かつて広島市中区の新天地に「OS東劇」(「東劇」は「東京劇場」の略か?)なる映画館が存在した、今ではなくなって、複合ビルになって久しい。「OS」って名付けられていることから「大蔵映画」の系列だったのかもしれない。
名前は昔から知っていたが、この映画館で初めて映画を観賞したのは、館としての最終公演であった、黒澤明監督の『七人の侍』だった。つまりこれが最初で最後の「OS東劇」観賞体験だったのである。
これはリバイバル公開時のチラシ
『七人の侍』自体は、NHKのBS2(今や懐かしい響きですな(^^ゞ)やフジのゴールデン洋画劇場の枠で何度か観ていたが、劇場のスクリーンで観賞するのはこれが初めて。作品の凄まじさは、過去の観賞で織り込み済みなので、それを大きなスクリーンで観ることに、素直に興奮した。面白かったのは、インターミッション中の他の観客の戸惑いぶり。今と違って昔は3時間超えの作品なんてざらにあったから、上映途中に休憩が入ることがあった。BS2ではCMがないので、このインターミッションを忠実に再現していて、私は全然慌てることはなかったが、おそらくフジ系などの民放でしか本作を観たことがない、もしくは初見の観客にとっては「?」だったようで、しばらく「今どうしたらいいの?」と進退窮まった観客が多数いたのは興味深かった。
ところで、私が物心ついた頃からあった、広島市内の映画館は、上記の「OS東劇」をはじめ、「広島朝日会館」「広島リッツ劇場」「広島スカラ座」「広島宝塚劇場(広島東宝)」「広島東映」「東映パラス劇場」「松竹東洋座」「広島名画座」「広島にっかつ」「シネツイン」「広島ステーションシネマ」「的場東映」が既に消滅し、元東急ハンズの最上階にある「サロンシネマ」や「松竹東洋座」跡地に出来た「八丁座」が、その孤塁を護っている。そして西区の「横川シネマ!!」も。
今や、「映画を観るならシネコン」が定着し、あの、劇場前でチケットを購入し、狭いロビーの扉を開けると、眼の前のスクリーンに映画が投影されている(当時は入れ替え制じゃなかったか、途中で劇場に入ることもざらだった)、あの醍醐味は失われて久しい。インターミッションに関しては、ウチの上映会では再現しているものの、これもまた。「昭和は遠くなりにけり」の一つなのだろう。
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