ロシアの提案したシリアの化学兵器の国際管理化は軍事的実態としてまず不可能であるが、シリア政府がそれを支持した事についてはシリア政府の主観を確認できた事で一定の評価をしたい。

EUと中国がそれを支持した事については、同案が政治的解決の一つの方途として支持し得るに過ぎずシリア情勢を好転させるだけのインパクトはない事を両国が認識しているのが疑問符が付く。

アメリカによる軍事力行使の勢いを削ぐ効果があったが、シリア・アサド政権の軍事力がシリア国民に向けられている状態を少しでも改善しようとする私の圧力をロシアは理解していない。

軍事介入を断念する事はオバマ大統領の専権事項であるが、「議会承認後に総合的判断で武力行使を断念」が彼のアメリカ政治的威信にとり最もプラスである事はアドバイスしておく。

ロシアの提案は政治的実態が伴っておらずセンスしかない。EUは軍事的実態に対する認識が甘い。中国はセンスがない。アメリカは軍事力の効果的な使い方を模索している。フランスは専ら国連工作。

結論:これがここ百年のグレートゲームの現実だ。

jleo