「君主の統治について/トマス・アクィナス」に続き「平和の訴え/エラスムス」を読了した。

平和の神の独演という設定で、平和の神が宗教戦争真っ只中のヨーロッパの状況を批判する内容である。

両書は「王の振る舞い」について論じている点で似ているが、前者が「王とは天の浄福を目的とし善き統治を行う」、後者が「国民全体の見地から平和の維持を図り、人類同胞のために能う限りの力を尽くすことこそ王者たるものの高貴なる任務」としていた点で、それぞれの視点の違いが分かり興味深い。

「noblesse oblige」とは何かについて改めて考えさせられた(私見では「名誉を伴う正当権力奪取のために進んで戦場に身をさらす事」だと想っている)。

jleo