〔ト書き〕シジマが啓く時(3周目) | 魔人の記

魔人の記

ここに記された物語はすべてフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。オリジナル小説の著作権は、著者である「びー」に帰属します。マナーなきAI学習は禁止です。


-記事内目次-

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5/5話へ

※ケータイではこの目次は動作しません…努力しましたが、無理でした…



★1/5話 マダマダだね★

>トウキョウ議事堂にて再開。

統魔「よう」

ヴァルキリー「久しぶりだな」

統魔「ああ、ちょっと俺もいろいろあってな…で、今回はここを突破するつもりだが、大丈夫か?」

ヴァルキリー「私も子どもではない…しばらくすれば、落ち着きもする」

統魔「そうか…それならいい」

ランダ「んじゃ、早速行こうじゃないか」

シキオウジ「マダ スルトヲ 倒シタダケ デ ホトンド 進ンデナイシ ナ」

統魔「そうだな。ここにはあと3体ボスがいるが…俺たちもバカみたいに強くなってるし、ナーバスになる必要はないだろ」

>ターミナルから離れ、議事堂を進んでいく。

>スルトがいた場所の奥にある、ドアを抜けた。

銅像「…スルトを倒すとは、なかなかやりやがる…ここは、このマダ様が直々にやってやるしかねぇか」

>銅像は消えた。

統魔「さて、次はマダだな…どうやら行動を開始したらしい」

ランダ「マダ、って…変わった名前だねェ?日本語でも『まだ』ってあるだろ?」

統魔「当然ながらそれとは全然意味が違う。物理吸収と混乱を仕掛けてくる敵だな…まあ、ヴァルキリーが貫通持ってるから、何も問題ないだろ」

ヴァルキリー「そうだな。物理反射でなければ、私としては何も問題はない」

ランダ「なるほどねェ。アタシたちが強くなりすぎちゃって、マダって子もかわいそうに」

統魔「戦う前から哀れんでどうする。さて、ここではマップが大活躍するぞ」

ランダ「どう活躍するんだい?」

統魔「現時点では、マダが議事堂内をダマシ絵でこっちを惑わせようとするわけだが…マップをよく見れば問題ないんだ」

>マップを見る。

ランダ「…おや?」

統魔「気付いたか?」

ランダ「この先には通路があるように見えるけど…マップじゃ行き止まりになってるねェ?」

統魔「ああ。つまりこの先は行き止まりなんだ。近付きすぎるとワープさせられるから、気を付けながら進んでいこう」

シキオウジ「コノ ドアモ ダマシ絵ノ ヨウダナ」

統魔「ここのドアは、本物だったら壁からちょっとへこんでるんだ。壁と同じ『高さ』にあるドアはダマシ絵だから、触らない方がいい」

ヴァルキリー「…しかし…マダは、一体なぜこのようなことを? 力に自信があるのなら、自分が戦えばいいではないか」

ランダ「それはアタシも思うねェ。子どもダマシだよ、こんなのは」

統魔「アイツらとしては、氷川がコトワリを啓(ひら)くまでの時間稼ぎをしたいんだろう。ダマシ絵を使って迷わせることで、氷川と会おうという者を諦めさせようと思ったんじゃないか?」

ランダ「ふーん…でもさ、お前さんは氷川に協力するつもりなんだろ?」

統魔「本心からじゃないけどな。シジマエンドを目指すってのはそういうことだから」

ランダ「なら、マダたちも仲魔ってことになるんじゃないのかい?」

統魔「自分たちが氷川の親衛隊だ、とでも思ってるんじゃないか?アイツらの本心はよくわからんが…多分、そういうことなんだろう」

ヴァルキリー「では、すぐに自分たちが出てこないというのも、氷川のためだということか」

統魔「だろうな。氷川に、コトワリを静かに啓かせてやりたい、ってのがあるんだろ…さて」

>扉の先から、強い妖気を感じる。

ランダ「おや。この向こうにはもしかして…?」

統魔「ああ。マダのご登場だ。みんな、しっかり頼むぜ!」

シキオウジ「任セテ オケ」

ランダ「どんな戦いになるのか、楽しみだねェ!」

ヴァルキリー「我が剣の錆にしてくれる…」

>扉を開けますか?

