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スパイダーマン

原作 八手三郎 (マーベルコミックス版「スパイダーマン」より)
連載 テレビマガジン/たのしい幼稚園/テレビランド/おともだち/冒険王

脚本 高久 進

音楽 渡辺宙明


主題歌 「駆けろ!スパイダーマン」「誓いのバラード」
 作詞 八手三郎
 作曲 渡辺宙明 
 唄 ヒデ夕樹
コロムビアレコード/ファンファニー

 出演

スパイダーマン/山城拓也 香山浩介(※藤堂新二)
佐久間ひとみ 三浦リカ
山城新子   大山いづみ


山城拓次   矢葺義晴
 風戸佑介
 野口貴史

 ジャパンアクションクラブ
  春田三三夫
  古賀弘文
  黒木三千一
  甲斐道夫

  竹下誠治
  吉田昌雄
  近村敏美
  東村茂幸

  岡本美登
  岩城一男
  村上 潤
  沢田祥二

技斗 山岡淳二
ナレーター 大平 透

モンスター教授 安藤三男
アマゾネス/吉田冴子
  賀川雪絵

プロデューサー 吉川 進 

撮影 加藤弘章
照明 戸塚和夫
美術 大瀬賢一

録音 秋本 彰
編集 望月 徹
効果 原田千昭
選曲 村田好次

助監督 田尻丈人
記録 奈良井玲子
車輛操作 高橋政生
進行主任 隈部文康

キャラクターデザイン/
 企画者104 久保宗雄
キャラクター制作 / エキスプロダクション
美粧 入江美粧
衣裳 東京衣裳

 ㈱特撮研究所
撮影 高梨 昇
美術 松原裕志
効果 吉岡健一
照明 日出明義

装置 協和美建
装飾 大晃商会
特殊効果 大平特殊効果
合成 チャンネル16
現像 東映化学

監督 田口勝彦

制作 東映 / ㈱東映エージェンシー 


第3話「怪盗001vsくも男」
(脚本 高久 進 / 監督 田口勝彦) 
あらすじ
・夜闇に紛れてビルの屋上からラぺリングで降下する黒ずくめの男。
・ビルの外壁にしがみつき、窓ガラスの施錠部分をを吸盤とガラスカッター使って破り、カギを開けた。
・男は室内へ侵入。ヘッド・ランプを点灯させ室内を物色する。
・金庫のダイヤル錠を回し開錠する。
・金庫の中の札束に手を伸ばす。
・室内に照明が点り、待ち伏せていた警察官たちが拳銃を手に、「怪盗001!逮捕する!」と隠れていた物陰から身を乗り出し、黒ずくめの男を包囲する。
・逃げ場を失い、観念した怪盗001は逮捕された。
・逮捕された怪盗001は、パトカーで警視庁へ連行されて行く。
・パトカーが陸橋に近付いた時、強烈な眼光で照らされた。光源は、陸橋の上にいたマシンベムである。
・強烈な光に幻惑され、パトカーは運転していた刑事がハンドル操作を誤り、陸橋の橋脚に激突して止まる。
・車内で気絶している刑事と怪盗001。
・大破したパトカーに走り寄る鉄十字団のニンダー部隊。
・ニンダーに連れ去られる怪盗001。気絶から覚めた刑事のひとりが、炎を上げるパトカーから仲間の刑事たちを救出する。
・郊外の造成地でバイクの走行練習をしている山城拓也。
・拓也の恋人、佐久間ひとみが拓也に怪獣が出たと知らせに来ていた。
・ひとみから事件の詳しい内容を聞き出す拓也。特ダネを狙うひとみだったが、拓也は興味ない素振りを装い、制止する。
・夕闇迫る中、バイクの練習を終えて帰途に就く拓也。その心中は、鉄十字団に対する憤りが溢れていた。
・鉄十字団のアジトでは、拉致してきた怪盗001に催眠術が行われていた。
・マシンベムの目から放たれる怪光線によって催眠状態に陥った怪盗001は、アマゾネスの暗示によって、自分がスパイダーマンであると吹き込まれ、盗みまくれと指令された。
・催眠操作を終えた001を下がらせたアマゾネスは、モンスター教授に作戦の成否を問う。
・モンスター教授は、スパイダーマン誘き出し作戦の成功に確信を抱く。
・怪盗001こと岡部は、催眠暗示の通り、犯行現場にスパイダーマンの名を残し、盗みを重ねる。
(いきなり呼び名が「怪盗001」から「岡部」にすり替わってるが、例によって何の前置きもない)
・事件は、ニュースになって瞬く間に世間に知れ渡った。
・新聞によってニュースを知った拓也は、ひとみを利用し、松本刑事から情報を手に入れようと画策する。
(日本経済新聞でニュースを知るとは、さすが12チャンネル(現・テレ東)。握り潰してるけどね)
・ひとみは、松本刑事とのコンタクトに成功する。そして、その二人を監視するスパイダーマン。
・ビルの前で怪盗001こと偽スパイダーマンを待ち伏せる松本刑事とひとみ、そして、スパイダーマン。
・ビルの屋上に怪盗001の姿が現れる。
・追跡に移る松本刑事とひとみ。そして、スパイダーマン。
・ビル内に侵入したスパイダーマン。一足遅く、金庫は破られ、壁に「スパイダーマン参上」の文字が。
・001を追うスパイダーマン。その行く手に現れたマシンベム。
・スパイダーマンは、マシンベムの目くらましよって001を見失ってしまう。
・翌朝、朝食の席で新聞に目を走らせる拓也。スパイダーマンは「くも男」と呼ばれ、単なる泥棒として認知されていた。
(キャプションと呼ばれる見出しだけ作って、本文記事は無関係なニュースを切り張りしたフェイク(偽物)新聞が数秒、映し出されるのだが、記事本文は、日中条約の交渉再開だの、火事で国鉄ダイヤが狂っただのと無造作な物。ビデオもワープロも一般に普及する以前のテレビ番組である。野暮は言いっこなしだぜ)
・食事時に絡む亡き父のエピソードを披露する新子と拓次。特ダネを逃して落ち込んでいるひとみがやってくる。ひとみを励ます拓也。
(山城家の母親の存在があったことを匂わす件が登場する貴重なシーン。山城家に入り浸って、平気で飯を食っていく、ひとみの神経が知れない)
・自室のベッドに横たわる拓也。スパイダーマンにかけられた汚名を雪(すす)がねばならないと決意し、地図を引っ張り出して張り込みの目途を思案する。
(食後にベッドで一休みとは優雅なものである。拓也はバイク・レースで賞金を稼ぐ以外は、たまにやるバイトくらいで、基本、無職である。スパイダー・プロテクターを着込んでスパイダーマンの姿にならなくても、スパイダー・パワーは使えるのだから、それを利用して手っ取り早く稼げばいいものを。スパイダー感覚には予知能力もあるのだから、株やギャンブルで一儲けとか・・・)
(Aパート、ここまで)

・拓也は、偽スパイダーマンを追い求め、夜の街を徘徊していた。
・路地で岡部とすれ違い、その身のこなしから偽スパイダーマンでは、と疑いを持つ拓也。
・盗みに入るターゲットを物色する岡部。拓也は確信を掴み、スパイダーマンの姿になって岡部を尾行する。
・これから盗みに入ろうとする岡部を取り押さえるスパイダーマン。
・飛んでくるニンダーの剣を躱すスパイダーマン。
・アマゾネスの指揮のもと、スパイダーマンを包囲するニンダー部隊。
・まんまとスパイダーマンを誘き出したアマゾネスは、ほくそ笑む。
・ニンダーとマシンベムの攻撃に劣勢を強いられるスパイダーマン。
・アマゾネスは用済みになった岡部を始末しようとする。
・催眠が解けた岡部は助けを乞う。そして、ビルの屋上から転落する。
・スパイダーマンが放ったスパイダー・ネットで転落死を免れた岡部。
・GP7を呼ぶスパイダーマン。
・秘密基地のガレージから発進するGP7。
(例によって何の説明もないので、勝手に秘密基地と表したが、郊外にあるコンクリート造りの建物)
・気を失った岡部をGP7に乗せ、離脱。
・早朝の街路を疾駆するGP7。
・人気のない遊園地で、岡部に鉄十字団の恐ろしさを説き、アジトの場所を聞き出そうとするスパイダーマン。
・アジトの場所を知らない岡部に、泥棒は悪だと諭すスパイダーマン。どんな理由であれ。
(サーカスに憧れ、サーカスを作る資金にと盗みを重ねていた岡部。全くもって、ちんけな野郎である)
・悔悟の涙を流す岡部。スパイダーマンは、岡部に罪の償いと改心を促す。
・迫りくる鉄十字団のニンダー部隊。
・遊園地のアトラクションを舞台にした戦いが始まる。
・警察の到着を待つ岡部。絶体絶命の寸前、鳴り響くパトカーのサイレン。岡部に迫っていたニンダーたちは姿を消す。
・命拾いした岡部はパトカーに駆け寄り、逮捕してくれと懇願する。呆れ顔の松本刑事。
・スパイダーマンの戦いは郊外へと移っていた。
・怪光線で向かってくるマシンベムに、スパイダーマンは嘲る。明るい陽光の下では怪光線は意味をなさないからだ。
・得意技が通用しないと知って、体当たりで攻めてくるマシンベムだが、やはり決め手に欠ける。
・マシンベム・幻妖虫は、巨大化してスパイダーマンを攻める。
(各話に登場するマシンベムの名称が判明するのは、大抵、巨大化して自ら名乗る時である。ネットどころか、ビデオも無い時代である。聞き取れなかった敵のネーミングは、永遠に謎である。)
・マーベラーを呼ぶスパイダーマン。地上に待機していたマーベラーが飛び立つ。
・GP7のミサイルで巨大マシンベム・幻妖虫を牽制しながらマーベラーの到着を待つ。
・マーベラーにドッキングし、レオパルドンに変形。
・巨大マシンベム・幻妖虫との戦い。
(レオパルドンに肉弾戦を挑む巨大マシンベム。しかし、というか、やっぱりレオパルドンは、格闘戦が出来ないのであった)
・レオパルドンの必殺技の連続攻撃に倒れるマシンベム。
・戦いを終えたスパイダーマンは、GP7で都会を疾走する。
(Bパート終了)

