今年(2025年)最初の「月に一度は劇場で映画観賞」に選んだのは『366日』だった。この作品、主人公の上白石萌歌とその先輩役の赤楚衛二との心のすれ違いと、その狭間でストイックな愛を貫く主人公の幼馴染役の中島裕飛翔との、”三角関係”と呼ぶにはあまりにも切ない3人の人間ドラマを中心に、典型的な”全編『泣かせ』にかかった”映画である(もっとも本物の”泣かせ”に関しては、角川春樹監督の『みをつくし料理帖』には叶わないが(^-^;)。
公開終了後ひと月以上たつので、多少ネタバレをしてしまうが、本作における男性、赤楚衛二と中島裕翔の演技っていうか設定が、如何にも「アガペ(AGAPE)」の愛なのである。「アガペ」の愛とは『エロス」の愛と対極を成す「自己犠牲の愛」だ。
劇中、それまでラブラブだった赤楚が、唐突に上白石をフる。そのフり方が元も子もない非情さで、彼を追って遥々東京の大学に進学した上白石は失意の中沖縄に帰る。しかも彼の子を身ごもっていた事実も告げられないまま。だが本当は、赤楚は白血病を患い、余命が短いと儚んで、その重荷を背負わせないため、自分の気持ちを押し殺して敢えて悪人面して上白石をフッたという事実が判明する。しかし彼は病を克服し、やがて彼女を追って沖縄に舞い戻る。
一方、幼少期からずっと上白石に思いを寄せていた中島は、上白石が先輩の赤楚に気があることを知ると、自分の気持ちを押し殺して、二人の関係を祝福する。そして赤楚の子を身ごもって失意のどん底にある上白石を救おうと、赤楚の子を育てることを承知で彼女にプロポーズする。
最愛の上白石に真実を告げて寄りを戻そうと沖縄に帰った赤楚は、そこで上白石と中島の結婚式を目の当たりにして、何も告げずに沖縄を去っていく。
物語は、重い病にかかり余命いくばくもなくなった十数年後の上白石を中心に、中学生に成長した上白石の娘が、中島の配慮で本当の父親である赤楚のいる東京へ向かうというクライマックスを迎える。そんなストーリーだ。
これでいうと、赤楚の一連の行為も中島の一連の行為も、みな自分の思いを押し殺した、まさに「アガペ」の愛である。そこで思い出したのが、拙作『AGAPE』である。
本作は、不治の病に侵され余命いくばくもない主人公の独身男性が、何を思ったか婚活を始める、という物語である。だから『366日』の赤楚とは真逆の行為をするんだけど、そんな自己中心的な独占的な愛が、やがて「アガペ」の愛になっていくのである。それも「愛すれば愛するほど別れなければならない」というパラドックスに陥って……
『366日』を観賞した時、「今の世にもこんな作品が通用するんだ」ということに衝撃を受けると共に、かつて「韓流ドラマブーム」が来た時と同様、「この手の映画も浮かぶ瀬はあるかな」なんて思ってしまったよ(;'∀')
そんな拙作『AGAPE』であるが、奇しくも『366日』を観賞するずっと前に、今日3月22日(土)に広島市映像文化ライブラリーで開催される「ひろしま映像ショーケース」にて上映することになっていた。何たる偶然! 今回の「ショーケース」は映像文化ライブラリーが来年度エールエールに移転する、つまり歴史ある現建物で行われる最後となる。それもあって、過去の作品を上映する団体も多く、当方も2006年に公開した同作をこの度出品した。思えば、それまで8ミリフィルムでの映画制作しか行ってこなかった私が初めてデジタルビデオで撮った作品だ。最近の作品と比べてどうしても画像はクリアではないし多少劣化もしているが、それも20年近く前の作品ということでご容赦ねがいたい(;^_^A
イベント自体は14:00からスタートしますが、当方の作品は16:20頃放映予定です。入場無料ですので、現広島市映像文化ライブラリーの勇姿を目に焼き付けてもらう意味でも、近郊の方々、是非どうぞm(_ _)m
ひろしま映像ショーケース2025
日時 2025年3月22日(本日!) 14:00~
場所 広島市映像文化ライブラリー(広島市中区基町3-1)
入場無料
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