統魔「ああ」

>扉を開けた。
声が聞こえてくる。

声「ここまで生きてたどり着くとはな…」

ランダ「マダはどこだい?」

統魔「まあ、落ち着けよ」

声「誉めてやるぜ。こんなに楽しめる獲物は久しぶりだ」

ヴァルキリー「果たしてお前が楽しめる獲物かどうか…私は疑問だがな」

ランダ「言うじゃないか、ヴァルキリー。いい血の気だねェ」

ヴァルキリー「茶化すな。統魔、左側に…!」

統魔「ああ、わかってる」

>銅像と、その後ろにダマシ絵が現れる。

銅像「だが、テメーをこの奥へ行かせる訳にはいかねぇ」

ランダ「マダってのは…銅像の姿をしてんのかい?」

統魔「んなわけないだろ」

銅像「この議事堂に溜まった膨大なマガツヒは、すでに我らの手中にある。あとは守護さえ呼べば、念願の『シジマ』は啓かれる!」

ヴァルキリー「御託はいい…早くかかってくるがいい」

銅像「ここで総司令の邪魔はさせねえ。このマダ様が…直々に引導を渡してやるぜ!」

>邪神マダと戦闘開始!

統魔「ふと思ったんだが…引導を渡すというのは、トドメを刺すってことじゃないのか? 俺はそんなに弱ってる覚えはないんだがな」

ランダ「アタシたちにだってないよ!敵の言葉なんてほっといて、さっさとやっちまうよ!」

>マダの先制攻撃!

>大いなる酩酊(めいてい)!

統魔「おっと!高確率で全体に混乱か!」

ランダ「しょっぱい攻撃だよ」

>ランダが避け、他の3体が全員混乱する!

ランダ「おや…まさかアタシ以外くらうとはねェ」

>シックス・ヘルたちのターン。

ヴァルキリー「ふわん…ぽわぽわ…」

>ヴァルキリーは混乱している!

ヴァルキリー「私ぃ、マリーちゃん!お友だちになって☆」

>5000マッカ以上をバラまいた!

ランダ「マリーちゃんはアンタじゃないだろ…もらった手鏡に書いてある猫ちゃんだよ。さて、アタシゃどうするかねェ…ボスだから、こんなもんでいいかね?」

>ランダのランダマイザ!
マダの全ての能力を下げた!

シキオウジ「ムホ~…」

>シキオウジはぼんやりしている!

統魔「お、おっ…? なんだかハーレムにいるっぽい…?」

ランダ「んなわきゃないだろ、お前さん!しっかりしとくれ!」

統魔「…っと!」

>シックス・ヘルはイワクラの水を使う!
自身を含め、混乱していた仲魔が正気を取り戻した!

ヴァルキリー「い、一体私は…?」

統魔「とりあえずランダに順番回せ!」

ヴァルキリー「わ、わかった!」

ランダ「んでアタシはランダマイザだね?」

統魔「さすがだな、オカン。よくわかってる」

ランダ「オカンはやめとくれ。これでもオンナ捨ててないんだからさ」

>ランダのランダマイザ!
マダの全ての能力をもう1段階下げた!

>マダのターン。

統魔「もう問題ないな。あとはヴァルキリーがデスバウンドで殴って、ランダがもう1回ランダマイザ使った後で絶対零度、シキオウジがメギドラオンで…俺はマグマ・アクシスで充分だ」

マダ「その前のこっちの攻撃だァァァ!」

>マダの冥界破!
しかし、ランダが反射、シキオウジが無効化、さらにはヴァルキリーが避けてターン終了。

>シックス・ヘルたちのターン。

統魔「俺は食らったが…ズタズタだな、コイツの攻撃。よし、あとはボコボコにしてやるぞ!」

ヴァルキリー「物理吸収ごときで私の剣を避けられると思ったか…甘い!」

ランダ「さあ、楽しい時間の始まりだよ!」

シキオウジ「万能特大ダメージ 食ラウガ イイ」

>シックス・ヘルたちは戦う!
だが、マダは倒れない。

>マダのターン。
懲りずに冥界破。

統魔「だから効かねって」

>ランダが反射、シキオウジが無効化してターン終了。

>シックス・ヘルたちのターン。
仲魔たちがダメージを与えていき、順番はシックス・ヘル。

統魔「さーて…ぶちかまさせてもらおうかな!」

>シックス・ヘルは両手を頭の上に掲げる!
そこに赤い炎が集まっていく…!

