「国家とは何か/A.P.ダントレーヴ」を読了した。

countryとstateとcivitasとres-publicaの違いを豊富な原典引用(ラテン語)を交えて論じた後、ホッブスやルソーの国家論を批判的に受容しながら国家について論じた良書である。

ルソーが全体主義的民主主義の思想的源泉であるという見立てがある、という言は興味深い。

最終章の共通善についての項で「誰が善であるかどうかを決めるのか」という問題提起は、私の「人間性との親和性」に言う「人間性」について誰を基準にするかという問題であり、個人のフェイズでも社会システムのフェイズでも問題として常にホットな事は確かである。

巻末参考書欄にある本(既読のものも多い)の中から、「自由論/アイザイア・バーリーン」と「現代の君主/アントニオ・グラムシ」をチョイスし、新たに図書館で借りるなりして入手する事にした。

jleo