明日夢はヒビキと共にたちばなへ来ていた。
ヒビキは魔化魍退治の近況報告を、明日夢はたちばなに置いてある鬼や魔化魍の資料を読みに来ていた。
明日夢は昔の鬼について書かれた古文書を読んでいた。
現代では失われた技や呪術について書かれている。
流し読みしていた明日夢だが、あるページでピタリと止まり読み入っている。
「これって・・・」
明日夢が見ていたのは「鳴刀 音叉剣」の記述だ。
変身音叉を呪術で変化させた刀、昔の鬼はよく使っていたが現代の鬼は使わなくなった技だ。
「すごい、これ出来るようになったらいいな。」
明日夢はどこかにもっと詳しいことは書いてないかと探していた。
ふと、後ろに気配を感じ振り返ると神妙な顔つきで小暮耕之助が立っていた。
「わぁ!?こ、小暮さん!?」
小暮は明日夢の読んでいた資料を手に取ると
「ほぉ、昔の鬼の資料か。君も威吹鬼の弟子の少女も熱心に鬼や魔化魍の資料を読み込んで感心だ。最近の若手の弟子は習い事感覚で鬼の修行をするものが増えた。何やら気になった記述があったようだが?」
明日夢は少し迷った後、
「・・・えぇと、これです。」
と音叉剣の記述を指差した。
「ほほぉ、音叉剣か。音叉を変形させて刀にする。今では失われた術だな。使われなくなったといったほうが正しいか。確かに太鼓の鬼を目指す君には興味深いものだろうな。」
「あの・・・それ、何とか出来ないかなぁって・・・」
小暮は驚いて、
「何と!いや、不可能ではないだろうが何分もう使ってる鬼がいないから教えを請うことも出来ん。だが、自分の力でやってみようと言うのならやれるところまでやってみたらいいだろう。」
そう言って小暮はコピー機で音叉剣の記述のページをコピーして明日夢に渡した。
明日夢は礼を言って受け取り、さてどうやったらいいのだろうかと考え始めていた。
一方、ヒビキは立花勢地郎、このたちばなの店主兼猛士の関東支部のトップに魔化魍の近況報告をしていた。
「最近はバケネコが出てきてますが結構倒したんでそろそろ本体も現れると思いますよ。」
「そうかい。イブキ君やザンキ君からもバケネコが大量発生してるって報告を受けてるからね。
大型のほうはどうだい?」
「最近はバケガニが数体出てきましたが、それだけだとですね。まぁバケガニは基本ザンキさんたちが倒してますから。」
「そうか。君たちは流派同士でも争っているからねぇ。強力な魔化魍が現れたときとかは連携とかするのかい?」
「難しいですねぇ・・・時々することはあっても共闘というより仕方なく合わせてやってるって感じですからねぇ。特にザンキさんとイブキが・・・」
「まぁあの2人は正反対だから余計にねぇ。」
猛士、たちばなは対立する3流派全てに武器やキャンプ用具、魔化魍の資料を提供する中立的な立場なのだ。
そこへ小暮が入ってきた。
「うむ、流派同士の争いは長い間続いてきたものであり我々猛士が介入してもややこしくなりそうだからな。だが、ときには流派の誇りを捨ててでも魔化魍を倒すために協力することも考えてほしい。」
「了解です。」
「ところでヒビキ、君の弟子の明日夢君だが、どうやら音叉剣に興味を持ったようだぞ。ここにある音叉剣の資料を彼に渡したからおそらく修行を始めるだろう。」
「ほほぉ音叉剣といえばもう使われなくなった呪術の1つじゃないか。明日夢君が興味を持つとはね。でも大丈夫なのかいヒビキ?」
勢地郎がヒビキに聞いた。
「そうか、明日夢が音叉剣を・・・確かに難しいだろうな。俺でも出来そうにない。いや、でもですね出来る出来ないじゃなくて・・・明日夢がこう、自分で考えて自分なりに修行して自分だけの鬼になろうとしてるんなら、それは大きいことなんですよ。」
「なるほど、自分流を貫かせたいということか。」
小暮も頷いた。
「そういうことです。」
「そうか、じゃあここは1つ私も期待の新星明日夢君に期待してみるとしよう。」
勢地郎も笑って答えた。
ヒビキと明日夢、イブキとザンキが大量の弟子を引き連れ魔化魍の現場に到着。
再びバケネコだが、今度は数が前より多く5匹いる。
3人の鬼たちは一斉に変身し、弟子は下がり戦いを見守る。
響鬼と斬鬼は2体ずつ威吹鬼が1体を相手にした。
一方のバケネコを烈火で攻撃し後ろのバケネコは後ろ蹴りで牽制する響鬼。
リーチの長い烈雷で2体同時に斬る斬鬼。
明日夢は1対2はこうして戦うのかと見入っていた。
やがて響鬼、斬鬼、威吹鬼は音撃に入った。戦うときは大勢対1でも音撃は1体ずつになる。
残った2体は鬼を無視して威吹鬼流と斬鬼流の弟子たちのほうへ向かっていった。
悲鳴を上げる弟子もいればあきらや戸田山をはじめとした身構える弟子もいるが、いくら等身大とはいえ修行中の生身の人間がかなうような相手ではない。
バケネコが弟子たちに狙いを定めたことに気づいた明日夢は
「よし、出番だ!」
と腰に下げてる3枚のディスクを手に取り音流を滑らせるようにして3枚同時に鳴らした。
「みんな、お願い!」
赤、青、緑に変色したディスクを明日夢はバケネコのほうへ投げた。
放たれたディスクは空中で展開、変形し茜鷹、瑠璃狼、緑大猿になった。
3体のディスクは2体のバケネコへと向かっていき攻撃した。
小回りが利き狙いも定めにくく連携して攻撃するディスクにバケネコは押されていた。
(明日夢!こいつを威吹鬼さんのほうへ蹴り飛ばすんだ!)