マダ「炎に強いのを、お前は知らねーのかよ?」

統魔「そうなのか?お前って炎に強いのか?」

マダ「お前の攻撃なんざ、耐え切ってみせるぜ!」

統魔「そうか、耐え切るつもりか…いいぜ」

>両手をマダに向ける!

統魔「耐え切れるもんなら、耐え切ってみやがれェェェェ!!!」

>シックス・ヘルのマグマ・アクシス!
2000以上のダメージを与え、マダは倒れた…

統魔「耐え切るんじゃなかったのかよ…とんだシャバゾーだな」

ランダ「シャバゾーってなんだい?」

統魔「シャバいってのは、しょーもないって意味だ。ゾーってのは、小僧…つまり、しょーもない小僧ってことだな」

シキオウジ「ヘタレ トモ 言ウ」

統魔「それと似た意味だな。びっくりするほど楽だった…まあ、混乱させられはしたが」

ヴァルキリー「我らの力が、それほど強いということだな」

統魔「それもあるし、コイツがそこまで強くなかったってことでもあるな」

ランダ「何にしろ勝ったんだ、先を急ごうじゃないか」

統魔「そうだな。次はモトだ」



★2/5話 モトモトダメな子★

>議事堂入り口の広間にある、銅像がしゃべり出す…

銅像「おのれ…! まさかスルトだけでなく、マダまでも屠らるるとは…」

>やがて銅像は消えた。

統魔「次も似たような感じで進んでいけばいい。ただ、マダの時はドアを開けようとするとワープさせられたが、今度は近付くだけでワープさせられるからな、そこを注意だ」

ランダ「マップをよく見て行きゃ、何も問題ないんだろ?」

統魔「ああ。相変わらずダマシ絵だからな」

>シックス・ヘルたちは進む…

>と、声が聞こえてきた。

声「我が能力により、汝の道ひとつ封じられたり!」

>進んでいた道の先が、絵に変わった…

ランダ「おや。進めなくなっちまったよ」

統魔「気にしなくていい。アイツに道をふさがれても、進めなくなるわけじゃないからな」

ヴァルキリー「そうなのか?私はてっきり道をふさがれて、氷川のもとへ行けなくなるものと思っていたが」

統魔「こっちを試してるみたいなもんなんだろ。だから氷川への道を完全にふさぐつもりはないんだろうな」

ランダ「なんか、腑に落ちない理由だねェ…アタシにしてみりゃ、コイツってマダ以上のオマヌケさんにしか思えないよ」

統魔「そう考えてていい。強いのは強いけどな」

>シックス・ヘルたちはさらに進む。

>扉の前に来た。

統魔「さて、モトとの戦いだな…」

>扉の先から、強い妖気を感じる…
中に入りますか?

統魔「ああ」

>扉を開けて、中に入った。

>中には、銅像が並んでいる…

声「我が姿を見つけられねば、汝、我が迷宮から出ること叶わず!」

ランダ「この中にいるってことかい?」

統魔「そうだな…ま、見つける方法もよくわかってるから問題ない」

ヴァルキリー「なぜ、ここの連中は銅像にこだわるんだ…?」

統魔「知らん。好きなんだろ、銅像になってるのが」

>シックス・ヘルは、磨き上げられた床をよく見る。

>すると、1つだけ銅像の影がない!

ランダ「お前さん、まさかとは思うけど…これかい…?」

統魔「よくわかったな」

ランダ「勉強できないアタシにだって、これはわかるよ…呆れたねェ」

統魔「配下の悪魔たちにむちゃくちゃに汚させてれば、かなり見つけにくかったろうけどな。どうやらシジマの悪魔たちはマジメみたいだから、キレイに掃除してたってわけだ…モトも気の毒に」

ヴァルキリー「わ、私には…ふざけているようにしか見えん…」

統魔「さあ、いくぞ」

>シックス・ヘルは影のない銅像を調べた。

>モトが姿を現す!