感想文
田口班による第3話。当たり前のことではあるが、監督が変わると絵ヅラが変わるし、脚本の解釈も変わる。今回は登場人物の表情の捉え方が変わっていて、キャラが立っている。
全体にユーモラスな雰囲気が漂ってるが、動きのない間延びした映像が短く少なく、常に画面の中は何かしらが動いている。メリハリの効いた編集と相まって躍動感に満ちている。又、役者の演技でも特に目元は、視線をハッキリさせてる分、画面に広がりと立体感が出るのだ。
どこを見てるのか、誰を相手にしているのかスッキリしないような表情では、どんな立派なセリフだろうと実感が湧かない。
例えば、Bパートの遊園地の件では、スパイダーマンが怪盗001に向かって説教するが、「ロクな稼ぎも無い野郎(拓也)が偉そうに」と観てる側を白けさてしまってはいかんのである。スパイダーマンのマスクは目が見えないのだが、その下にあるであろう主人公・拓也の目のイメージが虚ろではならない。物事を真っ直ぐに見つめる目が必要なのだ。

無い物を見せるのが芝居。見えない物を見せるのが演技の神髄である。

(拓也役の香山(藤堂)さん本人がスーツに入ってるか否かの見極めは、身長と鼻の高さ、鼻先から顎先までの長さで判別できる。バンクであるマーベラー(レオパルドン)のコックピット・シーンは、本人が演じてたそうな)

さて、第1話、第2話の竹本監督の演出は、凝ったカメラ・アングルや実験的な映像、特に疾走感を得意とする監督だけに、ドラマ部分では演技は役者任せになりがちであった。一方、第3話の田口監督はストーリーの整合性より、テンションの高い演技やカット・チェンジの小気味良いテンポの良さが持ち味である。

まあ、製作サイドから言わせてもらえば、持ち味の違う監督を2個1に出来ればいいのだが、1話完結のストーリーで2本撮りを強いる体制にも問題がある。
監督の役割は、作品の全体像を確立して、キャストやスタッフにそれを伝えること。すなわち舵取り役である。これは製作サイドにおいての話。一方で経営サイドの場では、監督は製作サイドの代表として孤独な戦いを強いられるのである。
(そうは言っても、実際には、現場を仕切る監督より、プロデューサーの方が立場も権限も上なのであるが・・・)

例え話ではあるが、

営業側は「俺たちが苦労して売り込みなんかしなくても、客の方から欲しがるものを低予算で作れ」と言い、製作側は「もっと予算と時間をくれ」と言う。
両者から板挟みになってる俺は思うのだ。
「交渉だ、接待だ」と経費を会社持ちでタダ酒・タダ飯食う営業を止めればその分を製作に回せるし、「いい道具や機材があれば、もっといい仕事ができる」と抜かす前にテメエの腕を磨け、知恵を絞れ! と現場には言いたい。
今やってる仕事と関係のないヨタ話で、いつまでも事務所に居残りたがるスタッフを定時で追い出し、与えられた予算の中で足を出さないように電卓叩いて、取引先と値引き交渉を繰り返す。予算オーバーしたら自分の取り分を減らしてでも補填しつつ、自分だって飯食ってかなきゃならんので内職仕事で糊口をしのいでたら本業がちっとも捗らないので、睡眠時間を削って間に合わせる。
抱えてるスタッフの人数分の仕事の前段取りを体一つでこなしても、誰一人として感謝もしてくれない。
スタッフの前で下手に愚痴をこぼそうものなら、それをやるのがアンタの仕事でしょう、と冷たく返される。
営業だって、用もないのに進捗状況を一々報告しろというが、余程のトラブルでも起きなきゃあ報告することなんて何もないよ。そんなに納期が心配なら、現場へ来て、自分の目で確かめやがれ。
(但し、口は出すな。)
最近、独り言が増えたと思う。寝不足のせいか頭が冴えない。暑くもないのに体が火照って汗をかく。イライラして、じっとしてられない。洗面所に立って、歯を磨いていると歯茎から血が出る。鏡を見ると白髪が目につく。髪の生え際が薄い。今やってる仕事が片付いたら、しばらく休みを取ろう。さあ、今日も仕事に行かなくちゃ。玄関に向かう。下腹に鈍痛が走る。トイレに駆け込む。息んでみたが出ない。それでも多少、痛みは薄れた。ズボンのベルトは緩めにしとこう。
さて、玄関だ。靴を履く気になれない。サンダルで良いや。いつもの通勤の道、サンダルが擦れて足が痛い。普通に歩けない。駅が遠い、会社は果てしなく遠い。こりゃあ、今日は遅刻だな。電話しなきゃ。いけね、ケータイを家に忘れてきた。家に戻って電話しよう。取り敢えず、今日の分の段取りは出来てるから、助監督に指示して、場みりだけでも、やっといてもらおう。どうにか家に戻ると、とにかく足が痛い。今日は出社は無理かもな・・・
こうして大抵の(現場)監督は、製作の最前線を退いていく。10年、20年あるいはもっと、長年現役で監督を続けていられる人間は、正常な感覚の何かが絶対、確実に、激しく、著しく・・・何とも形容し難いが、とにかく何かが抜け落ちてるに決まってる。名ばかりの監督(製作会社の社員)は、死ぬまで仕事の邪魔しに事務所に詰めてるが・・・

