学生時代は、カセットテープ全盛期でした。入学・進学祝いにラジオカセット(ラジカセ)も定番でした。そして、さまざまなメーカーからいろいろなタイプのカセットテープが発売されていました。
当時、ラジカセは音楽の入門機という扱いでした。そして学生たちの夢は、ラジカセからステレオと呼ばれていたオーディオ機器、中でもコンポーネント・ステレオは憧れでした。録音機器は、音質重視のカセットデッキがありましたが、夢はオープンリールデッキでした。しかし、大型のオープンデッキや音質の優れたオープンリールテープはとても高価で、学生のお小遣いでは買えませんでした。
そこで、カセットでもオープンリールテープの雰囲気をと、カセットテープの中にオープンリールテープ風の小型リールを内蔵したものが登場しました。
当時、謎の会社と言われていた"AUDIO MAY'S"社製です。問い合わせ電話番号の記載はなく、唯一東京・千代田区にある"NIPPON BLDG. P.O.BOX93"という住所が記載されているだけでした。現在大手町に同名のビルはありますが、ネット環境もない当時はわからず、しかも私書箱93号とはどういうことなのだろう?と級友と考え込んでしまったブランドです。
音質は、残念ながらオープンリールテープに迫るどころか、一流メーカーのLN(ローノイズ)クラスでした。しかも、所々でレベルの変動があったのと、ラジカセやデッキ内のヘッドやローラーに茶色い磁性体の粉が付きやすかったです。さらに、ご覧のようにリールからテープがはみ出ているという、本物のオープンリールテープではあり得ない状態で巻かれているのも、ある意味すごかったです。
ノーブランドに近い会社とあって、遊び心も富んでいて姉妹品にはリール部分が床屋さんのサインポールのようなカラフル模様で見ていると目が回りそうなものや、ルーレットが印刷されていて数字を当てるゲームカセットもありました。