JL7KHN/ミヤギKI529のブログ

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各種無線、高周波回路、アナログ回路、デジタル回路、ソフトウェア、高速伝送、半導体、信頼性工学、自動車工学が専門。

些細な日常も踏まえた「ゆるい」感じの両極端ブログ

どの車でも良いのですが、車高をいじった時によく聞くのが「スタビリンク長さを調整しないといけない」と言う話。

先日も質問を受けたので、ついでに記事にしてみようと思います。



■まず、結論

普段の乗車状態を基本として、スタビリンク長さを「左右同条件・無負荷・スタビにプリロードをかけない長さ」に合わせる



■なぜ調整が必要?

みんな大好き、​車高変更すると…

・​スタビとサスペンションの相対角度が変わる

・常にスタビにプリロードがかかった状態になる

すると、結果は…

・​(1人乗りだと)​ロール初期が左右でズレる

・アンダー/オーバーのバランスが不自然になる

・乗り心地が悪くなる

等など


なので、社外品パーツメーカーからは沢山の商品が販売されているわけです。


■私流の調整手順

① 車両状態を作る(準備)

一番頻度の高い乗車定員、荷物、ガソリン量…とにかく重量とその配分を再現すると

=とにかく停車状態だけど、いつもとサスが同じ荷重状態にする


その状態かつ水平な場所で、調整する側のジョイント部などを使って地面からの高さを測定する




​② 片側リンクを外す

一旦車をジャッキアップし、調整する側のタイヤを外します。

その後、アームで負担のかかりにくい部分にジャッキをかけ、先程測定した場所の高さが同じになる迄ジャッキを下ろします。

(ブレーキバックプレート等を曲げない様に注意)

次にスタビリンクの上無いし下のリンク固定ナットを外します。

ポイントは

・両方外す必要は無い

・(ナットを外した上下の)反対側は固定したまま


③​外した側の取り付け穴の位置を確認する

穴がズレて無くボールジョイントが​スコっと入る → OK

上にズレてる → スタビが引っ張っている →要調整

下にズレてる → 押してる →要調整



調整式リンクを回して、​「ボールジョイントボルトが“無理なくスコッとは入る長さ”」​にする。

④固定する

スタビリンクナットを本締めし、スタビリンク長さ調整用ロックナットを締める


⑤反対側も確認

全く同じ作業で反対側も​同様にテンションフリーか確認し、必要があれば調整します。


■この方法の強み
1人乗りが多いと、運転席側が沈み込みます。その影響は当然車種により異なりますが、ざっくり体重 70kgで車体ロール 0.2~0.5°くらい、スタビリンク​長差として1~3mm程度ズレることが多いです。
更には車高は左右差がある車も少なくありません。
なので、左右を単純に同じ長さで調整してしまうと、それが直進状態でスタビライザーにかかるバイアスとなり、左右差が出てしまいます。

この左右差=プリロードによる初期捻じれが、とても厄介。
例えばリンク長さで2mm違うと、数十Nクラスの荷重差になる事も。

直感的には、足回りの「1G締め」と同じイメージ。

もちろんスタビライザーが設計値と同じ角度になっている事も大事ですが、それ以上に寄与度が高いのがスタビライザーの捻じれ。スタビライザーは角度ではなく捻じれで決まります。

良くある誤解をぶっ壊す、「左右同長=正解ではない」と言う話でした。