残念ながら『天は二物を与えず』である。監督なんて仕事を生涯の生業にできる人間は、人間としての大事な何かが生まれつき備わっていないのだ。

そんな、こんなの視点でプログラム・ピクチャー(テレビ番組)を観るようになったら、御終いである。

次回は、いきなり最終回の紹介と解説である。理由は聞かないでくれ。

スパイダーマン

原作 八手三郎 (マーベルコミックス版「スパイダーマン」より)
連載 テレビマガジン/たのしい幼稚園/テレビランド/おともだち/冒険王

脚本 高久 進

音楽 渡辺宙明
音楽制作 あんだんて

主題歌 「駆けろ!スパイダーマン」「誓いのバラード」
 作詞 八手三郎
 作曲 渡辺宙明 
 唄 ヒデ夕樹
コロムビアレコード/ファンファニー

 出演

スパイダーマン/山城拓也 香山浩介(※藤堂新二)
佐久間ひとみ 三浦リカ
山城新子   大山いづみ

ガリア    西沢利明
山城拓次   矢葺義晴

 山本 武
 大矢 兼臣

 ジャパンアクションクラブ
  古賀弘文
  栗原 敏
  甲斐道夫
  黒木三千一

  建部 豊
  岩城一男
  沢田祥二
  喜多川 務

技斗 金田 治
ナレーター 大平 透

モンスター教授 安藤三男
アマゾネス/吉田冴子
  賀川雪絵

プロデューサー 吉川 進 / 石川 博(東京12チャンネル)
撮影 加藤弘章
照明 戸塚和夫
美術 大瀬賢一

録音 秋本 彰
編集 菅野順吉
効果 原田千昭
選曲 村田好次

助監督 篠原 勇
記録 木村幸江
車輛操作 高橋政生
進行主任 隈部文康

キャラクターデザイン/
 企画者104 久保宗雄
キャラクター制作 / エキスプロダクション
美粧 入江美粧
衣裳 東京衣裳

 ㈱特撮研究所
撮影 高梨 昇
美術 松原裕志
効果 吉岡健一
照明 日出明義

装置 協和美建
装飾 大晃商会
特殊効果 大平特殊効果
合成 チャンネル16
現像 東映化学

監督 竹本弘一

制作 東映 / ㈱東映エージェンシー 


第2話「怪奇の世界!宿命に生きる男」
(脚本 高久 進 / 監督 竹本弘一) 
あらすじ
・その夜、瞬間風速40メートルの暴風が吹き荒れていた。
・スパイダー星人ガリアの化身であるクモが眠っている山城拓也に呼びかける。
・鉄十字団が活動を始めたと告げるガリアの声に目覚めた拓也は、スパイダーマンの姿で、夜のビルの屋上へ這い登る。
(壁を這い登るシーンはバンク・フィルムだが、夜の演出にフィルターで明度を落としているので合成のムラが、さほど気にならない。俺がまだ子供の頃は、どうやって合成してたのか見当もつかなかったものだが、コンクリートの床の上で四つん這いしてる動画と背景にスチール(写真)のビルを重ねてるだけ。壁面の角越しに這い上がるのは、陰に隠れてる半身でクレーンに掴まり、見えてる側の半身を上下に動かしてるだけ・・・等々、スパイダーマン独特のアクションは、どれもシンプルな仕掛けばかりだが、スタントマンの身体能力の高さを活用した点が斬新である。これを突き詰めると中国雑技団のアクロバット演技になるんだろうか? 何かとCGに頼る現在だからこそ、逆に感動させられる)
・深夜の街並みを見下ろし、鉄十字団の気配を探るスパイダーマン。
・夜じゅう吹き荒れた暴風は、夜明けとともにピタリと止んだ。
・早朝、山城家では拓次を急かす新子の声が。
・食卓に這うクモに悲鳴を上げる新子。歯ブラシを銜えた拓次が食堂にやって来る。拓次のいたずらかと疑う新子と一悶着。
・拓也を訪ねてきた佐久間ひとみ。昨夜の暴風で脱線転覆した列車事故の取材に同行を求める。
(ひとみの役割は、マーベルの原作にある主人公がカメラマンを目指しているという設定からきてるのだろうが、原作のヒロインがグラマーな女性ってところもキャストに三浦リカさんをチョイスした理由かも? と勘繰ってみる)
・事故現場にて、ひとみから事故の詳細を聞かされる拓也。
・(場面変わって)亡き父の墓標の前に佇む拓也。教会の礼拝堂にて回想に浸る。
・400年前、M77星雲・第17星列にあるスパイダー星に降りかかった悲劇。
・一族を皆殺しにされ復讐の旅に就いたガリア。
・宿敵モンスター教授を追ってやって来たのは、戦国時代の日本。モンスター教授とガリアとの激しい戦い。
・戦いの最中、地下の洞窟へと落とされ、毒蜘蛛の洞窟に閉じ込められたガリア。(何故か)マーベラーを宇宙に退避させ、復讐の時を待てという。
・スパイダー星の一年は、地球では20年に相当するらしい。400年という時の流れは、スパイダー星人であるガリアにとっては、地球人の20年分に相当する。彼にとっての20年間(地球人の400年)は、地下の洞窟に閉じ込められたまま、自分の後継者を探し、待ち侘びる日々だった。
・ガリアと拓也の出会い。瀕死の拓也を救い、スパイダーマンの能力を授け、自分の復讐を託して、ガリアは滅した。
・命の恩人であるガリアの願いは、スパイダー星人の復讐と地球を征服しようとしているモンスター教授の鉄十字団の野望を挫くこと。そして、拓也の望みは、父の仇を討つこと。拓也は、決意も新たに復讐を誓うのであった。
(十字架型の墓石と教会、磔刑のイエス像とキリスト教色が満載だが、スパイダーマンの戦う理由が「復讐」だとして、これが「因縁」を重視する仏教だったら「親の仇討ち」だけという辛気臭い物になってたかも。片や神に授けられた宿命、一方は輪廻転生・自業自得と死生観がまるで異なる宗教の立脚点が浮き彫りになる件りである。なので大抵の復讐劇は、キリスト教を背景とするのであった。だがしかし、第1話での性急に突っ走ったシナリオを補足しようとしたのだろうが、モンスター教授の出自や閉じ込められたガリアが、長い間、脱出を試みることもなく、唯ひたすら後継者を待ち望んだ理由は皆目分からない)
・墓参に来ていた新子とひとみの会話で語られる事故の生存者の奇妙な証言。ふたりと教会で偶然鉢合わせた拓也は、生存者の話を聞きに行こうと、ひとみを連れて病院へ向かう。
・拓也たちの来訪は一足遅く、事故の生存者は、すでに殺害されていた。
・事件現場から追い払われた拓也たち。河川敷で、拓也は、ひとみから病院で殺害された生存者の証言を詳しく聞き出す。ふたりの背後に忍び寄る鉄十字団。
(昨夜の事故の生存者の証言を、いつ、ひとみが聞き込んだのか? どこから情報を仕入れたのか? といった時系列に沿った説明は、例によって、全くない)
・拓也に命じられ、ひとりで逃げる、ひとみ。だが、ニンダーの一群に取り囲まれて逃げ場を失う。
・ひとみのピンチに駆け付けるスパイダーマン。
(Aパート、ここまで)
・スパイダーマンは、スパイダー・アクションでニンダーを翻弄し、ひとみはピンチを逃れた。
・その様子を陰から監督していたアマゾネスは、逃げ帰ってきたニンダーたちを叱責する。スパイダーマンが、ガリアの命を受け継いだ者だと見抜くモンスター教授。
・山城家では、襲われたひとみが拓也の不甲斐無さを詰(つめよ)っていた。正体を明かせない拓也は、周囲の嫌味に耐えるしかなかった。
・自室に戻り、ガリアの化身であるクモに問いかける拓也。しかし、化身のクモは、それには答えず、息絶えた。
(多分、拓也の留守中に、クモ嫌いの新子がバルサンかアース・レッドを焚いたに違いない)
・クモの亡骸を手に、拓也は孤独な戦いを覚悟する。
・スパイダーマンは、鉄十字団の気配を掴もうと夜の街へと繰り出す。
・やがて夜明け。スパイダー感覚に鉄十字団の動きが探知された。
・(説明は一切ないが)教会の地下に隠されたスパイダーマンの基地からGP7が出撃する。
・成田空港へ航空機燃料を輸送する貨物列車。(可燃危険物なのに、黄色じゃないのは、何故?)
・列車の行く手に現れた怪しい物体。その姿は、剥き出しの脳ミソ(双頭鬼)である。浮遊する脳ミソが光弾を発射してレールを破壊する。
・破壊されたレールに迫る貨物列車。駆け付けたGP7。
・このままでは列車が脱線してしまう。そう覚ったスパイダーマンは、陸橋から走る貨物列車に飛び移るのだった。
・列車の運転席まで移動したスパイダーマンは、驚く運転手を尻目に、列車のブレーキ・レバーをスパイダー・ストリングで引き寄せる。
・破壊されたレールの手前で停車する列車。脱線を防いだスパイダーマンの前に先ほどの脳ミソが現れる。
・マシンベム・ソウトウキ(双頭鬼)と名乗った浮遊する脳ミソの化け物をスパイダーマンは追う。
・マシンベムを追うスパイダーマンの前に立ちはだかるニンダーの群れ。
・アクロバティックな戦いを繰り広げるスパイダーマン。
・浮遊する脳ミソ・ソウトウキとの戦い。
・ソウトウキはボディーを呼び寄せ、ドッキングする。そして巨大化。
・苦戦するスパイダーマン。マーベラーを呼ぶ。
・大地を割ってマーベラーが発進。
・GP7で空中戦を挑みながら、マーベラーの到着を待つ。
・マーベラー到着。GP7がドッキングし、レオパルドンにチェンジ。
・迫る巨大マシンベム。
・レオパルドンの胸から発射されるスパイダー・ストリング。
・額の角状を飛ばすアークターン。
・脚部から引き抜き、投擲する必殺技ソードヴィッカー。
・レオパルドンの畳みかける連続攻撃に敗れ、爆散するマシンベム。
・戦いを終え、帰還するマーベラーの雄姿。
(Bパート終了)

感想文
第1話と第2話では、ストーリー設定の解釈が異なっている。今回の脚本だが、中途半端に設定を説明しても焼け石に水である。
この作品を語る上で、ストーリー細部の辻褄合わせがどうの、特撮が下手とか揚げ足とっても仕方あるまい。
(ミニチュアのワイヤー操演のワイヤー消しすら手抜きしてるとか。手抜きのまま、バンクとして後の回でも使い回されているとか)
俺が興味を持ったのは、製作進行である。本編の撮影開始時点で、シナリオのストックは何話分まで出来ていたのか? セット撮影、ドラマ・ロケ、技斗、特撮と、低予算の中でも更に低予算な子供向け番組である。TV放映のみならず、劇場版、玩具、月刊誌に掲載する設定資料作り等、商品展開毎にそれぞれ異なる納期に間に合わせる苦労は並大抵ではなかったと思われる。
何より、マーベルとのキャラ使用権の有効期限内(3年間だったらしい)に、全てのコンテンツを完成させなければならないのである。
限られた予算と人員、スケジュールを考えると、粗探しをして、せせら笑だけで済む特撮マニアという低俗な手合いの罵倒なぞ、屁でもなかろう。
1978年といえば、まだ民放キー各局が1週間に複数の特撮物を流していた時代である。
特撮物なぞ家内手工業の最たるもので、造形物の製作を請け負う下請けの数も知れたもの。工業製品の大量生産とは違って、手数を増やしたからと言ってスケジュールが短縮されるものではない。
(俺が過去に請け負ったインディーズの特撮AV用に作った着ぐるみの造形も、発泡剤の混合が悪くて型に流したウレタンが型通りに膨らまなかったり、表面のラテックスが固まらなかったり、塗料も生乾きだったり・・・スケジュール通りに出来上がらなくて大泣きしたものである)
何よりキー局が東京12チャンネル(現・テレ東)である。クセのあるコンテンツばかりを扱うイメージの局だが、企画からして無理目が見えてる物を、よくぞやってくれたという他ない。

