「21世紀のマルクス主義/佐々木力」を読了した。

トロツキーと陳独秀に焦点を当てた共産主義に関する論考は勉強にはなったが、環境社会主義の主張などからは思想的インスピレーションは得られなかった。

また「核兵器にメリットがない」という事を当然の事のように読者に押し付けている点や、主張がないのに「私の主張はスゴい」と主張している点などに、社会主義者のエゴを感じた。

社会主義は資本主義のカウンターパートとしての革命理論として命脈を保つわけで、社会主義者が政権を執る事は人間本性にとって悪であるとすら思わせる、社会主義批判になってしまっている悪書である。

社会主義はシミュレーションレベル・思想レベルの解答であるが、ミクロ実践レベル・マクロ実践レベルでは偏った社会主義者を生むという意味で有害である。他の思想と折衷させて欠点を補わなければ使い物にならない。

著者佐々木力はその辺りを弁えておらず、著者に21世紀のマルクス主義を語る資格はないと考える。

次は「未来派左翼/マイケルハート・アントニオネグリ」である。

jleo