「プラトンの呪縛/佐々木毅」を速読で読了した。

プラトン原典や古今のプラトン研究の大著からの引用を多数用いて、「第一次大戦後に訪れた民主主義の危機のなかで精神の国の王として甦り、さらにはナチズムにも利用された西欧思想の定立者(背表紙より)」たるプラトンについて、客観的に分析した本である。

ただ、プラトンが何を考えていたか・プラトンを現代に生かすにはどうすべきかの方が「プラトンが何を言ったか」より重要な問題であり、引用はまだしも佐々木毅氏自身の文章にはその視点が欠けていたのが残念かつ不思議に思った。

佐々木毅氏は教育者であって思想家ではないのだろう。

いつものように引用されている文献は大いに参考になったが、佐々木毅氏の文章からは独自の思想が感じられないため、読んでいてツマラナかった。

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jleo