スパイダーマン

原作 八手三郎 (マーベルコミックス版「スパイダーマン」より)
連載 テレビマガジン/たのしい幼稚園/テレビランド/おともだち/冒険王

脚本 上原正三

音楽 渡辺宙明
音楽制作 あんだんて

主題歌 「駆けろ!スパイダーマン」「誓いのバラード」
 作詞 八手三郎
 作曲 渡辺宙明 
 唄 ヒデ夕樹
コロムビアレコード/ファンファニー

 出演
スパイダーマン/山城拓也 香山浩介(※藤堂新二)
佐久間ひとみ 三浦リカ
山城新子   大山いづみ

山城博士   村上冬樹
山城拓次   矢葺義晴

ガリア    西沢利明
 入江正徳

 ジャパンアクションクラブ
 古賀弘文
 鈴木弘道
 吉田昌雄
 甲斐道夫
 横山 稔
 蒲原敏明
 益田哲夫
 井上清和

技斗 金田 治
ナレーター 大平 透

モンスター教授 安藤三男
アマゾネス/吉田冴子
  賀川雪絵

プロデューサー 吉川 進 / 石川 博(東京12チャンネル)
撮影 加藤弘章
照明 戸塚和夫
美術 大瀬賢一

録音 秋本 彰
編集 菅野順吉
効果 原田千昭
選曲 村田好次

助監督 篠原 勇
記録 木村幸江
車輛操作 高橋政生
進行主任 隈部文康

キャラクターデザイン/
 企画者104 久保宗雄
キャラクター制作 / エキスプロダクション
美粧 入江美粧
衣裳 東京衣裳

 ㈱特撮研究所
撮影 高梨 昇
美術 松原裕志
効果 吉岡健一
照明 日出明義

装置 協和美建
装飾 大晃商会
特殊効果 大平特殊効果
合成 チャンネル16
現像 東映化学

監督 竹本弘一

制作 東映 / ㈱東映エージェンシー 


第1話「復讐の時は来れり!撃て鉄十字団!!」
(脚本 上原正三 / 監督 竹本弘一) 
あらすじ
・雷鳴轟く洞窟、スパイダー星人のガリアは、テレパシーで呼びかける。
「兄弟よ、来れ兄弟よ、わが兄弟よ。来れマーベラー、来れレオパルドン!」
(何故テレパシーだとわかるかって?ガリアの口が動いてないからさ)
・星の彼方から迫るマーベラー。
・その光景をモニター画面で見つめるモンスター教授とアマゾネス。
(宇宙空間のどこにモニター・カメラが仕掛けてあるのか知りたい)
・マーベラーの向かう先は地球であった。
(地球が真ん丸に太陽に照らされてるからには、マーベラーは太陽系の中心側から来てるんだろな。さっきの登場場面に太陽はなかったが・・・)
・山城宇宙考古学研究所。観測機を覗いていた山城新子が緊迫した声で、父である山城博士を呼ぶ。山城博士は観測機に駆け寄り、ダイヤルを回してモニター画面に画像を映す。新子「彗星でしょうか?」
(どう見ても、背中に変な頭の付いた四角ばった物体だろう)
・地球へ猛スピードで接近するマーベラー。
・丘陵を拓いた造成地。周辺は建物も疎らな広大な空き地に排気音を撒き散らし、土煙を上げて山城拓也が駆るバイクが疾走する。それを観覧している弟の拓次は感嘆し、拓也の恋人でありフリー・カメラマンの佐久間ひとみは、拓也の走りをカメラで追う。
(バイクのフロント・カウルのデザインは、どう見てもスパイダーマンの顔をモチーフにしてるが、現時点では、まだ何ら接点はない)
・バイクを駆る拓也は、ガリアのテレパシーに感応し、周囲を見渡す。一方、大気圏に突入したマーベラーは、赤熱しながら、地表へ降下していく。
・市街地の上空を滑空していくマーベラー。その光景を大勢が目撃する。やがてマーベラーは、山奥に激突する。
・マーベラーの到着を険しい表情で見ていたモンスター教授とアマゾネスは、400年の時を経て地球へ舞い戻ったマーベラーの姿に、鉄十字団の野望の前に立ち塞がるであろう強敵の気配を感じて思案する。そして、山中に不時着したマーベラーを調査するであろう山城博士を亡き者にしようと行動を開始するのであった。
(マーベラーが戻って来る以前から山城博士の存在を知っていたなら、もっと早くに襲撃しときゃ良かっただろうに)
・モンスター教授と彼が率いる鉄十字団の地球侵略作戦が動き出した。
(ナレーションで簡単に語られるが、400年前から地球にいたのに、今になって征服作戦開始とは、今日まで何してたんだろう?)
・アマゾネスは、マシンベム・暴君竜を連れ、雑誌編集長・吉田冴子に変装し、雑誌編集部に向かう。アマゾネスは、先日のバイクを駆る山城拓也の記事を売り込みに来ていた佐久間ひとみにマーベラーの写真を見せ、山城博士の徹底取材を命じるのであった。
(マシンベムの特技とか伸縮自在だという説明は全くないが、アマゾネスのコスプレにも何の説明もない。雑誌の編集長ってのも多分、情報収集に雑誌の取材だと言っときゃ疑われずに済むからなんだろう、と脳内補完する)
・宇宙考古学研究所を兼ねる山城家では、レースを前日に控えた拓也がマシンの整備に余念がない。家じゅうに響き渡るバイクの排気音に驚き、駆け付ける妹の新子と恋人のひとみ。
(研究所を兼ねる大きな屋敷なのに、何故、居室でバイクの整備をするのか。ガレージはないのか?)
・新子は、兄・拓也にレース出場を中止して隕石(マーベラー)発掘の手伝いを懇願するが、拓也は興味を示さない。レースのことしか頭にない兄に立腹する妹だったが、父はそんな息子にも理解を示し、レースでの優勝を約束させる。
(兄姉と随分歳の離れた弟がいるのに、母親について語られるエピソードは皆無に等しい。家族同然に山城家に入り浸る拓也の恋人ひとみも、駆け出しのフリー・カメラマンで独り暮らしをしているらしいこと以外は不明である)
・壁に浮かび上がるクモの影。そして、ガリアのテレパシーが拓也を呼び続ける。
(奇声を上げて家を飛び出して行くのだが、居合わせた家族は何ひとつ不審がらない)
・隕石(マーベラー)発掘へ、奥深い山中に赴く山城博士たち一行。
(第2話で特定されるが、丹沢の山奥らしい。あれだけ巨大な物体が落下して、目撃者も多数居ただろうに大騒ぎなっていないのが不思議。隕石を探しに来てるらしいが、どう見ても隕石には見えないマーベラーのことを、ひとみは博士たちに伝えなかったのだろうか?)
・暴君竜を博士たちの襲撃に向かわせる吉田冴子ことアマゾネス。
(いきなり服脱ぐから、アマゾネス役の賀川さんが出演した別映画のワン・シーンを思い出しちまった)
・弟の拓次とともにレースに出発しようとしていた拓也に、再びガリアのテレパシーが。
・自分を呼ぶガリアのテレパシーに導かれ、拓也はレースを放り出しバイクを走らせる。向かう先は山城博士らが向かった山奥であった。
(幼い弟を独り残して行ってしまう。将来、拓次がグレないことを願う)
・山城博士に襲い掛かる暴君竜。博士たちの悲鳴が響く。
・テレパシーに導かれ山奥へやって来た拓也は、逃げる途中、父(山城博士)とはぐれた新子とひとみを発見する。
・父を探す拓也。絶命寸前の父を見つけ駆け寄る拓也。父は、拓也にインベーダーの存在とその正体を究明してくれと遺言して息を引き取る。
・拓也もまた、鉄十字団の戦闘員(ニンダー)の一団に襲撃され、傷を負って逃げる途中、迷い込んだ洞窟の奈落へと墜落する。目的を遂げて引き揚げるアマゾネスたち。
・奈落の底で瀕死の拓也の前に、ガリアが姿を現した。
・ガリアは、地球侵略を企むインベーダー・モンスター教授と鉄十字団の存在を拓也に明かす。そして、拓也の命を救うべく、スパイダー・エキスを注入する。
(Aパート、ここまで)
・スパイダー・エキスの効力で蘇った拓也。
・訝る拓也にガリアが自ら明かした正体は、鉄十字団に征服されたスパイダー星から来た宇宙人だった。復讐の為にモンスター教授を追って地球へ来たが、罠に嵌り、毒グモの洞窟に閉じ込められてしまったのだという。ガリアは、自分が果たせなかった復讐を託す人物が現れるのを400年もの間、耐えて生き続けていたのだった。
・拓也にスパイダーマンの能力を与え、自らの復讐を託してガリアの肉体は消滅した。その復讐の怨念だけがクモの姿となって残った。
(山城博士といい、ガリアといい、言いたいことを言い終わった瞬間にコロっと死んでしまう。しかし、ガリアが拓也に言った「私のテレパシーを受けれる者は、全宇宙にたったひとりしかいない」とか「君は私と友達になれる、ただひとりの人間なのだ」というセリフは、よくよく考えると悠長な話だ。モンスター教授もだが、400年間も何を待ってたのか、さっぱり意味が分からない)
・父の死後、拓也がスパイダーマンになったことを知らない妹と弟は、部屋に閉じこもっている兄を心配するのであった。
(拓也の人が変わったと感じている新子だが、父親があんな訳の分からない死に方をしたのに落ち着き払ってる彼女の方が、どうかしてる)
・茫然と過ごしている拓也に、ガリアの怨念の化身であるクモがスパイダーマンの能力を教え、ガリアと父の復讐を諭す。そして、鉄十字団との戦いへ拓也を叱咤するのだった。
・原子物理学者の藤田博士が誘拐されて、それが鉄十字団の仕業だと見抜いたスパイダーマンは、スパイダー感覚とクモの特殊能力を使って藤田博士救出に向かうのだった。
(事件を伝えに来たひとみであるが、事件発生を誰から聞かされて、誰に何の為に伝えるつもりかは、全くもって不明である)
・スパイダー・ストリングで宙を渡り、壁面を這い登り、ダムの中に作られた鉄十字団のアジトに潜入する。
(ビルの壁面の合成が下手だとか、ストリングが三つ編みロープだったりと、お約束なツッコミは、さて置き、スパイダー感覚で南東50キロの地点と察知してるのに、ロープでターザンごっことかしてたら日が暮れるぞ。自分のバイクか、タクシーでも使え)
・スパイダーマンは、囚われの藤田博士を解放し、そこから逃がすと鉄十字団との死闘を開始するのだった。
(東映版スパイダーマンのお楽しみである名乗りシーンだが、「父とガリアの復讐」とハッキリ言ってるのだから、後に何度もスパイダーマンの正体を暴けないで地団駄を踏んでいるモンスター教授やアマゾネスたちは、真に間抜けである)
・襲い来るニンダーたちをスパイダー・ネットで絡め取り、地上はもとより壁や天井に取り付き縦横無尽に移動し、待ち伏せ、攻撃する。
・巨大化した暴君竜に苦戦を強いられるスパイダーマン。マーベラーを呼び、スーパー・カーGP7でマーベラーに搭乗する。コックピットに座ったスパイダーマンは、マーベラーが変形した巨大人型ロボット・レオパルドンで巨大暴君竜を倒す。
(スパイダーマンは、ニンダーとは格闘するが、何故かマシンベムとは一切格闘戦を行わない。巨大化したマシンベムに対してもレオパルドンの飛び道具で戦うのみである。マシンベムやレオパルドンのデザインが基本、直立とバンザイしかできない、歩くことすらままならないスタイル重視の造形がアダになったのだろう。)
・爆散する暴君竜の最後を見せつけられたモンスター教授は、懸念していた強敵の出現を認めざるを得なかった。
・ワインディング・ロード(箱根の林道)を疾走するGP7。スパイダーマンは、鉄十字団と戦う覚悟をさらに深めるのであった。
(Bパート終了)

