「戦争文化論/マーチン・クレフェルト」の上下巻を読了した。

戦争に集約され戦争から派生する人間の文化について歴史を縦横に渡りまとめた本であるが、個人の戦略の観点からは全く無益な読書であった。

歴史は戦争を記録するが、戦争ばかりが人間の文化ではない。戦争論を物す者が陥りがちな「人類とは戦争するものである」的な罠にこの本の著者も見事にはまってしまっている。手前味噌で視野の狭い価値観であると言わざるを得ない。

人間の精神生活は外面に現れる合理では推し量れないものであり、真に思想を繰る者は戦争に現れる合理だけでなく平和に現れる不合理をも許容し分析しなければならない。戦争論者はそれを放棄している点で非難されなければならない。

結論:私は「平和戦略家」となる。