表明された「NATOは核兵器が存在する限り核同盟である」という考え方により、NATOは核兵器をコントロールするメカニズムであって積極的に核兵器を廃絶するメカニズムではないという事を自認してしまったのは残念である。

世界政治の大局が核兵器廃絶の方向性を具備していても、NATOの自我は核兵器廃絶を肯定していない。

また戦術核兵器削減について新聞はオバマ大統領の「核なき世界」への一歩だと持ち上げるが、その実は核兵器の思想的ツールとしての地位を増進するものであり、物理的に核兵器を減らす事が「核なき世界」に逆行する事になりかねない事を私は指摘しなければならない。

私はその方向性(核兵器削減と思想的地位の増進)に大賛成であるが、オバマ大統領の政策とは本質において矛盾するのである。

jleo