感想文
ストーリー設定や登場人物の動機付けの辻褄合わせなんて知ったこっちゃない、とばかりに次々と畳みかける勢いのシナリオ展開である。
冒頭、ガリアがテレパシーで呼びかける際の舞台劇を思わせる大仰なセリフや古代の西洋甲冑をイメージさせるコスチューム。無国籍で時代錯誤なヒロイック・ファンタジーだ。
くどくど回り諄(くど)い説明もなく、ベタベタした人間関係の煩わしさもなく、ひたすらアクションまたアクションの連続活劇が現在のドラマ・シーンからは死に絶えて久しい。
バイクレーサー山城拓也の腹蔵(はらぐら)のない性格は、昨今のウジウジ・ゴチャゴチャとモラトリアムの言い訳や他人の揚げ足取りに終始するような幼稚で面倒臭い割に、説教セリフばかりで中身が空っぽな主人公にウンザリしてる俺としては、ヒーロー物の主人公は、こうでなくちゃと再確認させられた。

さて、スパイダーマンといえば、本家マーベル・コミックの悩めるヒーローの代表である。この東映版以前にもハンナ・バーベラのアニメーションや池上遼一の日本版のマンガがあった。本家マーベル版に劣らず、つまらねえマンガだった。アニメ版は、キャラのクローズアップで、くどくどしい説明や言い訳がやたら多かったが、意外に面白かったのは勧善懲悪の単純なストーリーだったからだろう。それが証拠に、どんなエピソードがあったか、ひとつも思い出せない。出来の良いエンターテイメントは、そうでなくちゃいけない。
観てる最中は、「おいおい、そりゃないだろう」とツッコミを入れつつ、アクション・シーンでは、単純に「おお、カッコイイ!」と頭空っぽで感激させてくれれば、それで良い。観終わった後に何も残ってなくて構わない。
日常、自分の悩みやら煩わしさで手一杯だってのに、安物の作り話に付き合って更に悩まされるなんてのは、真っ平ゴメンだ。
という訳で、この東映版スパイダーマンは不朽の名作である。

誰しも真っ当堅気に努力していれば、悪い結果は無いだろう、という期待は抱くものだ。
ま、人間なんてのは、出来損ないのサルである。我田引水の極致を体現した知性を持つ生物としては、何事にも裏切りは当然の結果である。期待を夢見て務めた挙句の現実は、儚い希望さえ無残に打ち砕く仕打ちで応えるのであった。

一体、何の話であろうか?
久しぶりに、雇われの身分で働いたのだが、給料未払い、催促も無視されたのであった。

日本国憲法第27条第2項
「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」
労働基準法
第1章~第13章に亘り、全121ヶ条からなる。国家公務員・地方公務員の一部を除いて、すべての勤労者に適用される法律である。

今回の争点は、労基法・第1章・第13条にある「賃金」の項である。
具体的には、第24条1項に違反する事例である。また労基法第13条(罰則)・第120条による定めから、刑事訴訟法に基づいて告発しなければならない。
ま、過去、何度も遅配や仮払いを繰り返してきた上に、親告罪でもあるので、法律を知らずに泣き寝入りしてきた側にも自責点がある。
今回は、筋金入りの理屈家である俺も関わってしまっただけに、従来のような逃げ得にはさせない。

さて、手順としては、給与支払日を過ぎてから支払日確認の電話を入れる。
「後で連絡する」という門前払いの対応から、告発にするか、一足飛びに告訴に踏み切るかという二つの選択肢を用意した。
クレジット・カードによる支払い確定日を過ぎたので、この時点で再び給与支払いの意思確認をする。
前回同様の対応だったので、労働基準監督署に相談(告発)しに行く。
数日後、労基署の査察が入ったらしいのを現行の従業員から聞き込んだ。
後は、社長(雇用・使用者)が、労基署にどんな言い訳と対応措置を考慮したかの連絡を待つだけ。
告発から2週間後、労基署から連絡が入った。
事前に連絡してから受け取りに来いとの事。まったく、太い了見だ。金が用意出来たんなら、そちらから出向いて、詫びも入れやがれってんだ。
賃金の不払いとは、故意による殺人と同罪である。自分が食うだけでなく、支払いだってある。
住宅ローンの返済やら公共料金、各種税金やらが、「給料が未払いなんで、払えません」で通用するとでも?
銀行口座からの自動引き落としが残高不足で未払いとなれば、督促状が届く。こちらの社会的信用にも関わる重大事件だ。これが原因で金融機関の信用調査でブラックリストに名前が載ったら社会生活の継続自体がアウトだぜ。
(刑事とは別に、民事で賠償請求と慰謝料支払いの訴訟を起こすまでだ)
これで今月中に給料払わなきゃあ、次の手である刑事告訴に切り替える手筈だったんだが、日時は引き伸ばしされたものの、支払いは完了した。一応、向こう側は、これで決着がついたと胸を撫で下ろしてるところであろう。
5月分の給料と6月分の給料を合わせた支払いの完了が7月下旬とは、フザケた話だ。
法律上の手続き云々より、俺の心情を逆撫でしたのは、雇用側の対応である。
例えば、親が自分の取り分(食い物)を削ってでも我が子に与えて育てるが如く、雇い主は労働者の生活を最優先するべきであろう。
景気の悪いご時世であろうとも、他人様を使って商売する人間は、その責任を果たすべきである。
取り決め通りの支払いが出来ないなら、誠意をもって釈明するなり、支払いを担保すべきであろう。
苦楽を共にする戦友であるなら、忍耐を共有してくれるかも知れないではないか。

俺が、初めて勤めた会社は、給料は現金支給、社長自らが給料日に従業員に手渡すというスタイルだった。
嬉しいような、照れ臭いような、複雑な心境ではあったが、俺の複雑な就業形態(勤労学生)に十分な配慮をしてくれた社長には、感謝すれども、貶すに足る落ち度は無かった。
最低賃金スレスレの安い賃金であろうとも、仕事をこなすスキルや社会生活の多くを学ばせてもらった授業料を差し引いたら、貰い過ぎであった。
それでも不満を託つて辞めていく者はいるのだから、事業経営とは真に難しいものだ。
かくもいう俺も、従業員は雇ってないが、本業だけじゃ食えない自営業(経営者)だ。法律を知らないじゃ済まされないので、当然、勉強している。馬鹿じゃあ生き抜けないのが、自然の法則・生存競争である。
下請けとして仕事を請け負って、いざ請求書を提出しても、予算が無いだの何だのと逃げ回る元請けの、逃げ得にはさせない執念深さと理論武装は、必修のサバイバル・テクニックである。
過去、経営の責任者として労基署・裁判所対策に追われた経験もある。こういう数々の試練をくぐり抜けてきた百戦練磨の強者だけに、今回のように、たかが短期のバイトであろうと、手は抜かないのであった。

俺なんて、一人で数人分の働きぶりからすれば、世界一安い人材である。こういう人間を使いこなせない無能な経営者ばかりが蔓延(はびこ)る世の中の方が問題であろう。
昔話だが、「スカッド・1発7千万円。俺・3百万円で同等の戦果。どっちが得か、よ~く考えてみな」と交渉していた時代があった。
昨今、自爆テロの実行犯・1人が出る度に、日に数十億円の対策費用を強いられる。俺なら1人工(にんく)・2万3千円ですむのだが・・・。
それはさて置き、今回は(結果として)給料支払い遅延として、内々に処理したのだが、果たして、これで良かったのか? という疑念は払拭できない。
「水清ければ魚棲まず」
とは言うが、澱んだ水は腐るものだ。腐らせない為の俺の努力は、やはり無償奉仕に終わるのであろう。

ロバート・ラドラムのバイオレンス・アクション小説が原作である。ジェイソン・ボーンを主人公にしたシリーズは、ラドラムの80年代を代表する作品である。
筆者の高校時代、リチャード・チェンバレン主演で「暗殺者」が映画化されたこともあって、角川文庫で読んだものである。
主人公が記憶喪失の元CIAの凄腕工作員で、ボーンの過去を巡るミステリー要素がサスペンスを盛り上げるというエンターテイメントの要素がテンコ盛りの小説であった。
 ま、この手のシリーズ物の欠点としては、主人公が無敵の超人になっていく一方で、敵側の悪がスケールはデカいものの、段々にショボくなっていくのは仕方がない。
 (「最後の暗殺者」に至っては、ラス・ボスがアレじゃあ・・・)

「ボーン・アイデンティティー(身元・正体)」


 さて、映画の方であるが、出来の良い冒険活劇である。スリルとサスペンス、派手でスマートなアクションにロマンスと、エンタテイメントのお手本である。唯一、筆者の不満だったのは、ヒロインに魅力が無いことである。ま、いかにも女オンナしたヒロインが嫌われる時代のせいだろうが、男だか女だか分からないような魅力に乏しいヒロインのどこに主人公は惹かれたのだろうか?
 それとも、世間の、普通の女性レベルが筆者の知らない内にトンデモなく低下した結果、あの程度でも極上の美女ランクに昇格したとでも言うのか?
 
