南スーダン軍がスーダンの油田地帯を制圧したとの事。

安保理は「南スーダン軍の撤退」「スーダン軍の空爆中止」を求め制裁を含めた対応を検討中、スーダン・バシル大統領は「南スーダン国民を同国与党・スーダン人民解放運動から解放する」、南スーダンは「国連の中立的な部隊を現地に派遣すれば、撤退する」としている。

まず、安保理はなぜ「スーダンのために死んでくれ」たる「国連スーダン停戦監視団」を組織しないのか。

監視団員の武力行使を「権力を積極的に獲得しない限度での個別的あるいは集団的自衛」に限り、かつ監視団員に対する武力行使は国際社会を敵に回す事につながる事を決議で明記すれば、監視団員の安全も軍隊の損耗率としてはかなりのレベルで実現できる。

私は「国連スーダン停戦監視団」の派遣を支持する。

次に国連が停戦監視団を組織しないとして、スーダン情勢をどう認識しどう行動すべきかについて述べたい。

国境と油田の問題として、湾岸戦争の事例が参考となるだろう。

湾岸戦争は、地域の覇権国だったオスマントルコを継承した(と自称した)イラクが、イギリスが独立を与えたクウェートの領有権を武力に訴えて主張した事に端を発する戦争である。

今次のスーダンの場合に対置すれば、スーダンがオスマントルコ・南スーダンがイラク・油田地帯がクウェートという事になるだろう。

従って欧米諸国あるいは国際社会が取るべき行動は、「まずスーダンを政治的に叩き油田地帯への統制を弱めた後、油田地帯を守るために南スーダン軍を軍事的に叩く」であろう。

スーダンも南スーダンもそれを望んでいるかのような言動が見られる。

つまり国連安保理の要求は、湾岸戦争的解決を政治力だけで実現しようとするものである限りにおいて、支持できると言える。

湾岸戦争の結果史実ではクウェートは「アラブの一国として独立を維持した」が、今回の事変の結果としてスーダンの油田地帯は「法的にはスーダン所有・文化的には南スーダンを維持」で間違いないと私は考える。

それを確認するためにも、国連は是非とも「国連スーダン停戦監視団」を組織すべきである。

jleo