10問7問は正解だったはずの精神医学特論/石丸先生がE評定(政治的理由で貴様には単位はやらん)だった事にもめげずに、さっき放送大学大学院の修士全科生の院試にアプライしました。研究計画書は従前のを全くイジってませんが、書類選考は一回通っているので大丈夫でしょう。


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研究計画書(遠山玲央)

・志望動機:

 何の変哲もない自身の恋愛遍歴にも古典文学から現代政治学まで様々な学術的論理が応用されており、もしかしたらこれは恋愛事象(love affair)一般に見られる現象なのではないかというひらめきがあった。それらを統合した究極の学問としての恋愛学というものが生起され得るのではないか、という感触である。

・主題:恋愛の機微

既得の知識を機能的・複合的に活用し、恋愛の機微に関して研究を物したい。恋愛には万国共通の作法と各国独自の作法があると考えられるが、私の研究では万国共通のマクロでグローバルな視点を維持しつつ、およそ人間個人にとって恋愛とはどういった物であるのかについて分析し考える事になるだろう。そのためには記録に残る膨大な量の恋愛の機微について、客観性を帯びた主観と主観的客観の間で揺れ動く恋心を捉まえ恋愛という現象を解明する事が肝要であると考える。

恋愛というものは言葉を手段とした恋愛と、言外に込めた思いというものを主な手段とする恋愛に大別されると解する。普段は言外に置かれ言葉にならない「声なき声」について学術的論理的な分析を加え、言葉にしていく「恋愛の言語化」を対象とした研究経路が恋愛というもののメカニズムを明らかにする上で最も効率的かつ不可欠であると考える。無論、学問的研究対象として恋愛を分析する上では言葉をメインテーマに選ばざるを得ないが、そうした言葉が言語化する段階の分析において、私の独自研究とそれに費やした言語的センスとエネルギーは有益に作用すると思われる。


・具体的学習計画

 私見では、ギリシャ語は思想及び政治・ラテン語は政治及び法律・日本古語は恋愛・数式は心理の動きを語らしめるのに最適の言語である。研究に必要な各言語のスキルを向上させるために貴学プログラムはペースメイクにも効率的で意義あるものだと考え、今回研究科を受験するに至った。

 恋愛は各言語各次元の論理や感性を取り込みながら行われるため、その現象展開の分析にはあらゆる学問を学際的に横断した総合的知識とそれらを時宜に応じて活用出来る天才的機転が要求される。言うなれば、恋愛とは人類最古にして最大・最重要の研究対象に他ならない。

 例えば「恋愛は戦争と同じように、始めるのはたやすいが止めるのは困難だ(メイケン)」と形容されるように、恋愛は戦争に擬せられる事がしばしばある。恋愛が戦争の分析に関わる論理を動員するならそれを分析するために戦争の分析に掛かる論理を動員する事が我々には許されるはずである。さらに「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である(クラウゼヴィッツ)」という言葉もあるように、戦争の分析をする際に政治力学の論理的分析は不可欠である。しからば恋愛の非限定性・無秩序性に対抗するために、我々が政治力学を動員する事は学術的に正当化されると考える。

 新しい時代に俎上に上ってくる「恋愛という暴れ者を完全に学術的認識下に置く事」という学術的命題を実践する中で世界平和のハウツーを明らかにする事が本研究の最終目的である。そのための橋頭保・一里塚として、前期修士課程では下記参考文献を参照しながら古典語と数学を重点的に学習しあらゆる分野の知識を総点検した上で、修士論文の執筆を行う。

・参考文献

 ギリシャ語の学習には「ギリシャ語読本/高津春繁」「ギリシャ語文法/同」「ギリシャ語四週間/古川晴風」及び希仏辞典・希英辞典などを、ラテン語の学習には「ラテン語法格言辞典/林信夫ら」「ラテン広文典/泉井久之助」「古典ラテン語文典/中山恒夫」及び羅仏辞典・羅英辞典などを、日本古語の学習には「角川ビギナーズ・クラシックス」などを、数学の学習には「大学院への数学」「現代の量子力学/堀田昌寛」などを、政治学の学習に関しては「History of the Russian Revolution/Leon Trotsky」「diplomacy/Henri Kissinger」「War and Pease/Leo Tolstoy」「Jack Ryan series/Tom Leo Clancy」「Politics among nations/Hans Morgenthau」「Homo sacer/Giorgio Agamben」「History of Political Philosophy/Leo Strauss」などを用いる。