 ま、いいさ。
 
 この作品は、ボーン3部作の序章である。謎の主人公の正体の一端が明らかになったに過ぎない。マリーと再会したボーンではあるが、記憶は戻らず、トレッド・ストーンの実態も謎のまま。CIAは、このままボーンを放っておいてくれるのか。二人の行く末は、果たして平穏無事に過ぎて行くのだろうか?
 世界を股に架けたスパイ・サスペンス物のジャンルの映画だが、冒頭の嵐の海を航行する漁船の特撮、まるで現地でロケしたかのようなセット撮影や背景とのデジタル合成、ちょっとしか画面に映らない小道具にまで手間と金の掛け方が(時代考証に、多少の疑問はあるが)、いかにもハリウッドらしい。

「ボーン・スプレマシー(至高/主権)」

 マリーとともに逃亡生活を続けているボーン。そのボーンがCIAの作戦を妨害したという。身に覚えのないボーンは、事件の真相究明に動くのだった。
 さて、今回はCIAの切れ者パメラ・ランディーによるCIA内部の不正疑惑の究明も絡んで、ボーンの行動も複雑化している。
 やり手婆(ババア)・パメラのような女性が登場すると、組織に巣食う旧来の野郎どもが大人げなく描かれるのは仕方のないところである。
 まあ、実際、こんな女性は空想上の生き物でしかないのだが、保身の為にボーンに罪を擦り付けようとするアボットの卑小さが滑稽で、同じ男性としては、ボーンの置かれている状況なみに複雑な心境である。
 第1作では、細かなディティール描写に重点が置かれていたのだが、今2作目は現地ロケが多用されていて、さすがに破壊シーンはセット撮影なのだが、合成や編集が上手いのでリアリティーがある。カーチェイスのアクション・シーンが主体なので、銃器は登場するものの銃撃戦は少ない。ま、やたらに撃ちまくるのもスパイ・サスペンス物としては、どうかと思われるので良しとしよう。
 (序盤の、逃走するボーンたちのクルマを狙撃するシーンは眉唾だ)
 劇中登場する小道具としては、携帯電話の盗聴機や万能鍵、どいうわけか分解式にしたがる狙撃銃、見逃しがちだがボーンがネットで検索した新聞のスキャン画像が気になった。
 携帯電話のアドレス帳やメールを外部にコピーするのは簡単だが、SIMカードをコピーして(クローン携帯を作って)通話を盗聴するというのはアイディアとしては面白いのだが、電話交換機の仕組み上、実際には無理。素直に盗聴した方が早い。
 万能鍵に至っては、ホテルのドアであろうが、自動車であろうが、どんな鍵でも差し込むだけで瞬時に開錠するというのは電動ピッキング・ガンからの発想だろうが、鍵屋からマスター・キー(合鍵)を手に入れた方が早い。無線やカード・キーが普及した現在ではレトロなスパイ・グッズとしてのみ面白い。
 分解式のライフルで狙撃というのは、マンガの世界でも古生代の三葉虫なみの遺物。裏庭でのプリンキング(お遊び射撃)にもならない。ラミネート強化ガラスの窓越しに、0.22口径の豆鉄砲でどうするつもりだったのだろうか?
 ネットに転がってる新聞のスキャン画像なんてのは、新聞社のデジタル・アーカイブ版でも珍しい。滅多にお目にかかれない代物である。それに、大抵のアーカイブは、当たり前だが、有料ときてる。画面に映った記事の本文を全部読んだ訳じゃないが、見出しとその周辺だけは本物っぽくデッチ上げてるのには努力賞をあげたい。新聞社各々特有のフォントまで再現してたら殊勲賞だったのだが。
 さて、今作中、パメラはやたらに窓際に寄っているのだが、ベルリンで向かい側のビルから狙撃態勢で接触してきたボーンの指摘を受けても、相変わらず窓の外には無防備なままというのは、少々あざとい演出といえる。CIAは、諜報・防諜のスペシャリストのはず。諜報と防諜が一体であるなら、当然、自分らもまた盗聴・監視されてる事態は想定済みで行動すべきなんだが。
(窓ガラスの振動をレーザーで読み取る盗聴器とか、赤外線スキャナーで壁の向こう側を透視するとか、今や珍しくもない技術である。国や軍が宇宙探査に予算を付けているのは道楽ではない)
 ラストでボーンの本名が明かされ、次作へと繋がる伏線が張られる。前作から引き継がれた登場人物として作戦後方支援のニコレット(ニッキー)が、序盤で死亡したヒロイン・マリーに代わって、どんな役割を果たすのか?
 マリー役フランカ・ポテンテよりニッキー役のジュリア・スティルスの方が筆者の好みなので期待したいところである。

「ボーン・アルティメイタム(最後通牒)」

 ボーン3部作の完結編。ボーンの謎がすべて明かされる。
 モスクワでの騒動の後、ボーンが消息を絶って3年。CIAは新たなる作戦ブラックブライヤーに着手していた。しかし、英国のジャーナリストが、ボーンとCIAの計画に目を付けた。
 CIAは、極秘計画を外部に漏らした裏切り者と、それを白日の下に晒そうとするジャーナリストの抹殺に動き出す。一方、ボーンは記憶を取り戻す手がかりを求めて、そのジャーナリストと接触を図る。
 ボーンの登場によって、CIA長官直々にボーン抹殺が提案される。ボーンの存在が、そこまでCIAの計画遂行の邪魔になるものなのか?
 パメラ・ランディは、現在のCIAの活動その物に疑念を抱く。
 ジャーナリストを暗殺し、続いて裏切り者の処分にかかるCIA工作員。ヨーロッパでの手がかりが途絶えたボーンは、本国のCIAへ直接乗り込んで行く・・・

 さて、この手の謎解き物の最大の欠点は、どんなに大きく深い謎であろうと、その正体が明らかにされた途端、陳腐になり、色褪せて魅力を失うことだ。
 案の定、明かされたボーンの秘密とCIAの陰謀の幼稚さに溜息が出た。
 それにしてもCIAもボーンも、随分と回り道をしたものである。
 莫大な予算と時間をかけて優秀な暗殺者を育成して、やることはチンケな暗殺である。
 世界人口が60億を超えた時代(映画の時代設定当時)に、たかが要人の1人や2人を暗殺したところで何の得になろうというのだろうか?
 ポピュリズムの時代、その程度のインパクトで大きく変動する歴史など、世界人口1億そこらだった紀元前の帝国時代に終わってる。
(現代社会では、個人の存在価値は果てしなく無に近い)

 ボーンにしたところで、何年も逃げ回るくらいなら、さっさと敵の本陣に斬り込んだ方が手っ取り早かっただろうに。その上、逃亡生活や情報収集の役に立たない一般人女性のマリーを引っ張り回した挙句に死なせてるのだから、ボーンも罪な男である。
 今回のヒロイン、ニッキーにしても、記憶を失う前のボーンとのプライベートな関係は匂わせるものの、大した活躍もなく、ラストでTVニュースに嬉々とするところは、ようやくCIAの追及を逃れたボーンとの再会を期待して、ほくそ笑んでる様にも見えてしまう。
(そうだとしたら、せっかくのヒロイン昇格なのに幻滅だ。しかし、女の変装が、髪を短くし、黒く染めるしかないというワンパターンはどうかと思う)
 2作目では強烈な存在感を発揮したパメラも、今回は囮に使われたり、ボーンの御膳立てに終始したりとパッとしない。これもシリーズ物の法則で、段々にボルテージが下がっていくという宿命ゆえである。
 アクション・シーンも色々と凝ってはいるのだが、ストーリー展開に上手く絡んでいるとは言い難い。
 1作目からの連続性を活かそうというストーリー自体には工夫の跡が見られるのだが、如何(いかん)せん、時間と空間の移動に落差があり過ぎて唐突な印象が残る。
(数時間で英米間を移動するかと思えば、数日から数か月、或いは何年も経っているはずなのに、ボーン・CIA双方の状況にまったく変化が無いなど、時系列の整理整頓が下手で混乱する)
 パメラがボーンに伝えた誕生日を利用した暗号などは、考え過ぎだ。というより、事前に示し合わせておかない限り、成立しない符丁である。
(パスポートの記載内容や看板やクルマのナンバー、時計の示す時刻や棚に並んだ書籍やファイルのタイトルなど、画面に配置されたオブジェクトすべてを逐一チェックしなきゃ気が済まない貧乏性の筆者でさえ、ビデオで見返さなきゃ気が付かなかった。映画は、時間支配的なメディアなので、次々と流れ去っていくセリフや画面など、通常の観客は逐一記憶してなどいまい)
※ただし、これは原作に出てくるCIAの闇の武装組織『トレッドストーン71』(ニューヨークの71番ストリートにある建物の名前)からの転用である。
 今作では、スパイ物らしいガジェットは一切登場しない。ボーンの行動にしても目新しいスマートなアクションがある訳でもない。追っ手の側にも何の工夫もなく、のこのこ出掛けて行っては撃退される。チームで動いてるなら役割分担と連携プレーをしろ。
所詮、ボーンは1人、体も1つである。包囲攻撃には手も足も出ないだろうに。
 こうまで書くと、この映画をまるで貶(けな)してるように感じるかも知れないが、好きな女の子を前にして素直になれずに、ついイジメてしまう不器用な少年の恋心とでも言おうか。好きでなきゃ、こんな文章をわざわざ書く訳がない。
筆者がシナリオを書くなら、

(前半を端折って)CIAに乗り込んだボーンが力及ばず囚われの身になりつつ、だがそれは敵の組織に潜入する作戦だった。CIA内部に潜入したボーンは、次々と関係者の口を割らしていき、最後に己の正体に辿り着く・・・

建物内部でのダンジョン・サスペンスってのもスパイ物の醍醐味だろうに。

総論:

超エリート・スパイ、ジェイソン・ボーンが如何にして誕生したか?
始まりは、自ら志願したデビッド・ウェブ(夢見がちな乙女座)の若さゆえの自信過剰と純粋な愛国心の暴走だったのかも知れない。しかし、時代遅れな国際政治の暗部(アボットの言葉によれば”肥溜め”)に頭から飛び込み、全身汚物塗れの暗殺者として汚れ仕事に明け暮れた。
とある任務に失敗し、瀕死となり、記憶を失い、思い出さなくても良かった過去を自ら暴いた。
自業自得と言うより、自暴自棄の果てであるボーンには、安心して暮らせる明日など決して訪れない。自分から飛び込んだ生き地獄である。後悔したところで犯した罪から湧き出る苦悩は、彼が死ぬまで止むことはないのであった。アーメン。

※原作では、ウェブは妻と子供を殺された失意と復讐心から、組織の暗殺者となった。また、復讐を終えたウェブは、後に作った新しい家族の元へ帰って平穏に暮らすのだった。こちらのラストもなあ・・・

「ボーン・アルティメイタム」

 モスクワ警察に追われるボーン。右脚を痛め、左上胸部に受けた銃創の手当ての為、医薬局に侵入する。負傷に耐えながら警察と暗殺者に追われるボーンの脳裏に、失った記憶の断片がフラッシュバックする。

 CIAの調査報告会では、ベルリンで起きた事件の報告と逃走中のボーンの処遇が話し合われていた。

 ここ3年間、フランス、ドイツで相次いで起きたCIAスパイ疑獄事件を追う英ガーディアン紙のジャーナリスト、サイモン・ロス。サイモンは、事件の重要関係者としてボーンの行方を追っていた。

 ボーンは、マリーの兄の所へ現れた。兄に姉の死を伝え、彼女の復讐とすべての真相を暴く決意を露わにする。

 サイモンは、ボーンとの繋がりから、CIAが遂行するブラックブライヤー作戦を掴んでいた。そのサイモンを監視すべくCIAが動き出す。また、サイモンの記事を読んだボーンは、サイモンと接触を図るべくイギリスへ向かう。
 ウォーター・ルー駅で、サイモンと接触したボーンは、トレッドストーンの後継となるブラックブライヤーの存在を知る。だが、サイモンはCIAの掃除屋(暗殺者)に殺害され、ボーンは重要な手がかりを失う。

 抹消したサイモンとボーンが接触していたと知ったパメラ・ランディに、CIA長官から緊急命令が下る。パメラは、故コンクリンの後継者であるノアを率いてボーン追跡チームを指揮する。

 サイモンのメモから得た情報を元に、ボーンはサイモンの情報源だったCIA・マドリッド支局長ダニエルズのオフィスを訪ねる。時を同じくしてダニエルズの身柄拘束に来たCIA工作員と鉢合わせ、工作員たちを叩き伏せるボーン。そこへ、スペイン支局へ転属していたニッキーがやって来る。ニッキーから現在進行形のブラックブライヤーの実態、トレッドストーンとボーンの関係、そして二人の抜き差しならない緊密な関係を聞かされる。
 逃亡したダニエルズの追跡案内人を買って出たニッキーを連れ、ボーンはスペインを離れる。

 逃亡したダニエルズを追って、モロッコ王国・タンジール(タンジェ)へ向かうボーンたち。CIAもまたダニエルズを追っていた。
 現地のCIA工作員(掃除人)は、ボーンより先にダニエルズの潜伏先を突き止め、彼を始末する。続いて掃除人は、ニッキー暗殺へ移る。ニッキーを隠し、掃除人を追うボーン。
 ボーンは掃除人を倒し、二人(ボーン、ニッキー)は死んだという偽の報告をCIA本部に送る。ニッキーと別れたボーンは、ダニエルズの遺品を調べ、CIAの関与を確信する。

 イタリア国籍の偽造パスポートで米国へ入国したボーン。
(ギルベルト・デ・ピエント、1970年2月14日生まれ、父パオロ・母マチルダ。前作までに登場した偽造パスポートの生年月日と違う誕生日に設定されているのは何故であろう?)
 パメラは、ノアらブラックブライヤーに関わる者たちの行動に懐疑を抱き、独自にボーンと接触する機会を画策する。パメラの誘いの真意を知る為、パメラのオフィスへ電話を掛けるボーン。
 
(物語も中盤に差し掛かって、ようやく2作目のラスト・シーンとリンクする。つまり、ここまでが前作のモスクワでの行動の後、パメラと接触を図るまでの経緯ということだ。随分と長い前話回想だこと)

 ボーンと接触する為、外出するパメラ。ノアのチームは、パメラを追跡する。
 ノアのオフィスに侵入したボーンは、金庫から機密書類を奪う。書類によると、ブラックブライヤーとはトレッドストーンのアップグレードであり、NSAとCIAが手を組んで実行する計画であった。その計画でボーンは重要な鍵を握っていたらしい。
 ボーンがオフィスに侵入したと知らされたパメラは、東71丁目415番地へ向かう。

パメラが知らせたボーンの本名・デビッド・ウェブの生年月日197115日は、暗号だった。
(”415/71”フォーフィフティーンth・セヴニィワンと劇中では発音している。米国式に記述するとAPR/15/1971のはずだが・・・)
ウェブの真の生年月日は、1970年9月13日である。筆者が第一作目からボーンの誕生日に拘ってきたのは、こういう事だ。但し、映画は時間支配的なので、この手の暗号トリックは分かり難いかも知れない。日本語に翻訳してしまうと尚更、意味不明になる。

 トレッドストーンの訓練施設ジョンストン・メディカル・センターへ向かうボーン。数々の追跡を振り切って到着したボーンを待ち構えるパメラ。ノアの金庫から奪った書類をパメラに託し、ボーンは自分の過去を取り戻しに行く。
 訓練所の責任者アルバートから、デビッド・ウェブがボーンに生まれ変わった経緯を聞かされる。
(ドッグ・タグの刻印によると、ウェブは、登録番号829 63 1204、血液型O型Rhマイナス、宗教はカソリックとある)
 抹殺指令を受けた掃除人に追われ、屋上に逃れるボーン。追って来たノアに撃たれ、ボーンはビルの屋上からイースト・リバーの川面にダイブする。
 その後、公聴会で証言するパメラ。
 CIAのスキャンダルを報道するTVニュースを逃亡中のニッキーは目にする。ブラックブライヤーに関わったCIA長官や実行担当者(ノア)らの状況。ニュースの最後でボーンの生死は不明と知り、ほくそ笑むニッキーであった。
 ボーンは、今も何処かで生きている。

「ボーン・スプレマシー」

 細切れの記憶の断片がが入り混じった悪夢に悩まされるボーン。
 ここはインド、ゴアの町。ベッドで同衾していたマリーも目覚め、ボーンを気遣う。フランス、パリでの件から2年経ったが、ボーンの記憶は未だ戻らず、断片のままである。
 その頃、CIAのドイツ派遣チームは、ベルリンで2重スパイの手がかりを手に入れるべく行動していた。だが、情報取引の現場では別の陰謀が同時進行していた。何者かによってCIAの取引は台無しにされた。取引を邪魔したのは、一体、何者なのか?

 インドでボーンを探しているロシア人の男。
 追っ手の気配を感知したボーンは、マリーと再び逃亡を図る。だが、逃走の最中、ボーンは辛うじて生き残ったが、マリーは死亡する。
 ドイツでは、引き続きCIAは取引を邪魔した者を捜索していた。現場に残された指紋から、トレッドストーンの名が浮かび上がる。ドイツ・チームの責任者パメラは、CIA本部へ向かう。CIA本部でパメラはトレッドストーンの情報へのアクセスを求める。パメラは、資料から抹消されたコンクリンと繋がりのあったアボットに詰問する。
 報告会の席上でパメラは、7年前、ロシアで発覚したCIA活動資金の不正疑惑から2重スパイの存在を疑い、その手がかりとなるベルリンでの情報取引をボーンが邪魔したのではないか?、と推測する。ボーン追及が始まる。
 インドを離れたボーンは、地中海経由でヨーロッパへ戻る。
 イタリアに入国したボーンだが、入国管理局(入管)に勾留される。事情聴取に訪れた在イタリー米国領事館所属のレギンスは、CIA本部から連絡を受け、ボーンを殺害しようとする。反撃するボーン。
 レギンスの携帯電話のメモリとSIMカードをコピーし、ボーンは入管を脱出する。ボーンの身柄確保に失敗したCIAは、彼の抹殺を決めた。パメラ、アボットの両名は現地へ派遣される。
 ボーンは、レギンスの通話を盗聴し、ベルリンへ向かっていた。

 2年前、フランスでコンクリンの部下として働いていたニコレット(ニッキー)。
 ボーン追跡チームは、オランダに派遣されていたニッキーを聴取し、今回の件にアドバイザーとして加わるよう命令する。
 CIAベルリン支部に到着した追跡チームは、ボーンの行方を追う。一方、ボーンは、ドイツ・ムニクに潜伏中の元トレッドストーンの工作員の自宅で、彼の帰宅を待ち伏せていた。
 工作員を拘束し、尋問するボーン。だが、大した情報は得られず、反撃に移った工作員と格闘した挙句、工作員を殺害。その場から逃亡するボーン。
 ベルリンに入ったボーンは、ベルリン駅の公衆電話から市内のホテルに電話を掛けまくり、パメラの宿泊先を突き止める。
 ホテルに滞在中のパメラを捕捉し、彼女を尾行するボーン。ベルリンでのCIA活動拠点を確認したボーンは、向かいのビルの屋上からパメラをライフルで狙う。
 電話を掛け、パメラと直接交渉する。連絡係としてニッキーを迎えに寄こせと要求する。パメラのチームは、ダイレクトにアプローチしてきたボーンへの対処に大騒ぎとなる。
 ボーンは、ニッキーと接触し、CIAの現在の状況とトレッドストーンの情報を詰問する。
 CIAですら把握していなかったボーンの過去の任務。それらとトレッドストーンの関係。ボーンを取り巻く謎が、さらに深まっていく。
 またしてもボーンを取り逃がしたパメラ・チーム。パメラの追及に水を差そうとするアボットの不審な行動。
 ニッキーを尋問した際に思い出しかけた記憶を辿って、ボーンはCIAの記録に残されていない過去の任務の足跡を辿る。
 指名手配を受けてベルリン警察もボーンを追うが、ボーンは追及を逃れ、アパートに帰宅したアボットに詰問する。ボーンが手がけた過去の任務。ボーンの仕業とされた最近の事件。それらの首謀者がアボット自身であったとの証言を得て、ボーンはロシアへ向かう。
 アボットは自殺し、彼の証言録音から今回のベルリンでの事件の真相を知ったパメラ。
 