モト「おのれ、小童…!」

統魔「全然関係ないが、今ふと…仮面ライダーでマヌケな怪人が姿を見破られるシーンを思い出したな」

モト「かくなる上は、このモト自らの力によりて、汝に死罰を下すのみ!」

ランダ「仮面ライダーってなんだい?」

統魔「人間に大人気の、正義の味方だ。テレビでやってたんだよ」

モト「必ずや葬ってくれる! シジマの世は、もはや目の前なのだ!」

>魔王モトと戦闘開始!

ヴァルキリー「4騎士とは関係ないのか?」

統魔「あっちは馬で、仮面ライダーはバイクだからな。それに、ライダーはほとんど武器を使わない…蹴りとかパンチで敵を倒すんだ」

シキオウジ「オ主ラ… モウ 戦闘ハ 始マッテオル ゾ」

>シックス・ヘルたちのターン。

ヴァルキリー「マダといいモトといい、あまりのシャバゾー加減だったのでな…私もつい、話に参加してしまった」

統魔「子どもダマシで邪魔する連中だからな。呆れる気持ちはよくわかる…お前はショックウェーブ(電撃属性。敵複数体にランダムで攻撃)で攻撃を頼む」

ヴァルキリー「剣で斬ってやってもいいと思うのだが」

統魔「実はコイツ、電撃くらいしかまともに効かないんだよ。だから、ランダもランダマイザ2回くらいかけた後はメギドラオン、シキオウジもメギドラオンでいい」

ランダ「お前さんはどうするんだい?火炎と物理、あとは天罰くらいしかないじゃないか」

統魔「さすがに天罰(破魔属性、HP半減)はボス戦じゃ使えないからな。テキトーに気合いでも込めとくよ…あとはフォッグブレスを適宜かけていくくらいか」

ランダ「コイツはデクンダ(ステータス下降を解除)持ってないのかい?」

統魔「持ってるが、とりあえずかけてみよう。完全に下げなきゃ、もしかしたら使ってこないかもしれないしな」

ヴァルキリー「よし。ではいくぞ!私はショックウェーブだ!」

>シックス・ヘルたちは戦う!
電撃弱点なので、行動回数を増やしながら攻撃できた!

>モトのターン。
モトはすぐにデクンダを使った!

統魔「ありゃ…やっぱり使われたか。んじゃ次のターンは俺のフォッグブレス1回だけにしとこう」

>モトは龍の眼光を使用!
行動回数を3つ増やし、メギドラオン!

