「ポストモダンの共産主義/スラヴォイ・ジジェク」を読了した。

一番最後で共産主義を一から再構築する事を謳う以外、多少共産主義的バイアス(合理的かつ非常識な論理)があるものの我が国家社会主義労働者党に対する擁護に貫かれた好著であり、ドゥルーズへの言及(往年はマルクスを批判しながらも晩年はマルクス主義に傾倒)もあり、今の私のために書かれたような本である。

ただ、ジジェクの他の本(「毛沢東とロベスピエール」や「パララックス・ヴュー」)に当たる必要はないと感じる。

引用や剽切が多く、ジジェク自身の思想は最も現前化しにくい我が国家社会主義大和労働者党主義である事もあり、氏の考えを理解するには骨が折れるだろうからである(私にとっては引用元文献を読んだ方が生産的であろう)。

共産主義的現状分析は条件付き現状肯定に向かうべきである、という私の持論でこの書評を締めたいと想う。

何をその条件とするかは議論の対象になるとしても。

jleo