アーノルド・シュワルツェネッガー
出世作のリブート(再起動)作品
アメリカでは批評も興行も芳しくない今作
ハッキリ言って未だにシュワちゃん、シュワちゃんって騒いでるのって日本だけじゃないですか?
カリフォルニア州知事になり、いずれは大統領かって話にまでなっていたのに、プライベート問題が明るみに出てパブリックイメージはガタ落ち
それならと俳優に戻ってはきたものの、お得意の(それしかできない)筋肉バカ映画はもはや過去の遺物で
使い捨て軍団、エクスペンダブルズに入団するもお笑い担当
そんな人が人気復活をかけて藁をも掴む気持ちで出演した今回のリブート作品
ターミネーター1では戦慄と恐怖のT-800
ターミネーター2では頼もしさとカッコよさのT-800
そして、今回のリブートはギャグオンパレードのT-800
そりゃ誰も評価しないし、観に行く気にならないでしょ
"アイルビーバック"
もはや一発屋さんのギャグですよ
とにかく終始自虐ネタで笑わせようとするんですが、失笑レベルのネタばかりなんですよね
てゆーか、T-800にそんなこと求めてない!
これではさすがのアクセルも
「Arnold for you 」とは言えません
でもね、この映画のダメなとこってそれだけじゃないんです
タイムパラドクスの矛盾なんて無視どころか、矛盾の上塗りを繰り返して、もはや何がどうなってるかさっぱりわからなくなります
そもそも、まだ産むどころか"合体"すらしていないのに、明らか自分より年上の男がいきなり現れて何か特別な感情って抱けるんですかね?
(母さん、ジョンって言いながら抱き合ってましたが)
そして本来、ターミネーターにおける審判の日は1997年という設定なんですが
矛盾の上塗りの影響で2017年に変更されます
これって単純に1997年のロケーションを作るのが面倒くさかったとしか思えないんですよね
2017年だとまだ1年半後だから今のままでロケができますもんね
他にもターミネーター2から24年も経ってるのに映像的進歩がはほとんど見られない
T-1000の見せ方なんて何も変わってないし
最強の敵のハズのT-3000もそれに毛が生えた程度の描写でしかないんですよね
あと金門橋の使い方も酷い
新鮮さの欠片もありません
わざわざあの橋を使った意味はなに?
過去に散々使われてきたロケ地をあえて使うなら何か斬新なことをして欲しいです
一瞬でカイジュウが壊してしまうとか
猿たちが雲梯していくとか
とにかくね、普段映画を観ていてガッカリするような設定やシチュエーションのオンパレードなんですよ
言ってしまえばダメ映画の決定版のような感じです
本体(中枢)を倒したら全てのロボットが停止する
見飽きましたよ
緊迫しているはずなのに
一刻の猶予も許さないはずなのに
主人公とヒロインが語りだす
その度にお話が停滞する
ほんまはよせぇ!って
さっさトドメをさせばいいのに
見下しながら口上かましてる隙に反撃のチャンスを与える
プロレスですよ
演者に銃が扱えたり戦闘ができたりする説得力がない
T2のサラ・コナー(リンダハミルトン)は実際に鍛え上げた肉体があったからこそ女戦士たる説得力がありました
今回の小さくてむちっとした可愛らしい女の子がサラ・コナーっていうのはちょっと入り込めません
サラにしては可愛すぎます!
(初めて予告を観たときはまさかサラとは思いませんでした)
ブラック・ウィドウ演じるスカジョには肉体的ハンデを補ってあまりある目力がありますからね
敵の攻撃が全部運よくハズレまくる
顔の横ギリギリを素通りして刺すって逆に難しいよ
あの距離で仕留めらない殺人ロボットってもはや欠陥品でしょ
"実は終わってませんよ"
をラストに一瞬見せる
手垢付きすぎやし
そもそもこんなんで次を作る気ですか?
ほんと挙げだしたらキリがないんですが、久しぶりにお金をかけたダメダメな洋画を観たような気がします
これまで邦画に対して呈してきた苦言がまさか、まさかこの作品でって感じです
ほんとうにジェームズ・キャメロンはお墨付きを与えたのでしょうか?
ほんとうにこんなターミネーターでよかったんでしょうか?
僕には疑問しか残りませんでした
あとね
過去作を観てない人への作りもほんとに酷かった
観てたら楽しめる、ならまだしも
20年以上も前の作品を観てることが大前提で作っちゃ駄目でしょ
アベンジャーズがいかに親切かがよくわかりました