「イデオロギーとユートピア/カール・マンハイム」の序文と第一部を読了した。
マンハイムは知識社会学による歴史の分析を唱え、思想的誤魔化したる狭義のイデオロギーに対して警鐘を鳴らす。
著者の「思想とは、現実のさまざまな力に衝き動かされながら、つねに自己自身に疑いを投げかけ、自己訂正を求めてやまない過程なのである」という言は、現実に迎合的になったり自我を無条件肯定する事の非思想性(思想のなさ)を言っているのだと思う。肝に銘じたい。
また、人間の思考の全体志向性が知識社会学の根幹だとも言っていた。史実でその後のドイツが全体主義に傾いて行った事を考えれば示唆的である。
マンハイムの議論に限らずこういう本の常として序文は解りづらいが、核心に入っていくにつれて著者の言わんとしている事が明確になっていく(その内容のほとんどは私が普段考えている事の根元か延長線上にあるが)筆致はさすがだと思った。
「精神の危機/ポール・ヴァレリー」との併読を続けたい。
jleo
マンハイムは知識社会学による歴史の分析を唱え、思想的誤魔化したる狭義のイデオロギーに対して警鐘を鳴らす。
著者の「思想とは、現実のさまざまな力に衝き動かされながら、つねに自己自身に疑いを投げかけ、自己訂正を求めてやまない過程なのである」という言は、現実に迎合的になったり自我を無条件肯定する事の非思想性(思想のなさ)を言っているのだと思う。肝に銘じたい。
また、人間の思考の全体志向性が知識社会学の根幹だとも言っていた。史実でその後のドイツが全体主義に傾いて行った事を考えれば示唆的である。
マンハイムの議論に限らずこういう本の常として序文は解りづらいが、核心に入っていくにつれて著者の言わんとしている事が明確になっていく(その内容のほとんどは私が普段考えている事の根元か延長線上にあるが)筆致はさすがだと思った。
「精神の危機/ポール・ヴァレリー」との併読を続けたい。
jleo