ヴァルキリー「なんだと!」

統魔「心配すんな。食らうのは食らうが、一撃でやられるほどじゃない」

>シックス・ヘルたちに万能特大ダメージ!
しかし次に烈風波を使ったため、ランダが反射してターン終了。

>シックス・ヘルたちのターン。

統魔「実はコイツ、デスカウンターを持ってるのもあって、物理で殴るのはちょっとためらうんだよな」

ヴァルキリー「なるほど…それもあってショックウェーブを私に指示したわけか」

統魔「一番怖いのはマカカジャ(魔法威力up)4回かけた後のメギドラオンだが…なんか、それが来る前に倒せそうだな」

ランダ「んじゃ、さっきと変わらずでいいんだね?」

統魔「ああ。俺はフォッグブレスをかけるだけにしとくから、お前たちはさっきの指示通りに頼む。ただ、アイツが感電したら思う存分殴っていいぞ!」

ヴァルキリー「その時が楽しみだ!」

>シックス・ヘルたちは戦う!
しかし、モトが感電することはなく、そしてマカカジャx4+メギドラオンが来ることもなく、モトは倒れた…

ヴァルキリー「なんなのだ…マダよりはしぶとかったが、拍子抜けだぞ」

統魔「そう言うなよ。俺たちがレベル上げすぎたんだ。ランダなんて、Lv99overになっちゃってるからな…逆に言うと、負けるわけがないんだよ」

ランダ「なるほどねェ。強さは罪ってヤツだね」

シキオウジ「残ル ボスハ アト 1体カ?」

統魔「ああ、そうだな。念のためにセーブ…しなくていいか。行こう」

ヴァルキリー「いいのか?」

統魔「向こうに先手を取られると厳しいが…多分大丈夫だろ」

ヴァルキリー「そんなことを言って…イケブクロ坑道でのスイキとの戦いを忘れたわけではあるまい」

統魔「ああ、思い出したくもないブフーラで氷結、気合い+物理スキルで昇天したヤツな…お前、心配してくれてるのか?」

ヴァルキリー「当然だ。お前は私にとって、大切な存在なのだからな」

統魔「…!」

ランダ「おや、いつもとパターンが逆だねェ」

シキオウジ「顔ガ 赤イゾ 人修羅ドノ」

統魔「う、うるせーやい!さっさと行くぞ!」

ヴァルキリー「私は忠告はしたぞ…それでもお前が行くというのなら、私はお前を守るのみ」

統魔「いいんだよ、俺がお前を守るんだから!そんなこと言わなくていいんだ!」

ランダ「照れながら盛大に告白してるねェ」

シキオウジ「微笑マシイ」



★3/5話 波は立たない★

>シックス・ヘルたちは少し進み、扉の前にやってきた。

>扉の先から、強い妖気を感じる…
中に入りますか?

統魔「ああ」

>中に入ると、そこは議事堂の本会議場だった。

ランダ「おや…ここはなかなかだだっ広いじゃないか」

統魔「人間たちが話し合っていろんなことを決めてた場所だ。まさか、こんなトコに入れるようになるなんてな…」

>議長席へ向かう。
すると声が聞こえてきた。

声「おお、人修羅よ。悪魔よ。我が審判の間に足を踏み入れしか」

>声と共に地響きが起こる。

ランダ「揺れてるねェ。アタシにゃ関係ないけど」

ヴァルキリー「我が愛馬も、これしきのことで怯えることはない」

シキオウジ「ペラペラ王子ヲ ナメルナヨ」

>地響きの後、魔神ミトラが現れた!

