私はアサド大統領は退陣した方がよいのかそうではないのか、ここへきて決めかねている。

軍が3000人を超える市民を虐殺しているという客観的事実からは軍の最高司令官である大統領の倫理観が疑われるが、過激なデモを鎮圧しているという主観的事実からは国の指導者である大統領の偉大な政治力がうかがわれる。

EUやアメリカ・アラブ連盟は客観的事実に立脚して大統領を非難し制裁を課しているが、ロシアや中国は主観的事実に立脚して政権を打倒するような事を謹んでいる。

私は市民を虐殺しているという客観的事実については制裁による明確な非難のメッセージを発するべきと考えるが、過激派を鎮圧しているという主観的事実については「社会の政治化を避ける」という観点から支持する。

私はアサド大統領のシリア社会の政治化を押さえ込む手腕を評価しているが、例えばアサド氏が脳内革命を起こすなど虐殺以外にもテはあるのではないか。

市民を虐殺しておいて市民を保護しているとするのは治安部門の責任者なら許されるが、大統領としては許されないだろう。

そこで私はアサド氏をシリア治安部門の責任者に降格し、世界のprinceたる私が戦時に限りシリア大統領を兼職する事を宣言する。

そしてシリアは死傷者の数から言って戦時である。

以下布告。

GPA理論によれば戦時には「言の葉」の威力が最も強い者が軍の最高司令官であるべきであり、従って戦時に限り私がシリア軍の最高責任者であるが、私はシリア軍を納刀できない刀遣いを掃討する事にこそ用いる。

納刀できない刀遣いが市民にいれば虐殺は正当化され、軍にいれば軍の内紛が惹起されるだろう。

シリアの全ての刀遣いは一度納刀してみるべきである。全軍が納刀してもなお闘い続ける者、それがシリアの真の敵である。

その真の敵を討ち果たすか私がその真の敵である事が判明するかすれば、シリアはまた平穏な国に戻るだろう。

各員の検討に期待する。

jleo