第10話:ニヒロ機構~イケブクロ2:2/5 | 魔人の記

第10話:ニヒロ機構~イケブクロ2:2/5

★2/5話 みたらし団子とイジワルスター★

>フィフス・バベルは、ニヒロ機構ターミナルへ戻ってきた。

コダマ「おかえりぃ!」

光介「お待たせ! みたらし団子、手に入れてきたよ」

コダマ「わーい!」

カハク「…これが、みたらし団子…」

ウィルオウィスプ「コースケ コレ ドコデ ゲット? ウルィ?」

光介「ギンザ大地下道のガラクタ集めマネカタにもらおうと思ったけど、さすがに食べ物は保存がきかないだろうから…」

カハク「だから?」

光介「ターミナルから続いてる、別の世界から持ってきたのさ」

カハク「別の世界…?」

光介「まあ、言ってみれば受胎が起こる前の東京みたいな感じなんだけどね」

コダマ「ね、ね、まずは食べようよー! ボクもう、ガマンできないよー!」

光介「あ、そうだね。んじゃ食べようか」

>フィフス・バベルは、みたらし団子を2パック取り出した。
1パックにつき、団子が3本入っている。

光介「タレが落ちるから、気を付けて食べてな」

コダマ「はーい!」

カハク「タレって、茶色いのね…」

ウィルオウィスプ「イタダキマス!」

ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうに団子を手に取る)」

>フィフス・バベルたちは、みたらし団子を食べた。

コダマ「おいしーい!」

カハク「おいしいわ!」

ウィルオウィスプ「ンマイ!」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうまさを表現している)」

光介「そっか、喜んでもらえてよかったよ。カハクとウィル、ピシャーチャは初体験だと思うけど…」

カハク「全然問題ないわ。っていうより、おいしい!」

ウィルオウィスプ「ウォレノ ヨソウヲ コエル ウマサ!」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうまさを表現している)」

