有名漫画原作の実写化
監督は鬼才(この表現もどうかと思う)
園子温
なんだかおかしなセリフばっかりだなと思って見てた予告編
「俺はいずれこの街を仕切る男だ」
「歌舞伎町のオンナならね、カッコよく生きな」
「この街で生きて行くにはお前は優しすぎるよ」
「この女はシャブ漬けなんだよ、骨の髄までな」
「今日からお前は俺のダチだ」
恥ずかしいですね
ダサいですね
いつの時代なんでしょうか?
さて、このまま普通にやると貶すだけで終わってしまいそうなので
少し誉めどころを
僕は原作をほとんど読んだことがありません
それでも物語の導入はスムーズだったし、登場人物のキャラ設定も分かりやすく
原作をほとんど知らなくてもそれぞれの役割や人物描写はちゃんと伝わりました
恐らくそれは演出よりも役者力が大きいとは思いますが...
ほんと役者さんは実力派ばかりで、みなさんハマっていてカッコよかったと思います(一部を除く)
ただね、代わり映えしないんですよ
知ってる人たちばかりで
逆に言えば「そりゃそうだろな」と
僕は
園作品の最大の良さって新人発掘や
日陰に陽を浴びせるキャスティングだと思っているので
今回、主要キャストを見た時に
これでいいの?
とは思いました
そりゃ初めての他人脚本で
製作委員会から言われるがままの雇われ監督だから、自分の思い通りにできない中での挑戦だったのかも知れません
だから冒頭お馴染みの
"A Sono Sion s Film"
も出てきません
でもね、終わってみればそれが言い訳のようにしか見えなかったんですよね
製作委員会の言いなりだろうが
脚本が悪かろうが
全ての責任は監督にあるんですから
責任を取るのが監督の仕事なんですから
ここから取り戻すには並大抵のことでは無理じゃないのかな?
この後も、新作公開が続々と控えていますが、よほどの快作が産み出されない限り拭えるものではないとは思いました
とにかく
終始、安っぽいドラマを見ているようでした
絵本のくだりなんて恥ずかしすぎて思わず早送りしたくなりましたよ
いくら人を沢山見てきと言っても、あまりに優れすぎた洞察力
胸のGPSのくだりはもはや超能力
まあ、残念ながらそこまでのママに見えないのが説得力を多いに欠いた部分でもあるけど..
薬描写もね
宙を見つめて笑ったり、極度に寒がったり
ビール瓶は粉々に砕けないことぐらい今は誰でも知ってますよ
ほんとね、いつの時代のドラマだよって感じの描写ばかりだし
落ち込んで街を歩くくだりもね、ほんと見てて恥ずかしいだけで
終始
「やめてくれー」の連続で
これ以上は
こんな感じになりますが
それでも一言モノ申したいのは
喧嘩描写
やはり、そこは人一倍五月蝿いんでね
まず映画冒頭、主人公がボコボコにしばかれて、顔は腫れて、口の中血まみれになって
その後、口一杯にごはん掻き込むんシーンになるんですが
まぁ、あり得ないですよ(笑)
おそらく焼きサンマかなんかだったと思いますが、そんなもん口に含んだらまずは激痛との戦いですよ
そんな感じでいきなり「おいおい」と思ってたら
その後出てくる暴力、喧嘩描写はタメ息が出るほどに退屈極まりないものでした
特にボーリング場のタイマンは辛かったですね
どういう演出意図かは分からないですが、あの体で脱いでもなんの説得力も迫力もないですよ
ちょくちょく他の映画でも見かけるので、フツーにゴツい系の役者さんかと思ってたら、まさかの元本職だと知ってビックリ
ちょっと技量が低すぎじゃないですか?
迫力も緊迫感もない終始もたついたバトルを見ながら
これは前作"TOKYO TRIBE"でも感じたことですが
、僕のなかでこの人は格闘アクションを撮るのがあまり上手くないのかなぁって結論になりました
さて、次作は
"ラブ&ピース"
脚本、園子温の怪獣特撮映画です
主題歌に【スローバラード】を使ってるんだから失敗は許しません