ギター

今週のギターレッスンが終了した。

チラシで「スペインギターコンクール」というのを見つけ、課題曲である「練習曲二番/ソル」「アルハンブラの思い出」を練習したらどうかと師に問うたところ、「あれはプロになる人が来るからレオには合わない」と言われ「アマチュアギターコンクール」と「日本ギター協会主催ギターコンクール」に出るのがいいとレクチャーされた。

課題自由曲に「アストゥリアス」を持ってこようと思ったのに残念である。

また「安い方は心理的に締めるとよく反応するのに高い方のギターは締めても反応しない」と言ったところ、「それはヘタなだけ」「いい楽器は気難しい」「上手くなれば安い楽器でもいい音が出せる」と言われた。

KCGCでの演奏の成功体験を脱構築し高い方のギターに合わせて練習するべきなのであろう。

しかし私は「ギターを替える事は演奏パートナーを乗り替える事に等しく、人生においてオンナを乗り替える事に匹敵する」と考えていた時期があり、それを貫くならケース込み3万円のギターで「アストゥリアス」を弾いた成功体験でギターを引退すべきであった。

高級なギターも高い方のギターも、ギターに恋愛哲学を適用するなら買うべきではなかったのである(安いギターから高級ギターに乗り替える事は、成功して内助の功から別のいいオンナに乗り替える事を意味する)。

たとえるなら、愛の他に何もなかった最初の恋人との情事が忘れられなくて成功してから結婚した相手をそれと比べてしまう「ラブ・ノスタルジー」なわけである。

処し方としては「スランプに陥った時安いギターに戻る(相談に乗ってもらう)」「思い出として安いギターにはもう触らない(関係を解消する)」「目の前にある高いギターに照準を合わせ安いギターとの成功体験ごと忘れる(新しい恋人との生活を楽しむ)」等が考えられる。

「昔の恋人がくれた目覚まし時計を、何度言われてもずっと使ったのが気に入らない(どうしようもない僕に天使が降りてきた/槇原敬之)」よろしく高いギターが機嫌を損ねるのも当たり前であり、素直にいい音を出してくれないのは私の気持ちの持ちようのせいである。

時系列的にはずれがあるが一夫多妻制的なところがあり、「目の前の高級ギター」と「過去の安いギター」とに二股をかけているに等しい。

技術的には高級ギター・気持ち的には安いギターでやっていきたいが、次の演奏会(情事)はどちらでいくか、考えものである(師は高級ギターを勧めるであろうが)。

jleo