ミトラ「我はミロクの予言を法とし、その成就を監護する大審問官なり」

ランダ「なんだか難しい言葉しゃべってるねェ?」

統魔「要するに、裁きを与える者だって自称してるわけさ」

ランダ「なるほどね、偉そうな態度とってるってことか」

シキオウジ「偉ソウ ナノカ…? 偉イノデハ?」

ミトラ「統魔よ、ここにお前を弾劾する!」

ランダ「ダンガイって、ザッパ~ンな場所かい?」

統魔「ザッパ~ン…?ああ、サスペンスとかで追い詰められた犯人がよく行く場所な。そりゃ断崖だ。字が違う」

ランダ「違うのかい…アタシゃさっぱり意味がわかんないよ」

統魔「ここでいきなりサスペンス劇場が開幕する方が意味わかんないだろ。弾劾ってのは、平たくいえば『お前そんなんじゃダメ!』って責めることさ」

ランダ「やっぱり偉そうじゃないさ」

シキオウジ「ダカラ… 偉イノデハ ナイノカ?」

ミトラ「ミロクの予言どおり、コトワリは次々にあらわれ、このボルテクスも創世の時を迎えようとしている」

ランダ「ミロクが誰なのかよくわかんないけど、コトワリがたくさん現れたってのはわかるね」

ミトラ「いずれのコトワリによらんとも、新たな世界が創り出されれば…誠に喜ばしい」

シキオウジ「ドノ コトワリカ トイウノハ コダワリガ ナイヨウダナ」

統魔「みたいだな。コイツは別にシジマだけに肩入れしてるってわけじゃないみたいだ」

ミトラ「だがその中で、貴様は悪魔でありながら、創世などをたくらんでおろう?」

統魔「一応シジマエンドを目指してるからな」

ヴァルキリー「無駄話はやめておけ…このあと戦うのだろう?戦略を考えていてくれ」

ミトラ「…それはならぬ! 悪魔の身に創世など断じて許されぬ!」

統魔「戦略ならもう考えてある。お前がテトラジャをしてくれてれば負けることは有り得ないからな…ちなみに、ここまでが『弾劾』ってヤツだろう」

ヴァルキリー「そうなのか?そういうことなら…私も少しばかり、無駄話に参加するとしよう」

シキオウジ「ヴァルキリー マデ オチャラケテ ユクノカ…」

ヴァルキリー「別におちゃらけるわけではない。無駄話といっても、全てが無駄とは思わない…そう感じるようになったということだ」

ランダ「どうしたんだい?えらく成長したもんだねェ」

ヴァルキリー「統魔と過ごせる時間も、もうすぐ終わる…そう感じると、不意にそう思えてな」

ランダ「なるほどねェ。確かに、もうすぐ終わっちまいそうだからねェ…」

ミトラ「控えよ、統魔。我は職務により、いまここで、お前に問い質す」

統魔「いいぜ。なんでも訊いてくれ」

ミトラ「統魔よ。お前は、その身が悪魔であることを認めるな?」

統魔「ああ」

ミトラ「では統魔よ。お前は、その心も悪魔であることを認めるな?」

統魔「いや。アマラ深界を制覇したわけじゃないしな」

ミトラ「なんと…!悪魔の心を認めぬということは、お前はやはり創世を妨げる存在か…!」

統魔「決め付けんなよ。強引な裁判官サマだ」

ヴァルキリー「裁判官?さっきミトラは審問官と言っていたが…」

統魔「似たようなもんだろ。少なくとも、日本じゃ裁判官の方がなじみがある」

ヴァルキリー「なじみで言葉を変えるのもどうかと思うが…まあ、大したことではないか」

ミトラ「それならば許してはおけぬ! 我が力の弾劾を受けるがいい!」

>魔神ミトラと戦闘開始!