光介「あはは。 ターミナルで食べる、っていうのがちょっと風情がないけど…まあ、おいしいっていうんなら問題ないか」

カハク「甘辛いってこういう感じなのね…あたしてっきり、わさびや辛子と砂糖を混ぜてるのかと思ったわ」

コダマ「そんなことしたらマズいに決まってるじゃないかー。これがみたらし団子だよー、おいしいよー★」

ウィルオウィスプ「コダマノ ハイテンションノ イミ ヨクワカッタゾ! チョコトハ マタ チガウ ウマサダナ★」

ピシャーチャ「…★(ざわざわとうまさを表現している)」

>フィフス・バベルと仲魔たちは、みたらし団子を堪能した。

光介「…あ」

>フィフス・バベルは団子が入っていたパックを見る。
1体1本だったので、団子はまだ1本残っている。

光介「あと1本残ってるけど…お前たち、どうする? 俺はもういらないけど」

コダマ「…!」

>1本の串には、団子が3つ刺さっている。

コダマ「これじゃ、団子1個ずつってわけにもいかないねー」

ウィルオウィスプ「ジャア ウォレノ ブン カハクニ ヤル」

カハク「えぇ? いいの?」

ウィルオウィスプ「オベイ ヨア マスター ト イウヤツダナ」

光介「レディファーストだろ…何がどう間違って、メタリカの曲の歌詞になっちゃってるんだよ」

ウィルオウィスプ「ソウダッタカ? ウォレ カンチガイ」

>ウィルオウィスプはそう言いながら、もじもじしている。

コダマ「んじゃ、ボクもカハクにあげるー★」

ピシャーチャ「…(ざわざわとカハクにうなずいた)」

カハク「え、でも…みんな、いいの?」

光介「みんなああ言ってるんだから、素直にもらっておきなよ、カハク」

カハク「う、うん…」

>戸惑いながらも、カハクは最後のみたらし団子を手に取った。

>そして食べる。

カハク「おいし~♪」

コダマ「よろこんでもらえてボクも嬉しい★」

光介「じゃ、カハクがそれ食べたら出発しよう。ニヒロ機構を、一気に駆け抜けるぞっ」

ウィルオウィスプ「……」

>おいしそうに団子を食べるカハクを見ながら、ウィルオウィスプはしばらくもじもじしていた。

>その後、ターミナルを出た一行は、中央広場に出る。
その真ん中には、キーラをはめ込むための台座が4つある。

光介「残り3つのキーラを集めてあそこにはめれば、氷川への道が開けるよ。まあ、それまでにいろいろと仕掛けがあるんだけどね」

コダマ「そういえば、前もそんなこと言ってたねー」

カハク「どんな仕掛けなの?」

光介「ここから先に進む扉があるんだけど、そこを進むとマガツヒ貯蔵庫に出る。そこにあるスイッチを操作して、キーラが保管されてる場所へ進んでいくんだ」

コダマ「スイッチかー。確かにめんどくさそーだね」

光介「心配いらないよ。俺はもうその仕掛けがどんなものかわかってるし、問題はボス…それも、これから行くボスだけだから」

カハク「そうなの?」

光介「ああ。まずは一番めんどくさいところから行こうと思ってるからね」

カハク「最初に、めんどくさいところから終わらせようってことなのね」

光介「うん。その方が後が楽だから…んじゃ、行こうか」

コダマ「はーい」

カハク「わかったわ」

ウィルオウィスプ「ウォ ウォレモ リョーカイ」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」

>地下12階。
マガツヒ貯蔵庫で、夜魔キウンにスイッチを操作されてしまう。

>そのせいで、先に進めなくなってしまった。

カハク「なんなのよ、アイツ!」

光介「これが、めんどくさい原因さ…ここは最初、スイッチはみんな青なんだけど、キウンに操作されて結局全部赤にされちゃうんだ」

コダマ「進むにはどうしたらいいのー?」

光介「全部青に戻して進めばいいだけなんだよ。ただ、ぐるぐる歩き回らされるのもあって、最初はすごくめんどくさく感じちゃうんだよね」

カハク「そうなの…なんだかコースケが落ち着いてるの見たら、イライラしてるのがバカみたいに思えたわ」

光介「冷静になってみれば、実は意外と大したことないんだよ。だから、こうやって歩き回ってスイッチを戻していけば…と」

>フィフス・バベルは、キウンに操作されたスイッチ3つを青に戻していく。
先に進めるようになった。

光介「これでいい。あとは、もうちょっとだけキウンに付き合ってやらなきゃならないけど、まずは進もう」

カハク「コースケが言ってた通り、ここは確かにめんどくさいわね…でも、あとちょっとなんでしょ?」

光介「ああ。キウンを倒せばこのめんどくささも終わるしね。じゃあ、行こう」

>フィフス・バベルたちは先に進んだ。

>そして緑の宝物庫へ。
宝箱がある。

光介「これを開けると…」

>中身は空っぽだった。

コダマ「あれ?」

カハク「ここに、キーラっていうのが入ってるんじゃないの?」

光介「ここのは既に、キウンが持ち出してるんだ。さあ、外へ行こう」

>宝物庫から出た。
すると、何者かが現れる。

>それは夜魔キウンだった。

キウン「俺は、夜魔キウン…」

カハク「出たわね、イジワルスター!」

光介「確かに星の形してるけどなあ」

キウン「悪いがキーラは渡せない。あきらめるんだな」

>そう言い残し、キウンは逃げ去った。

カハク「コースケ!逃げたわよ!」

光介「もちろん追いかけるぞ」

>キウンの後ろ姿を追い、フィフス・バベルたちは少し広いスペースに出た。

カハク「…ここ、さっきも通ったわよね?」

光介「ああ。扉がたくさんあるけど、最初は全部閉じられてるんだ。だから書くのも省略してたんだけど…」

コダマ「最初は、ってことは、今は開いてるのー?」

光介「実はこの中のどれかに、本物のキウンたちがいるんだよ」

カハク「それを探せっていうの!?」

コダマ「間違えたらどうなるのー?」

光介「ハズレのキウンや、妖精ケルピーとかと戦うことになるんだ。でも、大丈夫。あいつらの場所は…」

>フィフス・バベルは、この場所に入ってから3つ目の、左側のドアを開けた。
そこには3体のキウンがいる。

キウン「そうだ…俺が正解だ」

光介「な?」

コダマ「コースケすごい!」

光介「記憶が残ってるとはいえ、ここは間違えることもあるからなあ。当たっててよかったよ」

カハク「なーに? もしかして当てずっぽうだったの?」

光介「半分は、ね★」

コダマ「でも結局当てたんだからすごいよ!」

カハク「そうね。あとはコイツらを倒すだけなんでしょ?」

光介「ああ! 今までめんどくさくされたお礼、たっぷりしてやろうぜ!」

カハク「わかったわ!」

コダマ「ボクもがんばるー♪」

ウィルオウィスプ「……」

光介「おい、ウィル。どうした? もう戦闘が始まるぞ!」

ウィルオウィスプ「ウ! ワ ワカッテル ゾ」

光介「どうしたんだ? ぼおっとして…みたらし団子で、腹壊したのか?」

ウィルオウィスプ「コ コースケ シンパイショウ! ウォレ ハラ ナイゾ! ダカラ コワレナイ!」

光介「まあ、そうだけど…大丈夫か?」

ウィルオウィスプ「ウォレ モーマンタイ! イツデモ イケルゾ!」

光介「そっか。じゃあ行くぞ! キウンは破魔以外の魔法が効かないから、そのつもりでよろしくな!」

カハク「じゃああたしは、順番回しと回復ね」

コダマ「ボクはハマでも使っちゃおっかなー」

>夜魔キウン3体と戦闘開始!

ウィルオウィスプ「ウォ ウォレ… コレ ナンダ…? ドキガ ムネムネ…?」

>3/5話へ続く…


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