今日は、所属している日仏希羅学会の講演会(年二回)があった。場所は早稲田大学・戸山キャンパス。
今回は、慶應義塾大学理工学部でフランス語の教鞭を取っている若手非常勤講師(女性)による、シモーヌ・ヴェイユに関する発表だった。
内容は「弱さからくる権力は神への愛から生まれる」とかそんな感じだったが、一つ違和感を持ったのは、講演者が「権力に関する考察に男女区別はしないことにしている」とした事である。
「権力の現れ方に男女差がない」という見方は恋愛闘争を経験していれば出てこない発想であり、「権力という本質・人間という三次元事象をデバイスとするという点は同じである」という意味では区別すべきでないが、権力の現れは社会的・生物学的な男女区別に影響を受ける事を看過すべきでない。
あと、京大の院出身なのに西田幾多郎について質問されて論駁出来ていなかったのにはがっかりしたが、慶応に勤めてるのに「組織が個人の良識を奪うのは最悪」と言っていた事には好感を持った。
さあて、こちらは「河野与一訳・思想と動くもの(ベルグソン)」でも読むか。