「帝国/アントニオネグリ・マイケルハート」を読了した。

引用部分は「おいしいとこどり」ではなく適当に端折ってきた断片であり、著者は「共産主義者である事の幸せ」を謳いあげているが「反帝国」というキーワードを除けば著者には思想らしい思想がない事が分かる(少なくともマルクス主義者ではない)。

「帝国」という概念は私の思想行動と軌を一にするため私はそれを理解し氏が言わんとする事は読書前から感得していた事もありこの本の内容を理解する事が出来たが、「帝国」概念を理解できない事象にそれを理解させる文脈にはなっておらず不親切というか独りよがりな内容と言わざるを得ない。

ちなみに私の「日本から大和へ」も大和という概念を新たに理解したい事象には不親切極まりない文脈になっているが、大和という概念は外からマスプロ教育で作る事は出来ないため拙著に関してはそういう文脈になるのは致し方ないわけで、氏の言う「帝国」概念も似たようなものではある事を考えれば仕方ないのかもしれない。

500ページの大著なのに読後感はあっさりしており正直物足りなかった(この辺りが私が「著者に思想がない」とする理由である)。

次は「想像の共同体/ベネディクト・アンダーソン」を読む事にする。

jleo