茜鷹が呼びかけた。
明日夢はよしっと気合を入れてディスクたちに気を取られているバケネコを既に1体倒し終えた威吹鬼のほうへ蹴り飛ばした。
「威吹鬼さん!こいつお願いします!」
「よし!」
威吹鬼は明日夢が蹴り飛ばしたバケネコに鬼石を撃ち込み清めの音を鳴らして倒した。
「よし!こいつは俺に任せろ!」
もう1体のバケネコは斬鬼がそういって瞬く間に倒した。
明日夢や他の弟子たちはほっとして力が抜けたようである。
変身を解いたヒビキが駆け寄ってきて
「明日夢!よくやったぞ!」
イブキとザンキもやってきて
「明日夢君!ありがとう!僕の弟子たちも助かったよ。」
「今回ばっかりは礼を言うぜ!ったくヒビキの弟子にしとくには惜しい奴だ。いつでも斬鬼流に来ていいぜ!」
「何言ってるんですか!?明日夢君、こんな人の弟子になったら汗臭くなるだけだよ!」
「何だと!?」
いつの間にかまた2人の喧嘩が始まった。
もしかしたら喧嘩を楽しんでる・・・なんてことないかと明日夢は思った。
一方、あきらと戸田山は少し悔しそうな表情をしている。
ヒビキは明日夢を連れて先に帰ったが、イブキとザンキの争いはしばらく続いた。
再びバケネコだが、今度は数が前より多く5匹いる。
3人の鬼たちは一斉に変身し、弟子は下がり戦いを見守る。
響鬼と斬鬼は2体ずつ威吹鬼が1体を相手にした。
一方のバケネコを烈火で攻撃し後ろのバケネコは後ろ蹴りで牽制する響鬼。
リーチの長い烈雷で2体同時に斬る斬鬼。
明日夢は1対2はこうして戦うのかと見入っていた。
やがて響鬼、斬鬼、威吹鬼は音撃に入った。戦うときは大勢対1でも音撃は1体ずつになる。
残った2体は鬼を無視して威吹鬼流と斬鬼流の弟子たちのほうへ向かっていった。
悲鳴を上げる弟子もいればあきらや戸田山をはじめとした身構える弟子もいるが、いくら等身大とはいえ修行中の生身の人間がかなうような相手ではない。
バケネコが弟子たちに狙いを定めたことに気づいた明日夢は
「よし、出番だ!」
と腰に下げてる3枚のディスクを手に取り音流を滑らせるようにして3枚同時に鳴らした。
「みんな、お願い!」
赤、青、緑に変色したディスクを明日夢はバケネコのほうへ投げた。
放たれたディスクは空中で展開、変形し茜鷹、瑠璃狼、緑大猿になった。
3体のディスクは2体のバケネコへと向かっていき攻撃した。
小回りが利き狙いも定めにくく連携して攻撃するディスクにバケネコは押されていた。
(明日夢!こいつを威吹鬼さんのほうへ蹴り飛ばすんだ!)
