ハマス・イスラエル戦争における怒り的疑問(2)UNRWAをめぐって | ユダヤ言葉の旅

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UNRWA の成員が10月7日のイスラエル南部への攻撃に関わっていたことが明らかになったとして、UNRWAへの拠出金停止を表明する国が相次いでいる。

 

「日本もか」ガザで怒りと失望=UNRWAへの拠出金停止 (msn.com)

 

やっと、UNRWAとハマスの癒着が問題されるようになった。

すでに、飯山陽氏が何度も主張されてきたことであるが。

 

 

さらに、UNRWAの教育機関で反イスラエルのヘイト教育が行われていることも以前から指摘されている。

UNRWA textbooks still include hate, antisemitism despite pledge to remove — watchdog | The Times of Israel

 

 

今回の10月7日の攻撃についても、UNRWA管轄の学校の教員が喜んだということは、報道でも流れている。

国連パレスチナ支援機関の教師ら20人がハマスのテロを「祝福」、監視団体が指摘 (msn.com)


 

 

なのに、いわゆるエキスパートの見解が、もう、全くもって理解できない。

いわく、

「真相を解明する必要はある、だが、UNRWAはガザの人たちの生命線を担っているのだから、止めてしまうのは非人道的」とか、

「国連組織が現地に入り込むには、現地の有力者とある程度の関係が必要、職員の大部分は現地採用で、それが雇用を生み出している」からしょうがない、的な。

「拠出金をとめたらガザだけではなく、他にも多大な悪影響がある、人々を追い込んでしまう」って、

 

何を言ってるんだ、いったい。

その有力者がどれだけ、全世界からの寄付金からぬきとって、本来、ガザを含むパレスティナの市民のインフラを整備し生活を豊かにするための基金を、トンネル、ミサイル、そして、幹部の財産になりかわり、幹部のカタールでの豪遊を支援していることは、さんざん報道されてきている。

 

そこをなぜ、エキスパートはちゃんと批判しないのか。ハマスのマイナス面は「仕方がない」で済ませるのか。

 

ハマスが資金をため込んでいるのは、すでに明らか。

スーツケース2個にいっぱいハマス幹部の家を捜索したら出てきた札束(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース

 

ハマスの幹部はカタールで豪遊。

人質だったご婦人は、物資は十分に備蓄してあったと言っていた。

 

このあたり批判しないで、なぜ、国際社会からガザへの拠出金ばかり求めるのか。

寄付金頼みの依存体質がガザの自立を妨げているのではないか。

というと、すぐ、イスラエルがインフラを破壊するから、となんでもかんでもイスラエルのせいにされるが、

イスラエルが攻撃、破壊するのは、ハマス他関連団体がイスラエルに対してミサイル攻撃、自爆テロ等の攻撃があった場合の報復、見せしめ及び、不審な動きの情報があった場合。

たしかに、過剰防衛、過剰自衛、やりすぎである。

とはいえ、ガザ市民の、むしろガザ支援者の、なんでもかんでも他責、のその体質を何とかしなくては、自立はできないだろう。

 

上記、日本が拠出を停止することについても、さんざん多額の拠出金を受けてきて「怒りと失望」ですか。

もらえるのが当たり前と思いすぎではないか。

直ちに、体制を見直します、とか、改革しなさいよ。「愕然」としている場合ではない。

107日のハマス攻撃に国連職員関与か 国連事務総長イスラエルの報告受け「愕然」(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース

 

そもそも物資がたりないならば、ハマスがトンネルにためこんだ様々な物資をばらまけばいいでしょう。

ためこんだ、スーツケースのお金をばらまけばいいでしょう。

 

 

そして、ガザの住人自身が、ハマスを排除し、UNRWAを解体するか、完全に中身を入れ替えるかしない限り、無理だ。

 

やっと、そのような動きが現れてきた。

ガザ住民「ハマスをぶっつぶせ」「戦争をやめろ」異例の事態、戦闘長期化での惨状に怒りの声 (msn.com)

 

 

エキスパートの中には、「国際司法裁判所の判断と同時期にこのURNWAとの癒着が報道されるのは、おかしい、情報に注意すべき・・・」って、ハマスとUNRWAの関係は、前から指摘されていることでしょうが。

イスラエルが出す情報には注意、警戒が必要で、ハマスが入り込んでいるUNRWAの情報はなぜ鵜呑みにするのか。

全く、基準がぶれぶれ。

 

とはいえ、イスラエルももっと早くに10月7日にかかわったUNRWA職員のリストを提出すれば国際世論の批判も高まり、戦争停止に向けて動けたかもしれないとも思う。が、おそらく、世論は耳を傾けないんだろうな。

 

 

ついでに、国際司法裁判所が、集団殺害(ジェノサイド)を防ぐためにあらゆる措置をとるようイスラエルに命じる「暫定措置」(仮処分)をした件について。

 

文書の最後の方で、

「ガザでの紛争に関係するすべての集団が国際人道法を順守することを強調することが必要と見なした。

2023年10月7日及びそれ以降にハマスとその他の武力集団による攻撃において拉致された人質の状況が極めて憂慮され、直ちに無条件に解放されることが要求される。」(私訳)

と述べられている。

 

85. The Court deems it necessary to emphasize that all parties to the conflict in the Gaza Strip are bound by international humanitarian law. It is gravely concerned about the fate of the hostages abducted during the attack in Israel on 7 October 2023 and held since then by Hamas and other armed groups, and calls for their immediate and unconditional release. 

 

192-20240126-ord-01-00-en.pdf (icj-cij.org)

 

ハマス及び関連集団にも「国際人道法」を順守せよ、人質も無条件解放が指示されている。

なのに、報道には殆ど言及されない。どういうこと?

 

下記中島教授によれば、ハマスの攻撃にも言及したのは極めて異例なことだという。

ICJ、ハマス攻撃にも異例の言及 東京大・中島啓准教授(国際法)(産経新聞) - Yahoo!ニュース