現在着々と新築レベルの改修が続くJR広島駅。ここにはかつて広島駅をメインにした「広島駅ビル」ってのがあった。その向かいには広島初のデパート「広島百貨店」がそびえ、その間には大仰な歩道橋が敷設されていた。史上空前のスケールで広島ロケが敢行された『西部警察PARTⅡ』「広島市街パニック」の冒頭に、当時の広島駅周辺の面影を垣間見ることが出来る。その「広島駅ビル」には、かつて‟初めてアベックで”『スタンドバイミー』を観賞したり、大好きな『ガメラⅡレギオン襲来』を観た「ステーションシネマ」って映画館があって、そちらは現「駅ビル」が崩される前から閉館の憂き目に遭ったんだけれど、当時の溝口支配人と映写機材が、そのままピンク映画館だった「横川シネマ」に移り、雑食系映画館というか“インディーズムービーの聖地”となる現在の「横川シネマ!!」となったのは地元では有名な話だ。

 

 

 今や「駅ビル」も「広島百貨店」も見る影もなく、それこそ5年ぶりくらいに広島に帰省した人はブッたまげてしまうくらい(;^_^A、広島駅前の様相は劇的に変化している。そんな広島駅前に、かつて「オメガランド」というおもちゃの専門店があった。

 

 この写真の真ん中あたりに「オメガランド」はありました……ちなみにこの写真の風景も今は昔……

 

おもちゃ屋といっても一応ビルディングで、確か下層階が駐車場になっていたんじゃなかな。まあとにかく「おもちゃ専門店」とあって、まさに当時の広島少年少女の憧れの地「聖地」であった。私も子供の頃、誕生日の度にそこでミニカーを買ってもらっていた、当時の私は恥ずかしながら「ミニタリー」マニアでヾ(- -;)、毎年求めたのは戦車や装甲車のミニカーだった。当然まだ国産のミニタリーミニカーはなかった時代なんで、どうしても海外製のものになる。そして件の「オメガランド」にはそんなタイプのミニカーが揃っていた。思い出すだけでも、赤い星のついたおそらくソ連軍のミサイル装甲車、渋いカラーリングのパットン戦車、迷彩塗装の戦車(車種名未詳)などがあった。

 

 実は先日実家の遺品整理(形見分け)を行っている際、それらのミニカーがきれいに保管されているのを見つけた。懐かしさと共に、そんな子供のたわいのないおもちゃを、それでも後生大事に保管してくれていた親の優しさを深く感謝した次第である。

 

 これが「パットン戦車」。箱も残っている。キャタピラも金属製でしっかりしていて、しかも可動する。ずっしりした重さもあって作りもしっかりしていて、当時の価格でどれくらいしたのか、考えると当時の親に済まない気持ちになってしまった……

 

 今や「暦」が「還」るような歳になってしまったが、古い少年時代の風景は、今以上にしっかり記憶に刻まれている。それにしてもつくづく「昭和は遠くになりにけり」といった思いだ………