統魔「あら…弾劾はもう終わってたと思ってたが、今からが弾劾だったのか」

ランダ「小難しい言葉ばっか並べて、アタシゃもうウンザリだよ!好きにやっちゃっていいよねェ?」

統魔「ああ。ヴァルキリーもテトラジャをかけた後は、好きにぶちのめしてくれていい」

ヴァルキリー「わかった。やはり私は、魔法よりも剣を振るう方が性に合っているのでな…デスバウンドを使わせてもらう!」

シキオウジ「我ハ メギドラオント 回復ダナ?」

統魔「ああ。こっちがミトラを弾劾してやるぜ!」

ランダ「絶望の断崖から、突き落としてやるよォォォォ!!」

>シックス・ヘルたちは戦う!
ミトラの破魔攻撃を反射し、すぐに勝負はついた…

>もちろんシックス・ヘルたちが勝利した。

ランダ「偉そうにウダウダ言ってた割には、大したことなかったねェ」

ヴァルキリー「大審問官サマも形無しだな…統魔を裁けるなど、本気で思ったことがコヤツの罪だ」

統魔「倒した後いじめるのもその程度にしとけよ…んじゃ、行こう。氷川と先生に、会いに行こう」



★4/5話 アーリマン降臨★

>議事堂内を移動し、発見したエレベータを使う。
その先にある扉を抜けると、氷川と祐子が話していた。

氷川「今さら何の用かね?」

祐子「貴方には、世界を創らせない…」

氷川「フン…では訊くが、自由な世界を求めるのならなぜ、創世などしたのかね?」

ランダ「何やら取り込み中っぽいねェ」

統魔「ああ。まずは話を聞いてよう」

氷川「自由など、元の世界にいくらでもあったはずだ…そもそも貴女は自由など、信じていないのではないのかね?」

>祐子から、アラディアが抜け出る。

アラディア「人の子よ、そなたがシジマを求めることもまた、自由なのだ…」

氷川「異神アラディアか。お前が祐子にとりついた神だったとはな」

アラディア「女よ、かの地にて待たんや。この地はもはや、虚無に飲まれゆくのみ」

祐子「…私は、行かないわ。氷川を止めなきゃ…」

氷川「どうして貴女にコトワリが持てぬか、わからないかね?」

祐子「…」

氷川「貴女は、ただ逃げ出したかったのだよ」

祐子「!」

>祐子は力なく崩れ落ちる。

ヴァルキリー「どうやら…図星というところか」

氷川「そのような貴女に、コトワリを得られるはずも、創世を成せるはずもない。ただそこで、見ているがいい…そして創世のための供物とな…」

>氷川が、こちらに気付いた。

氷川「人修羅…来ていたのか。だが、お前と刃を交える気はない…そこで大人しく、我が神の降臨を見ているのだな…」

>どうしますか?
このまま見ている
氷川を止める

統魔「このまま見てる」

ヴァルキリー「いいのか?」

統魔「ああ。これでいい…先生には悪いけどな」

ヴァルキリー「…そうか」

氷川「話がわかるようだな…では、我が守護たる神をお前にも見せてやろう…!」

>氷川は、祭壇にあるふたを開けた。
マガツヒがあふれ出し、周囲のものが虚無に飲まれていく…

>それは祭壇自体も、そばにいた祐子も同じだった…

>そして全てが闇に飲み込まれた時、そこにあったものは。

ヴァルキリー「!」

ランダ「なんだい、あのデカさは!」

シキオウジ「一体 我ラノ 何倍 アルノカ…」

統魔「あれが虚無を司る神、魔王アーリマンだ」

ヴァルキリー「アーリマン…」

統魔「シジマエンドがこれで多分確定した。コイツと戦うことはないだろう。戦っても勝てるから問題ないけどな」

アーリマン「我が望むは… 静寂に息づく世界…。真に栄えるは、我が世界であると知れい…」

>アーリマンはそう言い残して消え…
シックス・ヘルたちは闇から出された。

>今度は光に包まれる。
そこには祐子がいた。

祐子「これ…」

>シックス・ヘルは、ヤヒロノヒモロギを手に入れた。

祐子「これがあれば、カグツチへの道が開くわ…アマラ神殿に、急いで…」

ヴァルキリー「ヨヨギ公園で手に入れたこれが、まさかカグツチへの道を開くカギだったとは!」

ランダ「いや、それ以前にカグツチのトコまで行けるってのが、アタシゃびっくりだよ!」

祐子「自由な世界…それは私には創れなかったけど、あなたなら、きっと…あなたが望む、自由な世界も…私にはもう、無理だから…」

統魔「…」

祐子「お願いね、統魔くん…」

統魔「…さよなら、先生」

>やがて、祐子は消えた。
シックス・ヘルたちは扉を背に、立っている。

統魔「さて、アマラ神殿に行こう」

ランダ「カグツチへの道を開くんだね」

統魔「ああ。あとはカグツチのトコまで昇っていけばいい。それでこの物語は…終わる」

ヴァルキリー「…そうか」

ランダ「終わりが近いってのは、アタリだったみたいだねェ」

統魔「行くぞ」



★5/5話 まさかのガリガリ★

>アマラ神殿へ。
中枢に入り、せり上がってきた柱の先端に、ヤヒロノヒモロギをはめ込む。

>すると、カグツチが変化し、塔のようなものが伸び始めた。
それはオベリスクを打ち据え、頂上とつながり、カグツチ塔はその道を開いた。

統魔「これで、ラストダンジョンへの道は開けたな…」

>そこに、声が聞こえる。

喪服の老婆「おやおや…悪魔なんぞが、カグツチへの道を開きましたか」

ヴァルキリー「!」

喪服の老婆「さすがの婆も、これには驚かされましたよ…ええ」

ランダ「金髪の男の子もいるねェ。ほら…残りモンで悪いけど、雷おこしだよ。珍しいよ」

喪服の老婆「貴方は決断をしなければなりません…創世を目指すなら、このままカグツチ塔を昇るがよろしいでしょう。しかし、悪魔として生きるつもりであれば…」

ランダ「ばーさん、しゃべってないでその子をこっちにお寄越しよ。せっかくのおこしなんだからさ」

金髪の少年「…」

>少年は、ランダの手にあるおこしをじっと見ている。

喪服の老婆「赤い迷宮の奥にいらっしゃる、あの御方に会われることをお勧めします…」

ランダ「ほらほら、もうすぐばーさんの話終わりそうじゃないさ。いい子だから、おいで」

金髪の少年「…」

統魔「おい、そんなので手なずけられるわけないだろ」

ランダ「手なずけるとか関係ないんだよ、お前さん。アタシゃあの子がうまそうに食ってる姿を見たいだけなのさ…ほら、坊や」

金髪の少年「…」

>少年は瞬きをした。
ランダの手から雷おこしが消えた!

