安吉白茶の旅へ
今年の中国緑茶の旅は、例年通りの旅。
莫干山から安吉へと向かいました。
といっても、莫干山から山を越え安吉へ向かう乗り物はなし。
いつものように安吉の同級生茶師が忙しい製茶の合間を縫って、莫干山まで迎えに来てくれました。
茶の旅は、いつも一人。
けれど、茶師たち仲間たちが助けてくれるから、こうして山から山へと現場の茶の旅ができています。
コロナ禍ぶり、5年ぶりの再会。
莫干黄芽の茶師や安吉白茶の茶師、20年来の老同学たちやその家族たちと元気に再会でき、泣きそうなくらいうれしい日でした。
夜、莫干山を越え、安吉へ
安吉到着後、すぐに茶師の工場へ向かいみなさんと再会をし製茶を見て、安心したまま茶師のところで就寝。
翌日
朝、さっそく、安吉の茶師の茶畑へ
懐かしい茶畑との再会です。
安吉についたときに、すでに製茶のピークは過ぎていました。
「この辺もだいぶ変わったから、少し見てみるか?」
多少時間的な余裕がある茶師からの提案で、茶畑を離れ、最近できた観光茶畑があるあたりへと連れて行ってもらいました。
そこは中国各地からの観光客でごった返し、観光客相手の安吉白茶や紅茶などのお店が立ち並び、どこも大盛況。
最初に安吉を訪ねた20年近く前には、想像もつかなかった光景です。
「安吉白茶」が銘茶の仲間入りをして20年以上経った現在。
「安吉白茶」は、中国各地で作られるようになっています。
訪ねた安吉の同級生茶師もまた、安吉以外にたくさんの茶畑を持っています。
むしろ、ここ安吉の茶畑で作っている「安吉白茶」のほうが少ないほど。
同じ品種で、同じ機械を使って作れば同じ外観になり、「安吉白茶」になる。
実際、わたしが訪ねている江蘇省の同級生茶師だけでなく、広西チワン族自治区や安徽など中国各地の同級生茶師たちもまた、「安吉白茶」を作っています。
つまり、安吉産の「安吉白茶」にこだわらなければ、「安吉白茶」は容易に手に入るようになったということ。
品質にもこだわらなければ、安価な「安吉白茶」もある。
「安吉白茶」という名前が同じでも、真偽だけでなく、品質の差が大きい。
安吉産だからといって、品質が良いわけでもない。
中国茶をともに学んだ老同学という仲間であり、そもそも「茶」がわかるからこそ手に入れられている安吉で作られた本物の「安吉白茶」。
そして、茶師の代弁者としてと「淹れる」以上、品質もまた大事。
来週末から始まるXingfu極上秘蔵茶会「2024年中国緑茶新茶会」では、茶師の安吉の茶畑で作った「安吉白茶」をご賞味いただきます。
しかも、今年3月6日、第一日目に作った黄金芽種の「安吉白茶」です。
ほんのわずかしか作らない、市場にでない茶葉。
みなさまと一緒に、味わえるのを楽しみにしています。
どうぞ楽しみにお越しください。
中国&台湾茶教室―Tea Salon Xingfu主宰
中国茶&台湾茶研究家 今野純子