過日、娘が求めている漫画本を探して、広島市内のいくつかの書店を巡る過程で、久しぶりに宇品にある「フタバ図書GIGA」に足を運んだ。フタバ図書といえば、広島でも老舗の書店。もっとも個人的には専らビデオレンタルでお世話になった店だ。家内が御用達の「Youmeタウンみゆき店」にほど近く、またそれまで贔屓にしていた「ポパイ南観音店」が3年前の5月に閉店の憂き目に遭ってからは、ビデオレンタルではこちらの方でお世話になっていた。 しかし、つい最近、経営難からか、かの公安に個人情報を垂れ流した悪名高き「TSUTAYA」の傘下に陥ってしまい、従来のサービスも廃止。それ以降すっかり足が遠のいてしまった店だった。

 

 さて、店内に入ると、どうも様子が変で、入り口の看板を見たら、やはりと言おうか、「9月19日を以て閉店」の文字が躍っていた。「ああ、ついに来たか」との思いに駆られたが、折しも在庫一掃処分の真っ最中で、せめてもの記念にと、数本のDVDを購入した。それにしても……この喪失感は、いつもながら半端ない……( ノД`)

 

 思えば、結構マニアックな作品が所狭しと並んだ店だった。「スケバン刑事」なんて3シリーズ全巻揃ってたし。また、東映プログラムピクチャーとして、どうしても観たかった『実録私設銀座警察』を見つけたり、牧口雄二監督の一連のカルトムービー『徳川女刑罰絵巻牛裂きの刑』『女獄門帖引き裂かれた尼僧』『毒婦お伝と首切り浅』が「時代劇」のコーナーにさりげなく並んでいてのけぞったりしたのも、この「フタバ図書GIGA店」だった。

 

 歳を取れば取るほど、自分の大切な思い出は見るも無残に消え去っていく。それが「時の流れ」というものなんだろうけど、空虚感は否めない……

 

 

 

 この「9月19日」って、広島では台風14号のせいで、都市機能が麻痺した日だった。三連休の最後をもくろんでの閉店日だったろうに……何たる皮肉!

 

 そういえば、「せめても」と残り少なくなった処分DVDの中で購入したのがテレビドラマ版『スーパーガール』の一エピソードだった。思えばポパイ南観音店の閉店時に購入したのも、同じヒロイン活劇の『LUCY』のブルーレイだった。やはり、私的「幕引き」は、図らずも「ヒロインアクション」なんだなぁ……

 

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