ランダ「あれ?」

喪服の老婆「創世を望むにしろ、悪魔として生きるにしろ…貴方には、安息な」

>ガリ、ガリ。

喪服の老婆「…(少年を見る)」

ランダ「あ…あの子、食べてくれたねェ!」

統魔「マジか…?いくら今回は戦わないからって、フザケすぎだろ…」

喪服の老婆「坊ちゃま…今、話の途中でございますから」

金髪の少年「…(気にせず食べている)」

>ガリ、ガリ。

喪服の老婆「坊ちゃま…口に入れていてもよろしいですから、噛むのは後になされませ」

金髪の少年「…(無視して食べている)」

>ガリ、ガリガリ。

ランダ「あんなにうまそうに食ってくれてるじゃないか!こりゃ、おこしを見つけ出したガラクタ集めマネカタと、おこしをくれた邪教の館の主に感謝だねェ」

喪服の老婆「坊ちゃま…お願いでございますから、婆の話を邪魔しないで下さいませ」

金髪の少年「…(食べ終わり、飲み込んだ)」

喪服の老婆「…と、とにかく…貴方にはこの先、安息などはございません…覚悟なされるがよろしいでしょう…」

金髪の少年「…(しばらくランダをじっと見る)」

>老婆と少年は消えた…

ランダ「あの子、喜んでくれたみたいだねェ。よかったよ」

統魔「そうか…?いつもの通り、無表情だったと思うが…」

ランダ「母親になった女にしかわからないのさ。さあ、さっさとカグツチに会いに行くよ!」

統魔「いや、今回はここまでだ」

ヴァルキリー「そうか。私としても最後のダンジョンだ…できるだけゆっくりやってくれると助かる」

統魔「カグツチ塔では、またレベル上げもやるからな。徹底的に強くなっておきたいんだ」

ヴァルキリー「…そうだな、私も強くなっておかなくては…怒りを晴らすことができん」

統魔「だろ?ってなわけで今回はここまで。次回はカグツチ塔だ!」

ランダ「そーかい…まあ、今回はあの子が喜ぶ顔も見れたし、次も血祭りが待ってるんならそれを楽しみにしとくとするかねェ」

統魔「(周囲を見回して)…おい、シキオウジは?」

シキオウジ「ココダ」

>シキオウジは、少年がいた場所で掃除をしている。

統魔「何やってんだよ、お前」

シキオウジ「オコシノ カスガ 落イテイル。神殿ト イウモノハ キレイニ シテオカナケレバ ナ」

統魔「律儀なヤツだな…おこし1つぶんなら、掃除するほど散らばってないだろーに」

シキオウジ「ダガ 見付ケテシマッタ 以上 放ッテオク ワケニモ イカン」

>シキオウジは、ホウキとちり取りでカスを集め終わった。

シキオウジ「サテ…」

統魔「それ、どーすんだ?」

シキオウジ「アマラ神殿ノ 魚ニ ヤル」

ランダ「確かに水はたくさんあるけど…魚もいるのかい?」

シキオウジ「知ラヌ」

統魔「おい、それって結局…ゴミを散らかしてるのと変わりなくないか…?」

シキオウジ「魚ガイル カ ドウカハ 知ラヌガ 水ノ 中ニ 何ラカノ 生物ハ イルダロウ。無駄ナク 食ッテクレル ハズ ダ」

ヴァルキリー「どうでもいいが、それはここまでスペースを使って説明するようなことなのか?」

シキオウジ「オイチャン! ソレヲ 言ッチャー オシメェ ヨ」

ヴァルキリー「誰がおいちゃんだ!私はれっきとした女だぞ!」

統魔「お前ら、もうすぐ最後なんだからケンカすんなよ…」

>シックス・ヘルたちの旅は続く…


さて、もう終盤になってきましたが、仲魔たちは相変わらずいつものような感じですね(笑)

新たに「記事内目次」というものを作ったんで、途中で読むのを止めても続きを読みやすいようにしてあります。

それで安心して、今回もかなり長く書いてしまいましたが、のんびり楽しんでいただければ嬉しいです。


レベルに関してはランダがLv99overになり、速が40になりました。
これによって、戦闘順序が変わり、今までヴァルキリーからスタートだったのが、ランダからスタートするようになりましたね。

これによって戦略も変わってくるでしょうけども、のんびりレベル上げしてるうちに慣れてくるでしょう。

レベルが上がったといってもそれくらいなので、ステータス表記は今回ナシ。
どうしてもレベル上げした後じゃないと、書く甲斐がありませんからね。

というわけで次回はいよいよカグツチ塔!
アーリマンと戦うことはないでしょうけど、残り2体の守護たちと戦うことになります。

次回で戦うトコまで持っていくのかどうかはナゾなんですけどね(笑)

というわけで今回は以上!
毎度のことながら、長くて申し訳ないっ!


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