更新を一時中止していましたが、本日より再開致します。
当館へお越しくださいました皆様で、マンションや社宅といった、いわゆる鉄筋コンクリート造りの集合住宅にお住まいのかたに、ぜひチェックしていただきたいことがあります。
先日、友人宅のマンションのリビングで、パソコンの整備をしていました。奥様が紅茶を入れてくださるとのことで、キッチンでお湯を沸かしていました。
その時、焼き肉の香りがしてきたので、「夕食まではいらない」と断ろうとキッチンへ行きましたが、お湯を沸かしているだけでした。奥様は「換気扇から逆流しているのかしら。タマネギとか色々臭うわよ!」ご主人も「マンションで共同生活だから・・・」とのことでしたが、換気扇(レンジフード)から、ほかの住戸の排気が逆流することは普通あり得ません。※
しかも、キッチンより廊下や洗面室のほうが強く臭っており、私は「壁に何か問題がある」と感じ、踏み台とライトをお借りして、ユニットバス天井の点検口より中を調べてみました。
マンションの、隣戸との境は鉄筋コンクリートの壁が多いのですが、水回りなどが隣と入り組んだような間取りや、1DKなど細長い住戸の場合、隣との壁がブロック積みや石膏ボード(乾式遮音耐火壁)の場合があります。タワーマンションなど、鉄骨造りのマンションでも採用されています。
写真では、右側が隣戸との境で、鉄筋コンクリートの梁(灰色)の下が、石膏ボードの乾式壁になっています。この状態で、頬に気流を感じました。
そこで、実験を開始しました。
・外部に面したドアや窓は全部閉める。各室にある換気口も閉じる。古いサッシは養生テープで目張りも有効。逆に、住戸内の間仕切りドア、トイレ、浴室のドアは開け放す。
・トイレ、浴室の換気扇を回し、キッチンのレンジフードを最強で回す。
すると、天井裏で凄い風の流れを感じるようになり、その元を辿っていくと・・・
梁と石膏ボードの間に、1ミリ程度の隙間(写真の黄色い丸印の部分)があり、ここから隣戸からの風がビュービュー吹き出していました。全換気扇を止めると、風はやみましたが今度は隣の生活音が漏れて聞こえてきました。
築30年のマンション。経年で隙間ができたのか?初めから施工上あったのかはわかりませんが、これでは臭いだけでなく音や虫、万一の火災の際は煙も往き来してしまいます。
自宅なら、耐火性のコーキング材で埋めることも考えられましたが、友人宅で隣戸との境(戸界壁)は「共用部分」で勝手な細工はできないのと、個室の壁などユニットバスからでは目視できない部分でも、同様の隙間があるかもしれませんので、管理組合に相談するようアドバイスしました。
皆様も、機会がありましたらこの実験で、妙な気流を感じないか、チェックしてみてくださいね。
※一部のマンションでは、レンジフードファン「停止時」に、他住戸の排気が逆流することはあります。これは、「共同ダクト方式」採用の、主に1970年代に竣工したマンションです。平面図、キッチンのガスコンロ脇に「AD」と記された四角い空間がそれです。例えば7階建てなら、各フロア、7つのレンジフードファンの排気がこの1本のダクトで屋上に排出されます。当館のプロフィール画像にあるようなものが、マンション屋上に並んでいましたら共同ダクトの可能性があります。
停止時に臭いや煙が逆流する場合は、「煙逆流防止ダンパー」と呼ばれる部材の、パッキン劣化か油などで閉止不良を起こしている可能性があり、このような場合は専門業者による点検・修理が必要です。(防火上も重要な部品です)