「日米開戦の真実/佐藤優」を読了した。

1941年真珠湾攻撃の直後になされたラジオ放送を校正した「米英東亜侵略史/大川周明」を全文引用しつつ、米英の帝国主義に対して性善説に立って日本は失敗した、とする言説には論理的説得力がある。

ただ、佐藤優の言説に共通している「言語化できないものの表相を何に求めるか」という事に関する議論の未熟さは健在である。放っておくと天皇制を信奉しかねない危うさが氏にはある。

私は刀をその表相とする事で、複雑かつ精緻な天皇制メカニズムと適正な親和性を保つ事に成功している(私は日本帝国の摂政である)が、氏にはそれをはっきりさせる思想的営為が必要だろう。

氏が、合理的には正しく情理的には違和感のない言説表明を続けられるよう祈る次第。

jleo