ジャパンブランドを世界へ! | 一般社団法人 日本医療・美容研究協会 (JMB)

 日の丸 日本 国旗日本の2015年化粧品輸出額は前年比36%増と大きく伸長。初めて輸入額を超え2.000億円を突破した。

これには香港・中国の急伸が大きく貢献したとされる。アジアにおける化粧品のジャパンブランドへの信頼感

や憧れは大きく、今後の更なる輸出拡大に期待が掛かるサクラ草

 

 【輸出相手国から見た韓国と日本】

 2015年化粧品輸出額は前年比36%増と大きく伸長し2.078億円と初めて輸入額を超えた。特に、香港はこれ

まで長く輸出国トップの座にいた台湾を一気に抜きさった。そして中国も急伸、台湾に肉薄する勢いだアゲ

 では相手方のアジア市場から見て日本の化粧品はどう映っているのか。輸出相手国として急伸した中国・

香港にとっての輸入の相手国を見ると、日本より韓国が上位に位置している。この数年の韓国の化粧品輸出

の伸びは凄まじい。アジア最大の美容展示会コスモプロアジアでも昨年は、中国800社に次ぐ規模の400社以上

が出展していた。

 2015年にJETROが試みた中国人消費者の国別ブランドイメージの調査でも、韓国製のイメージは品質・評判

広告表現等、あらゆる項目で日本を上回っているという。小売店へのヒアリング調査でも、日本化粧品は品質

が良くて安全基準が厳しいと消費者調査とほぼ同様に安全性を高く評価する。だが日本化粧品の外観パッケ

ージは作りが簡単で広告宣伝も少なめというコメントが加わった。一方、韓国化粧品は外観パッケージは

ファッション性を講じて作りに凝っていると、全く対極の評価となっている。経済産業省の室長は「アジアではまだ

過包装が好まれる傾向はある、今の日本のシンプルモダンなパッケージが評価されるには時間が掛かりそうだ」

とみているiya

 

 【強みを伸ばし課題を克服する】

 日本の美容製品に詳しい台湾の日本薬粧研究家は、中国・台湾・香港の消費者はワンランク上を買いたい

ときは日本製品を手に取るとその品質の確かさを認める。しかし業界では世界も認める技術力を有しているが

マーケティングが弱い・製品までは素晴らしいが商品化が苦手が、いつの間にか定説になりつつある。いつまで

こんなステージに甘んじているのか。ある専門家は国際展示会での日本企業の出展の様子を見て、日本ブース

は売るというマインドに欠けている、何処で誰に売りたいかが明確でないという受け身の姿勢そのものに課題

があるという。また先ごろ農水省当官から2020年1兆円規模を目指す食品輸出の話を聞いたが、長年輸入重視

の傾向だったため輸出に関しては経験の蓄積も少なく制度末整備の部分が多いという。国全体の実情のようだ。

 確かに販売までに至る手続きや相手国企業との商習慣の違いのハードルは高くて複雑だ。ムダな労力とみな

あくまで軸足を国内に置き、これから増加する訪日客市場や、中国を中心に拡大する越境EC市場を選択する

のも1つの解だろう。

 今春、エステ大手TBCグループはタイの大型商業施設に化粧品店を出店し美白化粧品を展開する。ブランド

力・肌ケア・カウンセリング等、エステで培った技術でタイ市場へ初めて挑戦する。今後、ブランド力と技術力を

生かした美容関係企業の海外進出は加速するものとみられている。人口減少の日本の化粧品産業にとって

アジア市場攻略は必須だ。幾つもの試行錯誤の中から経験値を挙げていくしかないanguri

 

 【機能性化粧品市場2兆円の大台へ】

 ジャパンメイドの大きな柱となるエイジングケアコスメ市場は拡大している。エイジングケアやホワイトニング

等、機能性を訴求した機能性化粧品の市場は2016年見込みで1兆9.746億円、2017年は2兆117億円に拡大

すると発表。特にエイジングケア市場は2016年見込みで6.666億円と堅調。2015年にインバウンド需要を取り

込んだこと、プリオール(資生堂)やトワニーグロウ(カネボウ化粧品)等、団塊世代向けの新ブランド・新商品

が投入され市場が拡大したことが要因。今後はインバウンド需要が落ち着くものの更年期女性に向け新ブラ

ンドの投入が相次いでいることから2017年市場は6.838億円に拡大、ホワイトニング市場も2.659億円見込みと

拡大予測している。注目品目として、オールインワンスキンケアや大手メーカーが本格的に取り扱いを開始

したクッショファンデーションを挙げているniyari

 

 【化粧品受託製造市場は2.504億円に】

 2016年度は既存顧客のロット数が増加等のインバウンド需要に加えて、通販・アパレル業・広告代理店等

既存ルートを持っている企業からの注文等異業種からの引き合い、海外展開・男性化粧品等、新しい展開の

声が聞かれ各社の売上は概ね好調で昨年比売上は平均135.5%になった。2017年注目素材は発酵系素材・

ヒト幹細胞培養液・プラセンタ等が候補に挙がった。

 2016年の化粧品受託製造市場は前年度比104.2%の2.504億円、2020年度は15年比119.1%の2.861億円に

なると予測しているa-a                                  (DIET&BEAUTY抜粋)