 ボーンは、7年前の任務の事情を遺族に伝える為、モスクワ入りした。ボーンのモスクワ来訪を聞きつけたCIAと繋がりのあるロシアン・マフィアの手配によって、ボーンはマフィアの殺し屋とモスクワ警察から追われる。
 地元警察の追跡から逃れつつ、殺し屋を倒したボーンは、暗殺を心中事件に偽装したロシア外交官夫妻の遺族である少女に真相を伝え、ボーンは何処ともなく去った。
 CIA内部の裏切り者(アボット)とその証拠を得た功績で、パメラはCIAの重要ポストに昇進していた。そして、依然としてボーンの行方を追っていた。ある日、パメラのオフィスにボーンから電話があった。
 ボーンに謝罪と感謝の意を示し、パメラは彼に”「デビッド・ウェブ」1971年4月15日ミズーリ州ニクソン生まれ”というボーンの本名を伝えるのだった。

「ボーン・アイデンティティー」


 銃創を受け、地中海を意識不明で漂流していた記憶喪失の男が漁船に拾われる。手当てを受け、目覚めた男は暴れるが、船医に宥められ、質問されるが答えられない。
 男は、記憶は失っているが、ステベドアノット(艤装などで使われるロープの結び方)が出来るし、イタリー語が流暢に話せ、読み書きもできる。船が港に着き、船医の厚意を受けて、男はスイスを目指す。
 チューリッヒに辿り着き、深夜の公園のベンチで寝ていた時、パトロール中の警官2人に職質を受けてドイツ語も喋れることに気付く。さらに一瞬で警官たちを昏倒させ、相手の銃まで奪い取る格闘術も身に付けていたのだった。公園から逃げ去る男。

 その頃、米国国家安全保障(NSA)の幹部会では、フランスに亡命中で暗殺されそうになったアフリカの元・独裁者バンボージーに関する会合が開かれていた。会合の後、バンボージーの件と関係があるらしい計画がCIA内部で行われていたことを示唆される。その計画の名称は、トレッド・ストーンと言うらしい。フランス活動の責任者コンクリンと上司のアボットの確執が滲む。

 謎の男は、夜明けを待ち、唯一の手がかりである銀行の貸金庫の預け荷物を検める。荷物の中身は、変装用のカラー・コンタクトや付け髭、クレジット・カード(マスター、アメックス)や航空会社(エール・フランス)のマイレージ・パス、クラブの会員証、ルミノックス・チタニウムの腕時計、ツール・ナイフ、リチウム電池や充電バッテリー、USBメモリ、ボールペンやサインペン、コード・ロックなど雑多な小物。パスポートの束。その中の米国パスポートの記載から、米国籍で1969年8月21日生まれ、ニューヨーク市出身のジェイソン・ボーンと知れる。パリ市警の外国人登録証では、発行は1988年10月10日とあるので、いずれにせよパリに住んでいたらしい。さらに荷物の中には、銃と複数各国のパスポート名義は、ジョン・マイケル・ケーン(”ケイン”、写真の髪や目の色はボーンと違うが誕生日は同じ)と各種の現金の札束。

(銃はSIG-SP2009か? すると舞台設定年は、2000年前後。10年以上有効なヴィザなんて聞いたことがない(用箋もピンク色だし)。小道具担当のミスか、SIG ARMS買収直後のSWISS ARMSの宣伝介入があったか)

 銃と予備弾倉以外の荷物を持って銀行を立ち去るボーン。その様子を見張っていたCIAの諜報員らしき男。
 銀行を出たボーンをチューリッヒ警察の警官たちが追う。米国領事館へ入ってスイス警察の追っ手を逃れたボーンだったが、大使館内にもボーンを捕獲しようとする者たちがいた。お得意の格闘術やスマート(小賢しい)な逃亡術を駆使してボーンは最上階の非常階段から建物の外壁伝いに路上に降りる。
 先程、ロビーの窓口で揉めていた女性を見つけ、彼女の車でパリまで送ってもらえるよう交渉する。
 手付け、成功報酬・合計2万ドルの誘惑に負けた女性・マリーの協力を得てボーンはパリへ向かう。一方、CIAは、ボーン追跡の為に潜入工作員を総動員するのだった。また防犯カメラの映像分析から、コンクリンは、ボーンの協力者となったマリーにも捜査の目を向けるのだった。
 記憶を失っているボーンは、逃亡しながらも自分の正体を確かめるべく行動していた。パリのアパートに着いたボーンは、記憶の手がかりを探す。
 電話のリダイヤル機能で、パリ市内のホテルに掛けていたことを知る。そのホテルに宿泊していたのは、パスポートの別名義、ジョン・マイケル・ケーンであった。ジョンは、2週間前に交通事故で死亡しているという。
 その時、アパートが襲撃される。武装した襲撃者を撃退するボーン。襲撃者は、マリーの資料も持っていた。尋問しようとするボーン。しかし、襲撃者は窓から飛び降り、自ら口を封じた。ボーンは、マリーを連れて、さらなる逃亡を始めるのだった。

 ボーンを追うコンクリンに、パリの情報員から、交通事故で死亡したジョン・マイケル・ケーンの死体が替え玉だと見抜いたバンボージーの行動が伝わる。
 CIAに挑戦する決意を固めたバンボージーだったが、CIAの工作員によって狙撃され死亡する。コンクリンの独断専行に、ボーンは利用されていたのであった。果たしてボーンの正体は? トレッド・ストーンとは、一体、どんな計画なのか?

 ケーンの線から過去の手がかりを探すボーン。その頃、CIA・コンクリンによるボーン追跡は、抹消に切り替わっていた。
 先日、暗殺されたバンボージーに関係あるらしいと見当をつけたが、パリ警察にもマリーともども指名手配書が回っていた。
 逃亡を続けるボーンたち。一晩の宿をマリーの友人に借りる。そこへ現れるCIAの掃除人(暗殺者)。マリーと、マリーの友人家族を守る為、ボーンは暗殺者を迎え撃つのだった。
(トラップ射撃用の散弾銃でライフルと対決するという無茶な対決もだが、ボーンの接近に気付かない暗殺者ってのも間抜けだ)
 暗殺者の死に際、トレッド・ストーンの存在を知らされるボーン。
 マリーと別れ、ボーンはトレッド・ストーンを追求する。暗殺者の所持品にあった携帯電話で、トレッド・ストーンの責任者コンクリンとパリで待ち合わせる。待ち合わせ場所に現れたコンクリンを確認し、ボーンはコンクリンを尾行しアジトを襲撃する。
 尋問したコンクリンから事のあらましと自分の正体を知ったボーンは、CIAからの離脱と逃亡を宣言するのだった。それでもボーンを追おうとするコンクリンだったが、本国のCIA本部のアボットはコンクリンを抹消し、トレッドストーン計画を打ち切った。
 依然、記憶喪失のままのボーンだったが、CIAの追及からは、ひとまず逃れられた。
 海辺のカフェ・テラスでレンタル・バイクの店を開いたマリーの元へ現れたボーン。再会した二人は固く抱き合うのだった。
長らく、ご無沙汰のブログ更新である。
1年以上放置している間、一体、俺は何処で何をしていたのだろうか?
俗世間を離れて、イラストと小説を綴る日々である。
ついでに、こちらも工事中で放置していた別サイトのホームページのリニューアルに取り掛かっているのだが、これがまた難儀でならない。
過去に書いた記事を1本整理する間に、新しい記事が数本乱立するのである。
一歩前進・六歩後退。差引、五歩後退してるので、一向に整理が捗らない。
文章を書く間を縫って、イラストも描いてるので、これまた時間だけが無心に過ぎていく。
と、ボヤいていても仕方ないので、映画鑑賞文をまとめて3本分、上げておく。

わかっているのさ
何もかも・・・

はじめは微塵も悪意など無かったはずなのに
いつしか誰もが憎み 憎まれる

心の奥底に押し込めた小さな憎悪の積み重なりが、
ほんの些細なきっかけで大きな破局を生むことも

わかっているのさ
ただひとり荒野で孤独に生きれば 誰も憎まずに済むことは

わかっているのさ
そんなこと、できないってことは

わかっているのさ
幸福も不幸も裏表でしかないことは

わかっているのさ
いつか自分だって死ぬことは

わかっているのさ・・・

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いつの間にか旧年が暮れ、新年もとっくに明けていた2月最後の晩。
特に更新するネタも無いので、鑑賞文でも書こうかとビデオ・コレクションをひっくり返し、「クラッシュ(2004年)」を見返した。
観ながら取ったメモを見返して、頭に浮かんだのは気の利いた鑑賞文でもなければ感想文でもなく、何やら意味不明の詩とも詞とも区別のつかない文言の断片であった。
今の世界情勢が直面している危機とは、瑣末な行き違いや誤解、将来への不安や恐怖、吐き出す場の無い怒りや募る一方の苛立ちから発しているのではなかろうか?
わかっちゃいるけど、どうにもならない鬱屈を抱えて、ヤケクソになったり、自堕落になったり・・・、救いの無い状況に直面しても、言葉を失い、ただ何もできず立ち尽くすしかない。
何とかならならないものか? 何とかしなくちゃいけない!
みんな、わかってるのさ、そんなことは・・・