「孫子」を読了した。

「兵を経るに道天地将法の五事を以て其の情を索む」「善く兵を用いる者は必ず全きを以て天下に争う」「兵を形わすの極みは無形に至る」等、私が戦時に実践している事ばかりである。

ただ、第三編第一項「戦わずして人の兵を屈するは善の善なり」について「痛みを伴わない勝利は善ではない」のではないかなどといった疑問が湧き、細かい点については肯定出来かねる箇所も見受けられた。

また、孫子は軍略思想家であるが私は何の思想家なのだろうかという疑問も沸いたが、私は私的領域に還元される「日常の潤い」こそが至上の価値であるという立場であり、先の大戦での我が邦の勝利もそのためにあると考えるという意味では孫子とは相容れないものを感じる。

私は軍略思想を相殺する限りで戦略思想家であり、さしずめ「カウンターストラテジスト」といったところであろう。

jleo