試験勉強しないで平均点を取る技術
まえがき:司法試験予備試験不合格
2018年5月20日、私は司法試験予備試験一次択一試験を受験した。ほぼノー勉(全く試験勉強してない状態)だったのだが、結果は民法と刑事訴訟法を除いた全教科で平均点を獲得した(当然不合格)。 そこで私は、私が学生時代から培って来たこの「ノー勉で平均点を取る技術」について本を書くことにした。この本を試験に悩める全ての学生に捧げたい。 なお、この本に書かれていることを実践しても資格試験合格は保証できない。学生生活を最大限エンジョイしつついかに落第せず平均点をマークするか、という事がこの本のメイントピックである。
1、授業中は真面目にノートを取る 授業中は当然真面目にノートを取る。自慢ではないが中学から大学まで授業中寝たことはない。さらには先生の口から漏れる言葉を全てノートする勢いで記録していたため、授業が終わるとヘトヘトになる事もしばしばであった。当然、試験には役立たない情報が満載されているノートが出来上がるため、試験前に見直す気にはならない。
2、生活をエンジョイする 部活やサークルや趣味などに時間と体力と精神力を割く。では、いつ勉強するのか?その答えは次項だ。
3、バカみたいに本を読む 例えばたった今の私のkindle書架を列挙してみよう(日本語のみ)。ちなみにほぼ既読である。
文学
アイスキュロス全集、赤と黒/スタンダール、悪霊/ドストエフスキー、阿Q正伝/魯迅、アンティゴネー/ソポクレース、イリアス/ホメロス、失われた時を求めて/プルースト、Xへの手紙/小林秀雄、オデュッセイア/ホメロス、女の一生/モーパッサン、カラマーゾフの兄弟/ドストエフスキー、吉里吉里人/井上ひさし、グレート・ギャッツビー/フィッツジェラルド、細雪/谷崎潤一郎、真田太平記/池波正太郎、三国志/吉川英治、諸葛孔明/陳舜臣、神曲/ダンテ、戦争と平和/トルストイ、千夜一夜物語、全訳源氏物語/与謝野晶子訳、動物農場/オーウェル、ドグラ・マグラ/夢野久作、白鯨/メルヴィル、ハムレット/シェイクスピア、非攻/魯迅、ファウスト/ゲーテ、俘虜記/大岡昇平、マクベス/シェイクスピア、モンテ・クリスト伯/デュマ、リア王/シェイクスピア、ルバイヤート/オマル・ハイヤーム、レ・ミゼラブル/ユーゴー
哲学
アンチ・オイディプス/ドゥルーズ、意志と表象としての世界/ショーペンハウアー、エティカ/スピノザ、重力と恩寵/ヴェイユ、純粋理性批判/カント、善の研究/西田幾多郎、精神分析入門/フロイト、千のプラトー/ドゥルーズ、創造的進化/ベルクソン、ソクラテスの弁明/プラトン、存在と時間/ハイデガー、ツァラトゥストラ/ニーチェ、哲学/ヤスパース、死に至る病/キュルケゴール、人はなぜ戦争をするのか/フロイト、廣松渉哲学論集/廣松渉、プロタゴラス/プラトン、法の哲学/ヘーゲル、自省録/マルクス・アウレリウス、メノン/プラトン、形而上学叙説/ライプニッツ、論理哲学論/ウィトゲンシュタイン
数学
完全独習量子力学/林光男
政治学
アメリカのデモクラシー/トクヴィル、菊と刀/ベネディクト、饗宴/プラトン、共産党宣言/マルクス、共同幻想論/吉本隆明、君主論/マキアヴェッリ、国際政治/モーゲンソー、国体論及び純正社会主義/北一輝、国家と革命/レーニン、社会契約論/ルソー、三酔人経綸問答/中江兆民、人口論/マルサス、政治の世界/丸山眞男、大衆の反逆/オルテガ、超国家主義の論理と心理/丸山眞男、帝国主義論/レーニン、統治二論/ロック、二十世紀の怪物/幸徳秋水、人間不平等起源論/ルソー、フランス革命の省察/バーク、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/ウェーバー、保守主義的思想/マンハイム、ユートピア/モア、ルイ・ボナパルトのブリュメール18日/マルクス
法学
行政書士のための行政法/行政書士連合会中央研修所、行政書士のための要件事実の基礎/行政書士連合会中央研修所、国際私法/中西康・北沢安紀、国際私法判例百選/別冊ジュリスト、国際法判例百選/別冊ジュリスト
宗教
コーラン/井筒俊彦訳、聖書、般若心経/中村元・紀野一義、ローマ書講解/バルト
軍学
失敗の本質/戸部良一、孫子/孫武、第二次世界大戦/チャーチル、六韜/守屋洋訳
歴史学
後生への最大遺物/内村鑑三、世界史モノ事典/平凡社、代表的日本人/内村鑑三、茶の本/岡倉覚三、日本史モノ事典/平凡社、日本の歴史をよみなおす/網野善彦、武士道/新渡戸稲造、明治という国家/司馬遼太郎、もういちど読む山川日本史/五味文彦・鳥海靖、もういちど読む山川世界史/五味文彦・鳥海靖、歴史/ヘロドトス、歴史/トゥキュディデス
その他
森の生活/ソロー、いきの構造/九鬼周造、ギリシア・ローマ神話/ブルフィンチ、種の起源/ダーウィン、遠野物語/柳田国男
これらの本をiPad片手に暇さえあれば再乱読しているわけだ。
4、試験直前には全く関係のない分野の学習を行いリフレッシュする。
例えば司法試験予備試験一次択一前に私が重点的に学習したのは、上掲「完全独習量子力学/林光男」と「ラテン語法律格言辞典/柴田光蔵」であった。
要するに私の「ノー勉で平均点」という技術は、知的総合力・思考体力を普段から極限まで鍛えておき、取り込んでいない知識について試験会場での閃きに掛けるという手法である。
5、終わりに
平均点を取る事は受験には役に立たない。しかし、生き方として平均点を取る事は非常に重要な処世術である。私が学生時代を通じてほとんど勉強せずに平均点を取ってきた事は、その後の私の生き方に大きな影響を与えている。