茜鷹が呼びかけた。
明日夢はよしっと気合を入れてディスクたちに気を取られているバケネコを既に1体倒し終えた威吹鬼のほうへ蹴り飛ばした。
「威吹鬼さん!こいつお願いします!」
「よし!」
威吹鬼は明日夢が蹴り飛ばしたバケネコに鬼石を撃ち込み清めの音を鳴らして倒した。
「よし!こいつは俺に任せろ!」
もう1体のバケネコは斬鬼がそういって瞬く間に倒した。
明日夢や他の弟子たちはほっとして力が抜けたようである。
変身を解いたヒビキが駆け寄ってきて
「明日夢!よくやったぞ!」
イブキとザンキもやってきて
「明日夢君!ありがとう!僕の弟子たちも助かったよ。」
「今回ばっかりは礼を言うぜ!ったくヒビキの弟子にしとくには惜しい奴だ。いつでも斬鬼流に来ていいぜ!」
「何言ってるんですか!?明日夢君、こんな人の弟子になったら汗臭くなるだけだよ!」
「何だと!?」
いつの間にかまた2人の喧嘩が始まった。
もしかしたら喧嘩を楽しんでる・・・なんてことないかと明日夢は思った。
一方、あきらと戸田山は少し悔しそうな表情をしている。
ヒビキは明日夢を連れて先に帰ったが、イブキとザンキの争いはしばらく続いた。
一方、修行場に戻ったヒビキと明日夢は早速ディスクアニマルの展開の練習に取りかかっていた。
「よし!もう一度!」
明日夢はそう言って音流で茜鷹のディスクを鳴らすが何も起こらない。
「う~ん、何がいけないんだろう?」
悩んでる明日夢にヒビキは、
「よし、ちょっと貸してみろ。」
と言って音流とディスクを受け取りやってみるが、ヒビキでも出来なかった。
「あれ?おかしいな・・・」
ヒビキはもう一度やってみるが、それでもディスクは展開出来ない。
「ちょっと待てよ。今度は俺の音角でやってみよう。」
そう言って今度は音角でディスクを鳴らすと展開し、茜鷹になった。
「おいおい、この音叉不良品じゃないか?」
明日夢もヒビキの音叉で出来たのならと同意した。
と、そのとき
「ばっかも~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!!!」
と怒声が響いた。
ヒビキと明日夢は驚いて声のした方向を向くと初老の男が走ってやってきた。
「まったく日頃の修行不足を棚にあげ私の丹精こめてつくった音叉を不良品だと!このバカもんが!」
と言って手に持っていた警策でヒビキの尻を叩いた。
「いたた!小暮さん、ちょっと辞めてください。」
男の名は小暮耕之助、鬼たちが使う音撃武器やディスクアニマルの開発を行っている「猛士」の開発局の局長だ。
ヒビキは気を取り直してこの人が猛士の開発局局長の小暮さんだ、と明日夢に紹介した。
明日夢はどうも、とお辞儀した。
「君がヒビキの弟子になったという安達明日夢君か。明日なる夢、良い名前だな。」
「あぁ、ありがとうございます。」
「ところで君のために私がつくったこの『音流』だが、これはヒビキやダンキたちが使ってる音叉とは少し違う。」
明日夢はダンキって誰だ?、と思いつつも
「えっそうなんですか!?」
と答えた。
「俺の使ってるのと違うんなら使えなくたってしょうがないじゃないですか!」
とヒビキは小暮に抗議したが、小暮は一瞬しまったという表情をしながらもすぐに気を取り直して
「これはヒビキの使う音角と違って周りの波動を取り込む音叉だ。」
無視されたヒビキは不機嫌そうに
「どういうことですか?」
と聞いた。
「全てのものには固有の『響き』がある。仮に波動と置こうか。通常太鼓の鬼は自分の体内の波動を練り上げそれを音叉で誘発し変身したりディスクを使うのだが、この音流は違う。自分の体内の波動だけでなく、周りの大地や大気などの波動を取り込み自分の波動に還元することが出来る。」
「そんなことが出来るんですか?だったらどうしてヒビキさんの音叉はそうなってないんですか?」
明日夢は聞いた。ヒビキもそれを疑問に思っていたようで明日夢の言うことに頷いた。
「うむ。確かに普通の鬼ではそのようなことは出来ない。だが、明日夢君。君には周りの自然の波動を感じ取る才能があるようだ。ヨブコのときのことを思い出してみなさい。」
明日夢ははっとした。
まだ、ヒビキに弟子入りする前の頃、一度ヨブコという、波動を放ち鬼の音撃を打ち消してしまう魔化魍に遭遇した。ヨブコに捕まった明日夢はヒビキに助けられるもヨブコと戦闘になってしまう。響鬼の放つ音撃が悉く打ち消されてしまう中、明日夢は「全てのものには固有の『響き』がある」というヒビキの言葉を思い出し、ヨブコの波動を感じ取り響鬼に知らせた。おかげで響鬼はヨブコの放つ波動の隙を突いて倒すことが出来た。そういえば、呼ばれかたが「少年」から「明日夢」に変わったのもその頃だっけ・・・
あれがそんな特別なことなのか・・・明日夢はそう思った。
「波動の流れを汲み取るから『音流』、きっと君なら使いこなせるはずだ!」
小暮はそう言った。
明日夢はそこまで言うならそれでやってみようと思い、周りに意識を集中した。
明日夢は大気の中にある「響き」を感じ取った。
(これがその「響き」、波動なのか。当たり前すぎて気付かなかった・・・)
すると、手に持っていた音流が共鳴している。明日夢はそのままディスクを鳴らしてみた。
ディスクは赤くなり展開して茜鷹に変形した。
「やった!!!」
ヒビキや小暮も頷いている。
(やっと、目覚めさせてくれたね。)
「えっ!?」
明日夢は声が聞こえたような気がした。
(僕だよ。茜鷹だよ。)
「君が話してるの?」
(うん、早く僕の仲間も目覚めさせてよ。みんな君が展開してくれるのを待ってるよ。)
明日夢はさっきと同じように残りの3枚も展開した。
(俺は瑠璃狼だ!よろしくな!)
