより強そうだわ!」

ウィルオウィスプ「コースケ サクセン…」

ヘルズエンジェル「さあ、行くぜ! 俺とコイツの怒りを止められるかな!!」

光介「待て! その前にヤツが仕掛けてくるっ!!」

>ヘルズエンジェルのヘルエギゾースト!
全体衝撃大ダメージ+デカジャ(魔法によるステータス上昇効果を消去)効果!

光介「ぐっ!」

カハク「きゃあっ!?」

ウィルオウィスプ「ウグッ!!」

>ウィルオウィスプは衝撃弱点!
大ダメージを食らうが、コダマが無効化したのでヘルズエンジェルの行動は終わる。

ウィルオウィスプ「グ クソ…」

光介「大丈夫か、ウィル!」

ウィルオウィスプ「ウォレ マダ ダイジョウブ… デモ レンパツハ チョット ヤバイ」

光介「そうだな…ヘルエギゾーストはコダマが無効化してくれるからまだよかったけど。とにかく、カハクに回復してもらおう」

ウィルオウィスプ「ウォレ ワカッタ。 サクセン ドースル?」

光介「コイツには衝撃は効かないから、コダマは順番回しを頼む」

コダマ「わかったー」

光介「カハクはとりあえずプロミネンスで攻撃して、次にウィルの回復だ。俺たちの行動回数は5回だけど、うまくやってお前まで回す」

カハク「わかったわ」

ウィルオウィスプ「ウォレ キアイ?」

光介「ああ。俺も今回は気合いを込めることを優先する。ヤツはデクンダを使うから、フォッグブレス(命中&回避力2段階ダウン)もすぐに効果を消されてしまうからな」

ウィルオウィスプ「コースケト イッショカ」

光介「ああ、行くぞ!」

>フィフス・バベルたちは戦う!
コダマが順番回しをしたので、カハクの行動となった。

カハク「行くわよっ!」

>カハクのプロミネンス!
火炎大ダメージをヘルズエンジェルに叩きつける!

ヘルズエンジェル「ぬるい! ぬるすぎるぜっ!」

>ヘルズエンジェルは、プロミネンスを無効化した!
フィフス・バベルたちの行動回数が2つ減る!

カハク「うそっ!?」

光介「しまった! コイツ、衝撃だけじゃなくて火炎も無効化できるのか!」

ウィルオウィスプ「ウォレ キアイ コメタゾ!」

>残り行動回数は1。
順番はフィフス・バベル。

光介「くそ…ヤツの耐性を完全に読み誤った! 本当ならここで、俺が気合いを込めてコダマが順番を回して…カハクにウィルを回復してもらうはずだったのに…!」

カハク「どうすんのよ、コースケ!」

光介「仕方ない…ウィルの回復は次のターンだ! 耐えてくれよ!」

ウィルオウィスプ「ウォレ マタ タエキッテヤルゾ!」

光介「よぉし!」

>フィフス・バベルは気合いを込めた。
次回の物理攻撃が2.5倍となり、行動が終了する。

ヘルズエンジェル「俺たちの番だな…さあ、食らいやがれ!」

>魔人の猛攻が開始された!

>4/5話へ続く…


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