「ケースS.W.」の場合。

彼女は二つ上の書記担当役員であり、政治家(地方議員)の娘であった。

一年次の春合宿で密室で二人になる機会があり悩み相談などをしたわけだが、その時思い切って告白していれば向こうもまんざらでないようであり、付き合っていたかもしれない。

ただ前述のように十八人会で恋愛する恐ろしさを知っていた私は、たたらを踏んだのである。

執行部の運営に関して私の情理権力を防御的に活用しようとしていたので、誰かと表立って付き合う事はその戦略を破綻させる事でもあったのである(先輩と付き合って助けてもらう、というのはズルい気もしていた)。

執行部引退後アプローチする機会は何度かあったが、ウジウジしているうちに相手が卒業してしまった。

「ケースF.M.」の場合。

彼女は同期執行部の企画担当役員であり、最初のうちは私を「ダメな男」と見て幻滅していたが、末川法律討論会で会内論者をやって呪縛を解き放った(エキゾチック・マニューバ)私に惚れ直し、告白の機会を狙っていたようである。

こちらから告白すれば付き合っていたかもしれないが、私はその時点では自分をコントロールするのに汲々としてしたので誰かと付き合う余裕はなかった(告白されればまんざらでもなかった)。

私が十八人会を退会した事で会う機会はなくなり自然消滅した。

これらの経験から「ここぞという時はセオリーを破って行動する」というセオリーが生起される。

jleo