(拙者が緑大猿でござる!これから共に頑張っていこう!)
(おいらが黄蘗蟹だ!長い付き合いになるぜ!)
「みんな・・・うん、よろしく!」
明日夢も笑って答えた。
ヒビキは動揺しながら
「おいおい、明日夢・・・お前さっきから・・・もしかしてディスク達と話してるのか?」
「えぇそうですけど・・・」
「お前ディスク達の言葉分かるのか!?」
「はい、そうですけど、そういうものじゃないんですか?ヒビキさんだってディスクの言いたいこと理解してるじゃないですか。」
「あれは実際に話してるわけじゃなくて、ジェスチャーとかで判断してるわけで・・・こんなことってあるんですか?小暮さん。」
「うむ、稀にディスク及び式神の言葉が理解できる者がいるらしい。明日夢君がそうだったとは・・・君はもしかしたらなるべくしてヒビキの弟子になったのかもな。」
「そうなの?みんな。」
(やっと僕たちと話せる人に会えたよ。確かに明日夢には鬼の才能あるかもね。)
茜鷹がそう言うと他のディスクたちも頷いた。
「よし、これからも頑張るぞ!」
明日夢は鬼の修行に一層気合が入った。
次回予告
魔化魍との戦闘現場
「みんな、お願い!」
明日夢がディスクアニマルを飛ばしている。
たちばなの資料を読んでいる明日夢
「これ、出来るようになったらいいな。」
小暮と話しているヒビキ
「明日夢がこう、自分で考えて自分なりに修行して自分だけの鬼になろうとしてるんなら、それは大きいことなんですよ。」
「よし!もう一度!」
明日夢はそう言って音流で茜鷹のディスクを鳴らすが何も起こらない。
「う~ん、何がいけないんだろう?」
悩んでる明日夢にヒビキは、
「よし、ちょっと貸してみろ。」
と言って音流とディスクを受け取りやってみるが、ヒビキでも出来なかった。
「あれ?おかしいな・・・」
ヒビキはもう一度やってみるが、それでもディスクは展開出来ない。
「ちょっと待てよ。今度は俺の音角でやってみよう。」
そう言って今度は音角でディスクを鳴らすと展開し、茜鷹になった。
「おいおい、この音叉不良品じゃないか?」
明日夢もヒビキの音叉で出来たのならと同意した。
と、そのとき
「ばっかも~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!!!」
と怒声が響いた。
ヒビキと明日夢は驚いて声のした方向を向くと初老の男が走ってやってきた。
「まったく日頃の修行不足を棚にあげ私の丹精こめてつくった音叉を不良品だと!このバカもんが!」
と言って手に持っていた警策でヒビキの尻を叩いた。
「いたた!小暮さん、ちょっと辞めてください。」
男の名は小暮耕之助、鬼たちが使う音撃武器やディスクアニマルの開発を行っている「猛士」の開発局の局長だ。
ヒビキは気を取り直してこの人が猛士の開発局局長の小暮さんだ、と明日夢に紹介した。
明日夢はどうも、とお辞儀した。
「君がヒビキの弟子になったという安達明日夢君か。明日なる夢、良い名前だな。」
「あぁ、ありがとうございます。」
「ところで君のために私がつくったこの『音流』だが、これはヒビキやダンキたちが使ってる音叉とは少し違う。」
明日夢はダンキって誰だ?、と思いつつも
「えっそうなんですか!?」
と答えた。
「俺の使ってるのと違うんなら使えなくたってしょうがないじゃないですか!」
とヒビキは小暮に抗議したが、小暮は一瞬しまったという表情をしながらもすぐに気を取り直して
「これはヒビキの使う音角と違って周りの波動を取り込む音叉だ。」
無視されたヒビキは不機嫌そうに
「どういうことですか?」
と聞いた。
「全てのものには固有の『響き』がある。仮に波動と置こうか。通常太鼓の鬼は自分の体内の波動を練り上げそれを音叉で誘発し変身したりディスクを使うのだが、この音流は違う。自分の体内の波動だけでなく、周りの大地や大気などの波動を取り込み自分の波動に還元することが出来る。」
「そんなことが出来るんですか?だったらどうしてヒビキさんの音叉はそうなってないんですか?」
明日夢は聞いた。ヒビキもそれを疑問に思っていたようで明日夢の言うことに頷いた。
「うむ。確かに普通の鬼ではそのようなことは出来ない。だが、明日夢君。君には周りの自然の波動を感じ取る才能があるようだ。ヨブコのときのことを思い出してみなさい。」
明日夢ははっとした。
まだ、ヒビキに弟子入りする前の頃、一度ヨブコという、波動を放ち鬼の音撃を打ち消してしまう魔化魍に遭遇した。ヨブコに捕まった明日夢はヒビキに助けられるもヨブコと戦闘になってしまう。響鬼の放つ音撃が悉く打ち消されてしまう中、明日夢は「全てのものには固有の『響き』がある」というヒビキの言葉を思い出し、ヨブコの波動を感じ取り響鬼に知らせた。おかげで響鬼はヨブコの放つ波動の隙を突いて倒すことが出来た。そういえば、呼ばれかたが「少年」から「明日夢」に変わったのもその頃だっけ・・・
あれがそんな特別なことなのか・・・明日夢はそう思った。
「波動の流れを汲み取るから『音流』、きっと君なら使いこなせるはずだ!」
小暮はそう言った。
明日夢はそこまで言うならそれでやってみようと思い、周りに意識を集中した。
明日夢は大気の中にある「響き」を感じ取った。
(これがその「響き」、波動なのか。当たり前すぎて気付かなかった・・・)
すると、手に持っていた音流が共鳴している。明日夢はそのままディスクを鳴らしてみた。
ディスクは赤くなり展開して茜鷹に変形した。
「やった!!!」
ヒビキや小暮も頷いている。
(やっと、目覚めさせてくれたね。)
「えっ!?」
明日夢は声が聞こえたような気がした。
(僕だよ。茜鷹だよ。)
「君が話してるの?」
(うん、早く僕の仲間も目覚めさせてよ。みんな君が展開してくれるのを待ってるよ。)
明日夢はさっきと同じように残りの3枚も展開した。
(俺は瑠璃狼だ!よろしくな!)
(拙者が緑大猿でござる!これから共に頑張っていこう!)
(おいらが黄蘗蟹だ!長い付き合いになるぜ!)
「みんな・・・うん、よろしく!」
明日夢も笑って答えた。
ヒビキは動揺しながら
「おいおい、明日夢・・・お前さっきから・・・もしかしてディスク達と話してるのか?」
「えぇそうですけど・・・」
「お前ディスク達の言葉分かるのか!?」
「はい、そうですけど、そういうものじゃないんですか?ヒビキさんだってディスクの言いたいこと理解してるじゃないですか。」
「あれは実際に話してるわけじゃなくて、ジェスチャーとかで判断してるわけで・・・こんなことってあるんですか?小暮さん。」
「うむ、稀にディスク及び式神の言葉が理解できる者がいるらしい。明日夢君がそうだったとは・・・君はもしかしたらなるべくしてヒビキの弟子になったのかもな。」
「そうなの?みんな。」
(やっと僕たちと話せる人に会えたよ。確かに明日夢には鬼の才能あるかもね。)
茜鷹がそう言うと他のディスクたちも頷いた。
「よし、これからも頑張るぞ!」
明日夢は鬼の修行に一層気合が入った。
次回予告
魔化魍との戦闘現場
「みんな、お願い!」
明日夢がディスクアニマルを飛ばしている。
たちばなの資料を読んでいる明日夢
「これ、出来るようになったらいいな。」
小暮と話しているヒビキ
「明日夢がこう、自分で考えて自分なりに修行して自分だけの鬼になろうとしてるんなら、それは大きいことなんですよ。」